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(回答先: WAKE UP TO THE NWO - UFO - 104 投稿者 M総合研究所 日時 2009 年 5 月 06 日 15:47:02)
Q: 『天使と悪魔』は変わった場所で着想を得たそうですね。どんなことがあったのですか。
A: わたしはヴァチカン市国の地下、イル・パセットと呼ばれるトンネルをツアーで見学していました。初期の教皇たちが敵の攻撃から逃れるために使った秘密の通路です。案内してくれた学者のかたによると、昔ヴァチカンが最も恐れていた敵のひとつに、イルミナティ――「啓示を受けた者たち」――という秘密結社があったということでした。
それは初期の科学者たちのカルト集団で、ガリレオやコペルニクスといった科学者に対してヴァチカンが犯した仕打ちの報復をすると誓ったそうです。この謎めいた反宗教的秘密結社がローマの地下墓地に潜むイメージに、わたしは魅了されました。そして、現代の歴史家の多くが、いまもイルミナティは活動しており、地球上の政治における最強の「見えざる勢力」のひとつだと考えていると聞き、夢中になりました。イルミナティにまつわるスリラーをなんとしても書かなくては、と思ったのです。
Q: 秘密結社イルミナティは、なぜあまり知られていないのですか。
A: イルミナティのような秘密結社は、極力表に出ないよう努めます。イルミナティに関する機密報告書は数多く書かれてきましたが、公表されたものはほとんどありません。イルミナティの陰謀論としては、イギリス議会やアメリカ財務省への潜入、フリーメイソンへの内々の関与、秘密めいた悪魔的カルトとの協力関係、新世界秩序のための計画、さらにはヴァチカン市国を破壊するという古い誓約の復活までもが語られています。
イルミナティについての誤った情報が大量に送り出されているため、その事実と虚構とを区別するのはむずかしいでしょう。陰謀論者のなかには、実は過剰なまでの偽情報を流しているのは当のイルミナティであり、事実が表面化した場合でもそれを真に受けさせないためだと考えている人もいます。そういった隠蔽工作、つまり偽情報の流布は、アメリカの諜報機関でもよく採用されています。
Q: 『天使と悪魔』には、これまでの小説には見られなかった独特の視覚的な要素が盛りこまれていますが、それについてはどうですか。
A: ああ、アンビグラムですね。あれをどうやって作ったのか、たくさんの人が尋ねてきましたよ。アンビグラムとは、正しい位置でも、上下を逆にしてもまったく同じように読むことのできる単語です。
古代の芸術手法のひとつで、『天使と悪魔』では中心的な役割を担っています。はじめて見るときはだれもが驚嘆するので、『天使と悪魔』のアンビグラムを目にした人のほとんどはきまって数分はそこに立ち尽くし、不思議そうに何度も本を上下に返しています。スリラー小説の読者でもそうでなくても、『天使と悪魔』のアンビグラムを見るために書店のスリラー小説コーナーへ足を運ぶ価値はきっとありますよ。
Q: 『天使と悪魔』は実在するスイスの研究施設、セルンの中で幕を開けますね。セルンについてもう少しくわしく教えてください。
A: セルン(CERN、欧州原子核研究機構)は世界最大の科学研究施設です。スイスのジュネーヴにあり、3千人を超える世界トップレベルの科学者を擁しています。 地下にはフランスまで伸びる長さ14マイル以上の粒子加速器があります。
また(アメリカ人は非常に驚くでしょうが)そこはワールドワイド・ウェブ(WWW)誕生の地でもあり、その奇妙な発祥については本のなかでも述べました。しかしセルンの何よりもすばらしい業績といえば、反物質というものをはじめて作りだしたことでしょう。それはあらゆるもののなかで最も不安定な物質です。
Q: 反物質は『天使と悪魔』のなかで驚くべき役割を演じますが、非常にに恐ろしいもののようですね。実在するのですか。
A: もちろんです。反物質は究極のエネルギー源であり、エネルギー効率は100パーセントです(核分裂のエネルギー効率は1.5パーセントにすぎません)。ロケット燃料に比べて10万倍のパワーを持ち、1グラムで20キロトンの原子爆弾に等しいエネルギーを有します。非常に爆発性が高いのに加え、反物質はきわめて不安定で、どんな物質とも――空気とでさえ――接触すれば発火します。保存するには、真空の容器のなかの電磁場に浮かせておくしかありません。
