携帯電話から出る電磁波は、科学者や環境団体、携帯電話業界団体にとって重要な問題となっている。米国では連邦通信委員会(FCC)が、許容される携帯電話の電磁波の基準を定めている。携帯電話が認証される過程で、すべての携帯電話メーカーは、独立した研究所による評価の証明書を提出する必要がある [日本の総務省による規制についてはこちら]。 しかし、現行の電磁波検査の手法は的確でないと主張する団体もある。エンバイロンメンタル・ワーキング・グループ(EWG)が9月に発表した携帯電話の電磁波に関する調査によると、電磁波吸収の試験で使われている現在の頭部モデルは、大柄な人の頭部を再現するように設計されているという。 子供は、この頭部モデルと比べて頭蓋骨が薄く、脳の液体も多いため、脳組織が大人と比較して2倍以上の電磁波を吸収するという意見もある。しかし、政府が定める携帯電話の電磁波基準は、子供も大人も同じものが使われている。 エーレブルー大学の前述の研究によると、携帯電話のヘビーユーザーである子供の方が、それ以外の子供よりも、健康問題を訴える傾向が強いとされている。その健康問題とは、頭痛や集中力の低下などだ。 [GSM携帯の電磁波にラットをさらした実験の結果、ラットの血液脳関門(脳に有害な物質を入れないようにするバリア的な構造)からアルブミン(タンパク質の1つ)が漏出して「穴」があき、破壊されるニューロンが増すことが確認できたという研究の紹介はこちら] [以下は、EWGが提供している、「各携帯電話の電磁波レベル」がわかるウィジェット。たとえばApple社のiPhone 3Gは1.39 W/kg。サムスンのImpressionは0.35 W/kg。詳しくは別の英文記事へ] 2009/11/18 15:26 |