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学生時代に知り合ったスウェーデンの医学生(当時)が居ました。
彼は、1968年のノーベル賞授与式の際、会場に居て、そこで、その年のノーベル文学賞を受賞した川端康成を見た事をとても良く覚えて居ると、私に語ってくれました。
当時子供だった彼が何故そこに居たかと言ふと、ノーベル賞の授与式では、子供たちの合唱が有り、子供だった彼は、その合唱隊の一員として、その年のノーベル賞授与式に参加して居たと言ふのです。
彼によると、その時、合唱隊の子供達は、川端康成の事ばかり話して居たのだそうです。
当時(1968年)としては、まだ、日本人は珍しい存在だったのでしょう。しかも、川端康成は、羽織袴(はおりはかま)で授与式に参加しましたから、きっと、当時のスウェーデンの子供たちに強烈な印象を与えたのだと思ひます。彼を含めた合唱隊の子供達は、その時、みんな、川端康成ばかり見て居たのだそうです。
スウェーデン語では、川端(かわばた)と言ふ名を「キャワバタ」と発音するのだそうです。彼を含めた合唱隊の子供達は、「キャワバタ、キャワバタ」と言って大騒ぎし、川端康成の一挙一動を見ては、「あ、あんな事した」等と言って居たのだそうです。
子供は、何処の国でも同じですね。しかし、ワールドカップの入場の時、選手たちと手をつないで試合場に入場する子供達もそうだと思ひますが、こう言ふ体験は、子供達の人生に大きな影響を与えるに違い有りません。
子供の頃、どんな大人を見るかは、子供の人生を左右します。子供の頃、下らない大人しか見る事が出来無かった子供は、その下らない大人たちと同じ様な大人に成るかも知れません。それに対して、ほんの一瞬でも、素晴らしい大人を目にした子供は、人生には、その素晴らしい大人の様な人間に成るチャンスが有る事を知る事が出来ます。そう言ふ幸運を得た子供は、その時、学校では得られない精神的感化をその時、受けるのです。
そのスウェーデン人の友人から、1968年のノーベル賞授与式に参加した時のその思ひ出を聞かされた時、子供たちに、そんな形でノーベル賞授与式に参加する機会を与えて居るスウェーデンの教育は素晴らしいと思った事を覚えて居ます。未来を担ふ子供たちに、「僕もあの人たちの様な大人に成りたい」と言ふ希望と、人生の宝と成る思ひ出を与えて居るスウェーデンの人間作りには、心憎い物が有ります。
ワールドカップの入場の時、選手たちと手をつないで試合場に入場する子供達もそうだと思ひますが、子供達にこう言ふ体験をさせる事は、本当に大切な事だと思ひます。日本の教育には、こう言ふ事が欠けて居るのではないでしょうか。
そのスウェーデンの友人には、もう永く会って居ません。元気だと思ひますが、今年のノーベル賞授与式を見ながら、彼が、子供の頃、ノーベル賞授与式で見た羽織袴(はおりはかま)姿の川端康成の事を、自分の子供達に語って居るだろうか?等と思ひました。
2010年12月11日(土)
西岡昌紀(内科医)
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ノーベル賞 華麗祝典の舞台裏
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1434946&media_id=2
<ノーベル賞>祝典華麗 生花2万3000本、シェフ45人
(毎日新聞 - 12月10日 12:23)
「黄金の広間」に生花が届けられた=スウェーデン・ストックホルムのストックホルム市庁舎で、森田剛史撮影
ノーベル賞の授賞式と晩さん会が10日午後(日本時間11日未明)、スウェーデンの首都ストックホルムで開かれる。化学賞を受ける鈴木章・北海道大名誉教授(80)と根岸英一・米パデュー大特別教授(75)もこの時を待つ。世界中の注目を集める華やかな祝典の舞台裏をのぞいた。
「金曜日に晩さん会がここで開かれます。飾り付け用の花も届いています」。市庁舎見学ツアーのガイド、シャーロッタさん(35)が7日、市庁舎1階の祝賀室ブルーホール(青の広間)で説明した。金づちの音が響き、ノーベル賞の創設者アルフレッド・ノーベルの飾りが付いた道具箱が無造作に置かれている。用意された生花は2万3000本。壁はレンガ色、床は淡い緑色の大理石。設計時は、壁が青色だったが、レンガの色を生かし、名前だけが残ったという。2階のゴールデンホール(黄金の広間)は金色を基調としたモザイクの壁が豪華だ。
◇ ◇
授賞式や晩さん会にはスウェーデンの王族や各国政府の閣僚らも出席する。主催するノーベル財団のアニカ・ポンチキス広報担当マネジャーは「祝典の規模は当初の約10倍」と話す。第1回の1901年には受賞者が泊まるホテルで晩さん会があり、出席者は男性113人だった。
今では受賞者は14人までゲストを招くことができ、家族や親しい友人と祝典を楽しむ。
今年の受賞者は平和賞(オスロで授賞)を除き10人。晩さん会は約1350人が集う。厨房(ちゅうぼう)に立つシェフは45人。今年のメニューは秘密だが、市庁舎のレストランで09年の料理を特別に見た。ロブスター風味のコンソメスープ、ウズラのトリュフ詰め、ムースとシャーベットの3品。
コースはわずか3品だが、各賞受賞者のスピーチや地元の学生たちによる余興、プロのパフォーマンスなどが盛り込まれ、華やかな雰囲気の中、2時間以上続く。デザートタイムには花火を掲げたウエーターやウエートレス約260人が一斉に客席に運ぶ。レストランでは予約すれば、約1万8000円で過去のノーベルディナーを味わえる。
ノーベルウイーク中は多数の祝賀会や一流の演奏家によるコンサートも催され、受賞者は最高級のもてなしを受ける。根岸さんは「一生に二度とないような週」と話す。【ストックホルム須田桃子】
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