もしも磁場が消滅して反物質が落下すれば、正物質と反物質が完全に転換する――物理学者が「対消滅」と呼びならわす現象が起こります。セルンは現在、将来のエネルギー源として研究するために、定期的に少量の反物質を生成しています。反物質には途方もない将来性があります。汚染もなく放射線も出さず、ほんの1滴でニューヨーク市のまる1日分の動力を供給できるのですから。化石燃料が減少していくなかで、反物質を利用できる可能性があれば、この惑星の未来にとって大きな飛躍となりえます。
もちろん反物質に関する技術を習得するには、恐ろしいジレンマをともないます――この強力な新技術は世界を救うのでしょうか、それとも歴史上最も凶悪な兵器を生み出すために使われるのでしょうか 。
Q: この本のための取材中、実際に教皇への謁見があったというのはほんとうですか。
A: はい。とはいえ「謁見」ということばは誤解を生みかねませんね。あのかたといっしょにすわってお茶をいただいたわけではありませんから。 幸運にも、ヴァチカンの特別室でおこなわれる「少人数制の謁見」といわれるものに参加できたにすぎません。教皇がお出ましになり、わたしたち一団に話しかけてくださいました。それから祈りをささげ、わたしたちを祝福してくださったのです。
興味深いこぼれ話があります――謁見のための部屋へはいる前にスイス衛兵のボディーチェックを受けたのですが、探しているのは武器ではなく、水をいれたボトルを隠し持っていないかどうかだったのです。あとになって知ったんですが、教皇が祝福のことばを述べたときに同じ部屋にあった水は、ただちに「聖水」となるのだそうです。教会としては、聖水をヴァチカンの外へ持ち出して売ろうとする者がいては困るということだったんですよ。
Q: あなたは本のなかで、アメリカ紙幣の裏にある不思議な「ピラミッドと万物を見透かす目」について述べています。これらのシンボルは合衆国とどんな関係があるのですか。
A: まったくありません。 だからこそ、わが国の紙幣にそれらが描かれていることが驚きなのです。ピラミッドは実際にはエジプトの神秘のシンボルで、上方にある究極の啓示の源へ向けての集束を意味しています。そして、この場合はトリナクリアとして知られる万物を見透かす目がありますね。三角形の中の目は、イルミナティが、あらゆるものに浸透してすべてを見透かす自分たちの力を示すために取り入れた異教のシンボルです。さらに、三角形(ギリシャ語でデルタ)は科学の世界では変化のシンボルになります。多くの歴史研究者が、国璽の「輝くデルタ」は宗教の神話から科学の真実へと「啓示に満ちた変化」をもたらしたいというイルミナティの願望の象徴だと考えています。
また、国璽がイルミナティに関係しているとする説を支持するもうひとつの根拠として、国璽に刻まれた「ノウス・オルド・セクロラム」ということばが明らかに非宗教的なものへの呼びかけである、つまり「われらは神を信じる」という国璽上の別のことばとまったく対照的だという奇妙な事実もあげていいでしょう。
Q: そのようなイルミナティの象徴が、どんないきさつで世界最強の通貨に書かれることになったのですか。
A: アメリカの1ドル紙幣の裏にある神秘のシンボルは、現代の象徴学者たちに大変な驚きをもたらしています。このデザイン(もとはチャールズ・トムソンによるもの)がアメリカ財務省に提出されたのは1940年代で、秘密結社イルミナティがヨーロッパからアメリカへ拡大して、フリーメイソンの内部に浸透していったと一般に言われている時期にあたります。
当時、多数のフリーメイソンが政府高官の地位についていました。ヘンリー・ウォーレス副大統領もそのひとりで、現代の研究者のほとんどは国璽のデザインを推したのはウォーレスだと考えています。ウォーレスのその判断が密かにイルミナティの会員だったためなのか、知らず知らずに影響を受けていたせいなのかは定かではありませんが、ルーズヴェルト大統領にこのデザインを採用するよう説得した当人だとされています。もちろん陰謀論者たちは、フランクリン・D・ルーズヴェルトもまたフリーメイソンの上級会員だったことを、嬉々として指摘していますがね。
