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園芸植物「ばら」から超古代文明の可能性を探る 3  
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投稿者 あのに 日時 2010 年 3 月 14 日 20:09:36: xZaQXyDl16EGo
 

園芸植物「ばら」から超古代文明の可能性を探る 3  


・私の香料ばら園
私はいま小さな香料ばら園とガリカ庭園を持っている。香料ばらはカザンリクというダマスク種、グロワールドギランという、まるでHT種のようなダマスク種、ローズドメというケンティフォリア種かな。それぞれブルガリア、イラン、フランスのプロバンス地方のグラースで栽培される香料ばらを楽しんでいる。ガリカ庭園は以前事情があってほとんどなくしてしまった。原種ばらも、ハイブリッド・ムスクなどもいろいろあったのだが、記憶のなかで思い出しながら、古代ばらの3種を、独断と偏見で比較してみた。

・ダマスク種
ローザ・ガリカと ローザ・ダマスケナ、ローザ・アルバの3種のなかで、雰囲気の多様性があるのはローザ・ダマスケナである。ダマスク種は花に強い香りがあり、ピンク色をばら色というようにきわめて古くからばらの代表であった。ホメロスで「ばら色の指をもつ暁」とかいうように詩の言葉の中で花と女神と自然が融合している。これはギリシアではない。クレタ自然主義文化の残存だ。多くの種が、とげ(thorne)があることで、多くの人が栽培を躊躇する。ひと(男)を寄せ付けないことから、気位の高い女性の象徴とされたのである。とげが多いのは野生種にそれだけ近いように思われる。その中で香料専用に品種改良されたのがカザンリクというダマスクばらであろう。原種ダマスクといわれるのもカザンリクと距離は意外に近い。私は今年レーダという、縁に色が付くペインティド・ダマスクを購入してみた。5月が楽しみだ。

・アルバ種
ローザ・アルバは白ばらが多いが、ダマスク種よりもある意味では、野生種に近い雰囲気を持っている。銀色っぽい葉はオリーブや糸杉とよく似合い、どこかギリシアっぽい。とげもあり、ダマスク種から派生したかのような雰囲気を持つ種である。アルバ種には、とげがまったくないマダムルグラドサンジェルマンという花があり、私の大好きなアルバである。

・ガリカ種
ローザ・ガリカは上の2種とはまったく違う雰囲気をもっている。ガリカという名前からフランスの原生と思う人がいるかもしれないが違う。ただ商業的にばらを古代から栽培していた、プロバンス地方のグラースで多く栽培されていたから名前がついただけだ。これこそ、きわめて古くから伝わる古代ばらである。私はこれこそ超古代文明の残存だろうかと考える。なぜなら、ガリカ種は低灌木で、小庭園に合う。すなわち古代の中庭式の小庭園に配置したり、鉢に入れて栽培するのに最適なのである。とげも少ない。これは長期間の品種改良の成果であろう。それに赤の濃色のものしかないのも、薄い色、白色その他の黄色などは超古代文明を崩壊させた大災害のなかで生き残らなかったのではないか。きわめて少数の残存株からガリカ種はできている可能性がある。品種間のばらつきが比較的少ないのもこの推測を妥当にさせる。私が好きなのはベルドクレイシーである。このややひ弱な種は残念ながら近代種である。また、ロザムンディの華やかさにかなう花は、ほかの全園芸種の中にもそんなにはない。天然の美という人がいるが、違う。これは人工の美なのだ。極限までの洗練を尽くした園芸芸術のひとつなのだ。カーディナルドリシュリューの深い紫やシャルルドミルの古代風の威厳のある華やかさなど、まるで古代ギリシア音楽のような硬質な芸術の園だ。私は5月のガリカ庭園を飽くことなく、夕闇の降りるまでたたずむ。

・ばらの起源と超古代文明
多くのひとがばらの起源を小アジア、コーカサス地方に求めた訳は、ばらは湿地を好み、やや日陰を好む種類が多いという理由で、地中海性気候の乾いた炎天の下には、いかにも似つかわしくないからだろう。しかしコーカサスの地には高度文明の痕跡も伝統も残存もない。可能性のあるのはエーゲ海周辺、小アジアしかない。私の思うところこの地域のエーゲ大陸があった時代まで遡るのだろう。それは超古代の文明しかないだろう。大災害、大洪水で生き延びた人が生き延びたばらの種をコーカサスの地で栽培していたのだろうか。

 

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コメント
 
01. 2010年3月15日 15:07:27
本場シリアのダマスカスローズはピンクではなく赤です。こちらが原生種ではないでしょうか。ちなみに、ブルガリアのダマスカスローズはピンクですね。

>ばらは湿地を好み、やや日陰を好む種類が多いという理由で、

バラはどちらかといえば乾燥を好むのでは。私のところは雨が多く、地植えより雨が当たらない軒下に植えたものの方がはるかに成長が良いですよ。



02. 2010年3月16日 10:44:12
ノアの洪水を生き残った人たちがコーカサスで栽培してたんじゃない。
しかし、ブドウやムギなどの作物ならまだしも、ただの鑑賞用にすぎないバラに古代人がそんな手間ひまかけて品種改良なんかしてたかな。
(ピノキ)

