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大島渚監督の『戦場のメリー・クリスマス』(1983年)は、第二次大戦中の日本軍捕虜収容所を舞台にした映画です。
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(関連する日記です)
物語は、その捕虜収容所で、連合軍捕虜の世話係をして居た朝鮮人軍属カネモト(ジョニー大倉)が、オランダ人捕虜に性的虐待を加えた事が発覚し、それを知った日本軍軍曹ハラ軍曹(ビートたけし)が、イギリス人捕虜ローレンス(トム・コンティ)の立ち会いの下で、その朝鮮人軍属カネモトに自決をさせようとする場面から始まります。
この映画は、もちろんフィクションです。しかし、この冒頭の当惑させられる様なエピソードには、第二次大戦中、軍属として日本軍に従軍した朝鮮人軍属の状況が、かなり反映されて居るのではないか?と、私は、思ひます。
即ち、日本軍は、従軍した朝鮮人軍属に連合軍捕虜の世話係をさせる事が、実際、多々有った事、そして、それらの朝鮮人軍属が、しばしば、捕虜と成った連合軍兵士との間で、戦後、捕虜虐待の嫌疑を受ける様な問題を起こす事が有った事を、『戦場のメリー・クリスマス』の冒頭のこの逸話は、かなり反映して居るのではないか?と、私は、思ふのです。
それらの事例の中には、連合軍捕虜による誤解や誹謗も含まれて居たと思はれます。しかし、とにかく、実際に捕虜たちと接する事の多かった朝鮮人軍属が、そうした理由から、戦後、BC級戦犯として連合軍によって訴追され、時には、冤罪の事例を含めて、処刑される事が有った事は、しばしば語られて居る通りです。
思へば、大島渚監督は、この冒頭のエピソードにおいて、随分と挑発的な題材を描いて居ます。朝鮮人軍属による連合軍捕虜への性的虐待と、それに対する日本軍の自決強要とは、随分刺激的なテーマです。今思へば、この映画のこの部分を「朝鮮人差別」と見なす人が居なかったのかどうか、いささか気に成るところです。そして、当時、韓国では日本映画を見る事が出来ませんでしたが、日本映画が解禁された今、DVDなどでこの映画を見た韓国人が、この映画のこの冒頭部分をどう見、感じたかも、興味の有る所です。
その冒頭のエピソードにおいて、日本軍軍曹であるハラ軍曹(ビートたけし)が、上官であるヨノイ大尉(坂本龍一)に、事態を説明する際、語る台詞(せりふ)は、この様な物です。
「これは処刑ではありません。軍属カネモトは、自分が犯した
罪を恥じて自分で自決しようとして居るのです。」
「これは武士の情けであります。勤務中の事故死とすれば、
カネモトの遺族には恩給が下がります。カネモトの家族も
食ふや食はずの生活をして居るに違いありません。」
初めてこの映画を見た時、ハラ軍曹(ビートたけし)が語るこの台詞に強烈な印象を受けた事を覚えて居ます。捕虜に同性愛的感情を抱き、性的虐待を加えた朝鮮人軍属に自決を強要しようとする鬼軍曹が、実は、同時に、朝鮮に居るであろうその軍属の家族に恩給が下りる事を考えてその様な過酷な処罰をしようとして居るこの場面に、私は、戦前の朝鮮の貧しさを思はずに居られませんでした。たとえこの軍属が、不名誉な出来事に対する処罰で命を絶たれても、彼の遺族が日本の恩給をもらえるのであれば、どれだけ助けに成るか分からないと言ふこの絶望的な貧しさ。それが、当時の朝鮮の貧しさだったと言ふ事です。
初めてこの映画を見た時、大島渚監督が、朝鮮民族に対して抱いて居た感情の深さが、私には印象的でした。大島監督が、このスキャンダラスなエピソード(朝鮮人軍属によるオランダ人捕虜への性的虐待とその朝鮮人軍属に日本軍が強要した自決)を通じて、当時の朝鮮の貧しさを、観る者に想起させようとして居る事が、強く感じられたからです。