Q: 『天使と悪魔』も『パズル・パレス』も、人知れぬ組織や陰謀論、機密とされる技術など、謎めいた主題を扱っています。どうやって情報を得たのですか。
A: いつも驚かされるのですが、探すべき場所さえ知っていれば、実に多くの「秘密」情報がたやすく手にはいります。もちろん情報公開法は大いに役立ちました。なんと言っても、特定の分野に精通した、話を聞かせてくれる人物にたどり着くことができるからです。ふつう、こうした情報提供者は当然ながら名前を伏せたがるものですが、話の内容によっては本の謝辞に名前をあげてもいいという人もいます。下調べは、ときには単に適切な出版物を見つけられるかどうかにかかっていることもあります。
たとえば『天使と悪魔』には、ヴァチカンのコンクラーベという内々の儀式を描いた詳細な記述があります。糸を通して首飾り状にされた投票用紙、薬品の調合、投票用紙の焼却など、その内容の多くは、百人以上の枢機卿に取材したイエズス会士の学者がハーヴァード大学出版局から刊行した本を参考にしたものです。時間の点でも人脈の点でも、とうていわたし自身にはなしえないことでした。
Q: 『天使と悪魔』のプロットは「400年越しの復讐劇」といわれていますね。その意味を教えてください。
A: はい。イルミナティが1600年代にヴァチカンへの報復を誓ったのは歴史上の事実です。初期のイルミナティ――ガリレオの時代ですね――は、ヴァチカンによってローマから追放され、容赦なく迫害されました。逃亡してバヴァリア(バイエルン)に身を潜めたイルミナティは、カトリックの粛清を逃れてきたほかのグループ――神秘主義者、錬金術師、科学者、オカルト信仰者、イスラム教徒、ユダヤ教徒など――と融合をはじめました。このごたまぜのるつぼから新しいイルミナティが登場します。より邪悪なイルミナティ、強烈な反キリスト教的イルミナティです。
彼らは大変な力をつけて権力組織に浸透し、謎めいた儀式を取り入れ、徹底的に秘密を守り、いつの日か再び表舞台に出てカトリック教会に復讐するという誓いを立てました。『天使と悪魔』はイルミナティの長年待ちつづけた復活と、迫害者への復讐をテーマとしたスリラーです。とはいっても、何よりこれは、そのど真ん中に巻きこまれたハーヴァード大学の象徴学者ロバート・ラングドンの物語なのですが。
Q: 本のウェブサイトには、小説のフォトギャラリーが用意されていますね。どのように楽しめばよいでしょうか。
A: 『天使と悪魔』のフォトギャラリーは実におもしろいですよ。この本の大部分は現代のローマ――地下墓地や大聖堂、広場、さらにはヴァチカンの地下にあるネクロポリス(死者の都市)まで――を駆けめぐる追跡劇です。
小説の舞台や芸術作品はどれも実在し、今日でも見ることができるので、ストーリーに登場する場所を実際の写真でめぐるツアーを提供したら面白いだろうと考えたのです。ツアーにはあまり人目に触れたことのないものが数多く含まれていて、本に出てくる驚きの情報を読者のみなさんがたしかめることもできます。
Q: 『天使と悪魔』は、科学技術はわたしたちを救うのか、それとも破滅させるのかという問題を提起しています。あなたはどちらだと思いますか。
A: わたしは科学はわれわれを救うと信じています。まあ、どちらかといえば楽天家ですからね。言うまでもなく、科学にはすばらしい可能性があります――病気を抑えたり、新しい燃料供給源を生み出したり、効率のいい食料を作り出したり。わたしたちが新しい世界へ移り住むことを可能にさえします。
問題はもちろん、どんな技術も両刃の剣だということです。スペースシャトルを打ち上げるロケットエンジンは、弾頭を飛ばすこともできます。病気を撲滅することができる医学の飛躍的進歩――遺伝子の研究など――は、人類にも終焉をもたらすかもしれません。問題は科学が人間の増大していく要求に見合う発展をするかどうかではなく、人間がみずからの新しい力とそれにともなう責任を真に理解できるうに、思想の成熟が追いつくかどうかなんです。
Q: 『天使と悪魔』には、セルンでの驚くべき実験についての描写があります。あのような実験も事実なのですか。
A: そのとおりです。そして結果はほんとうに驚異的です。近年、科学者たちはわたしたちが住む世界について考えなおさなくてはならないような事実と向き合ってきました。彼らの発見は物質の領域のみならず、哲学的・精神的な影響ももたらしています。
