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扉をたたく人:The Visitor 日本版予告篇
http://www.youtube.com/watch?v=Rn3K199kv6c
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http://list.jca.apc.org/public/cml/2009-July/000823.html から転載。
[CML 000830] 映画「扉をたたく人」
坂井 貴司 donko at ac.csf.ne.jp
2009年 7月 28日 (火) 16:11:14 JST
坂井貴司です。
転送・転載歓迎。
こんな優れた映画が、すでに上映されていたことに気付かなかったことは迂闊でした。
アメリカ東部の大学で経済学を教える年老いた孤独な白人の男性が、不法移民のシリア人青年とセネガル人女性と出会ったことで、少しずつ変化し、そして、9.11同時多発テロに遭遇する映画です。
この映画は、アメリカでは4つの映画館で上映されたました。すると、内容のすばらしさから口コミで評判が全米に広がり、270の映画館で上映され、半年間ロングラン上映されるという快挙を成し遂げました。
「扉をたたく人」 トム・マッカシー監督
http://www.tobira-movie.jp/
米国北部コネティカット州の名門大学で経済学を教えるウオルター・ヴェイルは62歳。5年前ピアニストだった妻を失い、一人暮らしです。ロンドンに住んでいる息子とはほとんどつきあいがありません。これといった学問的業績もなく、陳腐な講義をし、学生達には人気がありません。砂をかむような味気ない日常の繰り返しです。
学会に出席するためにニューヨークへ行き、別宅のアパートに行きます。ところがそこには見知らぬ若いカップルが住んでいました。シリア人不法移民のタレクとセネガル人のゼイナブです。二人は出て行こうとしますけれど、可哀想に思ったヴェイルは二人に住んで良いと言いました。
それなりの社会的地位のある大学教授と、不法移民カップルの奇妙な同居生活は、しかし、ヴェイルに不思議で新鮮なものをもたらします。
住まわせてくれたお礼だとタレクはアフリカの打楽器ジャンベの演奏を教えます。初めて見る楽器に戸惑いながらもヴェイルはジャンベを叩き、そのおもしろさに夢中になっていきます。そしてジャンベの演奏会を通じて、世界中からやってきた移民たちとふれあいます。孤独で空虚な生活が、愉快で楽しいものになっていきます。
ところが、9.11同時多発テロですべてが暗転します。
切符を持っていたにもかかわらず、タレクは地下鉄の無賃乗車の疑いで逮捕され、シリア人であるためにテロリストの容疑をかけられます。
私の友人はテロリストではない! えん罪だ!
典型的な保守的白人であるヴェイルは初めて立ち上がります・・・。
9.11テロ事件後、移民に対して扉を閉ざそうとしたアメリカと、移民がアメリカに活力をもたらしていることを、老人と移民カップルの姿を通して描く作品です。
坂井貴司
福岡県
E-Mail:donko at ac.csf.ne.jp