03. あのに 2010年3月16日 22:03:32: xZaQXyDl16EGo

赤色の原種ダマスクがある話は、初めて聞きました。我が家の原種ダマスクはピンクです。ダマスクはすべてピンクか白なので、原種でなくても赤色のダマスクがあれば、よだれがたれ続けるくらい欲しいです。だいぶ前BBCでプラントハンターが原種ダマスクを見つけた話を読みました。これの可能性はありますが、市場にはまだ出回っていないでしょう。この色は知りません。以前、ビールズやオースチンのカタログで原種ダマスクを見た記憶がありますが、それもピンクで、いま家にあるインターネット通販で購入した種だと思われます。モダンローズXIにも赤色のダマスクの記載はありません。ばらの本にダマスクの赤と書いてある場合はありますが、実際の色はピンクです。いま手元にあるのは「オールド・ローズ花図譜」のp77に原種ダマスクとカトル・セゾンが本文ではピンクと書いてあるのに、花の色は赤色とあります。つぼみの色を赤と書いているのでしょう。著者に色の訂正をお願いしたいです。両者とも家にありますが、毎年それぞれきれいなピンクの花をつけます。カトル・セゾン(オータムダマスク)はほんとうにすばらしい種です!ダマスクで一番濃色のマリー・ルイズは、ピンクの濃い色です。赤っぽくありません。でも本当にもし赤色のダマスクがあればとても欲しいので見た場所を教えてほしいです。持っていると大変稀な種として全世界の人に自慢できそうです。BBCがとんでくるか?

また、我が家のばらは、さし芽で増やした株です。通常は台木についであるのでその違いもあるかもしれません。鉢と露地植えのちがいもあるかも。でも栽培農家は通常は粘土質の田に植えて土壌改良はしないので、湿気があるほうが生育はいいと思いますよ。稲ほどは必要ないと思いますが・・・  台木のばらは、日本の野ばらが多いと思います。これは実に乾燥に強いです。

シリアのダマスカスとこのダマスク種はそれほど関係はないとおもいます。本場でもないのでは。十字軍が持ち帰ったときに名づけられたのかも。ガリカとフランスが直接の関係がないという意味で。私の単なる思いにすぎませんが・・・・   ある時点の権力者が関係がなくても、名前の栄誉を得るのです。私はこれを歴史の変造と呼んでいます。まだダマスク織やダマスク鋼のほうがダマスカスと関係があるでしょう。



04. 2010年3月16日 23:44:33
01です。赤いダマスカスローズは以下をご参考ください。
http://www.regannursery.com/index.cfm?fuseaction=plants.plantDetail&plant_ID=299&typeID=5

現地に行けば人々がいかにダマスカスローズを大切にしているか分かります。私の知る限り、ダマスカスローズはシリア原産です。私たちが教えられている歴史は西洋中心主義で歪曲されているので注意が必要です。ダマスカスに行かずしてダマスカスローズを語るなかれ。

原生種のダマスカスローズは乾燥に強いというより、乾燥を好むようです。


05. 2010年3月17日 00:33:23
04の続き。アラビア語のwikiで検索すると掲載されている画像は赤いダマスカスローズです。

http://ar.wikipedia.org/wiki/%d9%85%d9%84%d9%81:Red_Rosa_damascena_%d9%88%d8%b1%d8%af_%d8%ac%d9%88%d8%b1%d9%8a.JPG


06. あのに 2010年3月17日 18:56:55: xZaQXyDl16EGo
びっくりしました。でも、Rose de Rescht は普通はダマスクに入れないのではないのかとも思います。手元にいま何も資料がない。一番初めに私が入手しようとした種のひとつにあったので、印象に残っています。これは原種でなく近代の交配種ですね。19世紀の。たしか、検索するとポートランド系のようです。ポートランドローズは1868年チャイナとの交配種が第一代であるとのこと。結局ジャック カルティエを購入した記憶が蘇りました。四季咲き性のある品種が多いので、これも四季咲き性だとおもいます。古代種ではないですが魅力的だと思います。一般的にはポートランドローズに分類されると思います。実物を見た記憶がないのでダマスクらしさがあるか、断定できません。モダンローズXIは多分ポートランドローズに入れてあるのでないかと思います。どこかの島でチャイナと自然交配して生まれたとぼんやり記憶があります。香りがいいのでオールド・ローズとして分類されているとは思います。私はジャック カルティエが気に入らなかったのか、近代種だからか、それ以上ポートランドローズにのめりこみませんでした。多分チャイナとの交配が気になったのでしょう。でもRose de Rescht を選んでいたら、ポートランドローズにのめりこんでいたかも。昔のほろ苦い記憶がよみがえりました。
私が原種にこだわるのは、かって、ガリカ、ダマスク、アルバ、と原種モスカータやフェニキアなどを交配したり、ダマスクやアルバを復元したりしてみようとしたのです。原種やガリカ等収集しただけに終わりました。維持する時間もとれず、バラ園を荒廃させただけでした。夢が消えて、残ったのは香料ばらたちでした

なお、前のコメントで「オールド・ローズ花図譜」のp77に原種ダマスクとカトル・セゾンが本文ではピンクと書いてあるのに、花の色は赤色とあります。著者に色の訂正をお願いしたいです。
と書いたが、よく見たら、花の色ではなく、実の色でした。著者には大変失礼をしました。



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