『天使と悪魔』のヒロインはこのセルンの科学者のひとりで、生活系の相互連絡性を専門とする優秀な海洋物理学者です。作中に出てくる彼女の海洋実験の多くは、 この数年のあいだに実際におこなわれたものです。
そして『天使と悪魔』を読まれたかたなら おわかりのとおり、その結果には驚かされます。科学を信じる者は、いつか神が存在することも証明するかもしれませんね。いずれにせよ、科学者たちが最も深遠な精神性の問題に取り組みはじめているのはたしかです。もちろん、そうした聖なる問題はこれまでは常に聖職者の領域でした。ですから、生命の最も深い謎の答をだれが出すのかをめぐって、新たな戦いが白熱しています……それは科学、それとも宗教でしょうか。
Q: あなたは機密を扱う諜報機関や徹底して秘密を守る結社に関する作品を書いてきました。秘密というのは興味をそそられるものですか。
A: 秘密にはだれもが興味をそそられると思いますよ。わたしの場合、秘密めいた題材について書いていると、すっかりそれに没頭してしまいます。小説を書くには1年以上かかるので、書きながらも絶えず学びつづける必要があります。さもないと、興味を失ってしまいますから。秘密めいた題材について下調べしたり執筆したりすることで、見えざる世界を「スパイ」する楽しさを思い出すことができますし、読者にも同じ体験をしてもらいたいという気持ちになります。
『パズル・パレス』で国家安全保障局(NSA)が実在することを明かしたあと、たくさんの人からメールをもらいました。『天使と悪魔』のあとでも同じようなメールを受けとっています――読者は秘密結社イルミナティや反物質を扱う技術、教皇選挙の内情などを知って衝撃を受けたのです。わたしの目標は、読者がページをめくりながら多くを学び、しかもそのことに気づかないほど夢中になるような登場人物とプロットを、いつも作り出すことです。
Q: 『天使と悪魔』では、ヴァチカンの内情が数多く明かされ、否定的な内容も少なくありません。反響がこわくはありませんか。
A: ええ、多少の論議を醸すのは避けられないだろうと思っていました。とはいえ、『天使と悪魔』がスリラー小説――追跡と愛のストーリー――であることはぜひ念頭に置いてください。これは決して反カトリック的な本ではありません。もっと言えば宗教的な本ですらないのです。一連の出来事の大部分はヴァチカンという特殊な世界の内側で起こり、そこで明かされた事実の中にはたしかに仰天するものもありますが、ヴァチカンのような古く強大な組織が多少の内輪の秘密なくして権力を手にしえたはずがない、とほとんどの人は理解してくれたように思います。
『天使と悪魔』がいま人々を驚かせているのは、多くの人が存在すら知らなかったヴァチカンの秘密の扉をあけているからでしょう。しかし、この小説の最終的なメッセージはまちがいなく肯定的なものです。
Q: 『天使と悪魔』の登場人物たちは、厄介な倫理上の問題と戦っています。主として科学と宗教の争いでしょう。最終的にはどちらがこの戦争に勝つと思いますか。
A: それはむずかしい質問ですね。わたしはいろいろな意味で、科学と宗教は同じものだと考えているからです。どちらも聖なるものを理解したいという人間の探求心の表れでしょう。宗教は疑問を味わうもの、科学は答の探求を味わうものです。科学と宗教は同じ物語を語るための異なるふたつの言語ではないでしょうか。それなのに両者は何世紀にもわたって激しい戦いをつづけ、いまに至っています。
わが国の学校では進化論、あるいはダーウィン説を教えるべきかどうかという論争がありますが、それがよい例でしょう。けれど、わたしたちは刺激的な時代に生きています。なぜなら、人類の歴史上はじめて科学と宗教の線引きが不鮮明になりつつあるからです。原子より小さいレベルを研究している素粒子物理学者たちは、突如として万物の相互連絡性を目撃し、宗教的体験をしています。仏僧たちは物理学の本を読み、何世紀ものあいだ心のなかで信じていながら数値で表すことのできなかった物事を立証する実験について知識を得ています。
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