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アルファベット 10 (父とは一本抜けた人)
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投稿者 散史 日時 2010 年 2 月 24 日 15:52:04: gWGjY3X98XDf6
 

今回取り上げるE、F は実に面白い文字である。そして、英語は聖書という枠の中から一語たりとも外れることのない言語であるとあらためて確信させる文字でもある。

E は3列目A行、A から数えて5番目の文字。E の字形は一本も欠けたところのない肋骨である。肋骨を簡略に表現した文字、それがE だ。生涯、完全な肋骨を持った最初の人、それがエバである。基準となる語もEVE。人類初の、そして永遠の祖母であるという理由からEVER、EVERYなどの言葉が創られたのではないだろうか。

もし、エバを日本語で表現するとしたら”永婆”が相応しいと思う。尊敬と親しみを込めてそう表現したい。

Fは同じく3列目B行。A から6番目の文字。F はE の一番下の横線が一本抜けた文字である。つまり、F は神がエバを創造するためにアダムを眠らせ、その肋骨を一本抜き取った後のアダムを表しているのだ。

この一本抜けているという点は、エバの口車に乗って知恵の木の実を食べてしまう場面でも遺憾なく発揮されて人類最初の父の遺伝子は、今も世界中のパパやお父さんに受け継がれている。どこか抜けている父は愛すべき存在として多くの家庭で認知されているのである。

このどこか抜けている父親像は、少し意味を変えてイエスの父ヨセフにも当てはまる。イエスにとってヨセフはあまり存在感のある父ではなかった。聖書の中でもいつの間にか姿が消えてしまい、ヨセフならぬ養父ともいうべき父である。

F の基準となる語はFATHERである。この語は「比較的に父のような」という意味だと思う。聖書を代表する二人の父の語としては何とも頼りないのだが、その役割を表すにはこれ以上ないほどの的確さである。

F はあくまでも一本欠けた文字としての役割を与えられ、FAINT、FAKE、FANCY、などはっきりしないものを表現するために多く使用されている。

我々に馴染みの深い言葉である父が、あなたや私の父ではなく、実は聖書の中のそれだということを認識させられるFATHERではある。  

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