小松川事件を題材にした『絞首刑』もそうでしたが、大島渚監督は、朝鮮と朝鮮人にこだわり続けて来た映画監督です。それが、この映画(『戦場のメリー・クリスマス』)にもこうした形で現れて居ると私は思ひますが、その一方で、大島渚監督は、しばしば、朝鮮人(韓国人)に対して、厳しい態度を取る事が有りました。
1980年頃、筑紫哲也氏なども同席した日韓フェリー上の日韓の対話番組の収録中、同席した韓国人出席者に向かって「バカ野郎!」と言った事が「問題」に成った事も有りました。又、もっと後に成って、『朝まで生テレビ』において、韓国人たちの日本への批判について、「聞き飽きた」と言って、切り捨てた事も有りました。
大島渚監督は、日本の政治的区分では「左翼」とされて来た人ですが、韓国・朝鮮については、朝鮮民族を温かい目で見る一方で、日本の普通の「左翼」からは外れた、非常に厳しい事を言ふ事も有った点が興味深いと思ひます。
菅さんの今回の「談話」と『戦場のメリー・クリスマス』でビートたけしが口にした上の台詞を較べるのはおかしいかも知れません。しかし、韓国の人々は、菅首相や仙石官房長官の様な、ただ相手(韓国人)が喜びそうなリップ・サービスを口にするだけの日本人と、時には「バカ野郎!」と言ったり、「(韓国人の言ふ事には)聞き飽きた」と言ったりしながら、あの時代の朝鮮の貧しさを、こんな挑発的な物語を通して、世界に向かって語った大島監督の様な日本人のどちらが、真の友人であるのか、『戦場のメリー・クリスマス』のDVDでも見ながら、ゆっくり考えてみてはどうだろう?と、思はずに居られません。
平成22年8月21日(土)
西岡昌紀
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(関連するミクシイ日記)
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配慮で関係良好 高まらぬ反日
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関係良好、高まらぬ反日=併合条約、22日で締結100年―韓国
(時事通信社 - 08月21日 15:03)
【ソウル時事】日韓併合条約の締結から22日で丸100年。韓国人は国を失った日韓併合を「国恥」とみなしており、29日の同条約発効100年までの間、歴史を振り返る市民団体の集会や学術会議などが開催される。ただ、歴史問題で韓国を刺激しない日本の民主党政権の配慮もあり、両国関係は最近良好な状況が続いており、懸念された反日感情の高まりは見られない。
併合条約により、朝鮮半島は第2次世界大戦で日本が敗戦した1945年8月までの35年間、日本の植民地支配下に置かれた。その間、姓名を日本式とする創氏改名などの同化政策が取られ、多くの人が日本本土で働くことを余儀なくされた。韓国人の中には、併合に対する恨みが今もくすぶる。
21日付の韓国紙・東亜日報は特集記事で、「日本式の居酒屋で日本酒を楽しむ若者たちがウェブサイトへ日本への憎しみをつづった文章を載せている」と指摘。「韓国人にとって日本は歴史的加害者として憎悪の対象だが、経済大国として依然学ばねばならない点が多い国だとの認識も共存している」と韓国人の複雑な対日感情を分析している。
植民地支配については、かつて日本の閣僚らが支配を正当化する発言をし、韓国で反日感情が高潮、日韓関係が悪化するという構図が繰り返されてきた。民主党政権は歴史問題で韓国を刺激しないよう配慮しており、現在の日韓関係は「1965年の国交正常化以来最良」(韓国政府幹部)といわれるほどだ。
菅直人首相が10日発表した植民地支配への反省とおわびを盛り込んだ談話に対し、李明博大統領は「踏み込んだ努力だと評価したい」と応じた。
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