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ノーベル賞:独裁の記憶が過ぎ去ることはない 文学賞受賞のミュラーさんが会見【毎日JP】
http://mainichi.jp/select/world/news/20091009dde007040003000c.html
◇「時が過ぎても、独裁の記憶が過ぎ去ることはない」
ノーベル文学賞の受賞が決まったルーマニア出身のドイツ人作家、ヘルタ・ミュラーさん(56)は8日、自宅のあるベルリン市内で記者会見した。
作品のテーマとして取り上げ続けてきたルーマニア旧独裁体制の市民への弾圧について、「時が過ぎても(独裁の事実が)記憶から過ぎ去ることはない」と目を潤ませながら語った。
【ベルリン小谷守彦】
◇メルケル独首相が祝福
ミュラーさんへの授賞はドイツで、冷戦終結の転機となった「ベルリンの壁」崩壊20周年にちなむ朗報として受け止められた。
ケーラー独大統領は「20年前、東欧の独裁体制が終わったことを我々に想起させる」とコメント。
旧東ドイツの独裁への非難を繰り返してきたメルケル首相も「壁崩壊20年に、忘却に逆らおうとする者をたたえることは重要なメッセージだ」とほめたたえた。
ルーマニアのドイツ語圏に生まれ育ったミュラーさんは80年代に著作を発禁処分にされ、家宅捜索や尋問を繰り返し受け、87年、故郷を離れ、当時の西ベルリンに移り住んだ。
移住後もチャウシェスク政権が崩壊する89年末までは秘密情報員から殺害の脅迫を受けており、こうした被弾圧体験が作品群を大きく性格付けている。
ミュラーさんは「独裁下で生き延びることができなかった友が私にもいる。
問題なのは、まだそうした歴史を直視しない人々がルーマニアにいることだ」と弾圧側に回った人々を非難した。
さらに「ナチスの強制収容所、軍事独裁、数々のイスラム国に存在する神がかりな独裁、こうした歴史的な破局が多くの人々を巻き込んだ。
破局が記憶から消え去ることはない」とも語った。
受賞決定の感想を問われたミュラーさんは「まだ信じられない。気持ちを整理するのに時間が必要」と語った。
だが、歴史に残る大作家に名を連ねた感想を尋ねられると「心に浮かんだことを著作にしただけ。
大作家のギャラリーに思いをめぐらすほど私の頭は大きくはない」と小さな頭を指さし、満面に笑みをみせた。
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毎日新聞 2009年10月9日 東京夕刊
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