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6月15日11時29分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090615-00000518-san-soci
天台宗総本山・比叡山延暦寺(大津市)の半田孝淳座主が15日、高野山真言宗総本山・金剛峯寺(和歌山県高野町)を訪れ、真言宗の松長有慶座主らと「弘法大師降誕会」に参列した。天台宗トップの高野山への公式訪問は1200年の歴史上初めてで、金剛峯寺の役員は「今度は(参拝してくれた)お礼に訪問しなければならない」と話すなど、交流が深まりそうだ。
両宗派のトップ交流は、天台宗を伝えた最澄と、真言宗を伝えた空海がともに中国で仏教を学んだ間柄ながら、晩年に教えや修行の違いなどから絶縁状態になり、交流が途絶えたとされる。私的なトップ訪問はこれまであったようだが、記録には残っていないという。
今回の訪問は、半田座主と松長座主が宗教サミットなどで数回顔を合わせることがあり、半田座主が打診し、松長座主が高野山の最大行事に招待した。両宗とも「宗祖降誕会」があることから、金剛峯寺は「弘法大師降誕会」と名称を変更する気の使いようをみせた。
天台宗一行は、半田座主と濱中光礼・宗務総長ら13人。半田座主は大師教会大講堂の壇に上がり、読経が流れる中、花御堂にまつられた稚児大師像に甘茶ををかける灌沐(かんもく)作法を行った後、奥の院を参拝した。
真言宗関係者は「現在ではまったく確執はなく、今度はこちらがうかがうことになる。数年後には相互訪問できるだろう」と話し、天台宗関係者も「今回を機に交流が深まることは喜ばしい」と歓迎している。