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長引く太陽活動の停滞、小氷期の到来か
2009年5月5日(火)16:55
太陽活動の停滞が長引いている。太陽は次にどのような局面に入るのか、そして地球の気候はその変化にどのように反応するのか。それを確認するため、天体物理学者は望遠鏡から離れることができない日々が続いている。
現在の太陽はこの数十年間で最も活動が停滞しており、過去100年間で最も明度の低い状態にある。この活動の停滞から、科学者の中にはヨーロッパや北アメリカでおよそ1300年から1850年まで続いた小氷期を思い起こす者もいる。
小氷期でも最も寒さが厳しかったのは1645年から1715年の間だが、この期間は太陽風が大幅に減退したマウンダー極小期と時期が一致している。この時期、グリーンランドへ行く経路はほとんどが氷によって閉ざされ、オランダの運河は常に凍り付いていた。アルプスの氷河は周辺の村々を飲み込み、海では海氷があまりにも増加したため、1695年当時はアイスランドの周囲に開水面が存在していなかった。
今後また新たな寒冷期が始まるのではないかという科学者の懸念に対し、イギリス、サウサンプトン大学の太陽地球物理学者であるマイク・ロックウッド氏は誤解されることを危惧しており、「地球温暖化に懐疑的な学者は、話を飛躍させすぎる傾向がある」と述べている。
そのため、同氏の研究チームは、太陽活動の極小期が地球寒冷化を招くという理論が広まる前に、先んじて否定していこうと努めている。研究チームの話によると、現在続いている太陽活動の一時的な減衰が長期的な停滞のきっかけだとしても、太陽が地球の気候に与える影響は、人間の活動に起因する二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが与える影響に比べれば小さいものだという。
「現在、大気中に含まれるCO2の量は少なくとも通常より50〜60%多いが、太陽から放出されるエネルギーは数百分の1%程度しか落ち込んでいないことを念頭に置くべきだ。この数字を見れば落ち着いた判断ができるだろう」とロックウッド氏は解説する。
科学者たちはこの数百年間、観測可能な黒点の数を数えることで、約11年周期の太陽活動を追跡してきた。望遠鏡を使わなくても観測できる黒点は、太陽の表面上に見える暗い領域のことであり、その場所で磁気活動が激しく行われていることを示している。そのような磁気活動である太陽風は荷電粒子を地球へ向けて勢いよく放射し、その影響でオーロラが出現したり、人工衛星の混乱や停電までも引き起こすことがある。
これまでの太陽の周期で考えると、2008年は黒点の減少期であり、今年から太陽の黒点数が増え始めるはずだった。しかし2009年の最初の90日間で、黒点の観測されない日が78日もあり、太陽はこの100年で明度が最も低い状態にあると科学者は発表している。
前出のとおり、マウンダー極小期は黒点数が著しく少なかった時期と一致しており、当時、黒点は30年間で50個しか確認できなかったのである。太陽が再び同じような停滞期に陥った場合、ヨーロッパ、アメリカ、シベリアといった地域で寒冷地が突如として出現すると予測する気候モデルも少なくとも1つはある。
「しかしマウンダー極小期のときは、世界の多くの地域はまったく影響を受けなかった。あのような大規模な極小期でも地球規模の影響はなかったのである」と、アメリカ、アリゾナ州のローウェル天文台で副責任者を務める天文学者ジェフリー・ホール氏は指摘している。
Anne Minard for National Geographic News
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http://news.goo.ne.jp/article/nationalgeographic/life/88791272-ng.html
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