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超人に成ると云ふ事は、常人には計り知れない
強靱な精b力がなければ努まらないと云ふ事なのだ。
安濃町◆八尾比丘尼
八百比丘尼(やおびくに)と云ふ人を知つとる。
人魚の肉を食(く)つて、八百歳(さい)まで生きたと云ふ尼(あま)さんのことやに。
ふつふ、人は八百歳までは生きられへんわなあ。なんでかちゆうたら、こんな話があるんやに。
むかしむかしのことやけどなあ、經箇峰(けふがみね)の中ほどにある草生(くさわ)の里に、お里と云ふ美しい娘(むすめ)が住んどつたんやて。
お里が十七の時のこと、村の無盡講(むじんかう)で人魚の肉が出された事があつたんやて。
「人魚の肉み度いなもん氣持ち惡いわ」
「腹(はら)こはしたりしやへんやろか」
人魚の肉と聞いた村のもんは、氣味惡がつて食べやんだのに、お里は知らんと其れを食べてしもたんやて。
人魚て云ふたら、上半分が人、下半分が魚の、あのをかしな生き物のことやに。
めつたにつかまる事はないのやろうが、むかしから肉が不老長壽(ふろうちようじゆ)の妙藥(みようやく)に成ると言はれとつてなあ、其のせいやろか。お里は、其の時から年をとらへんやうに成つてしもたんや。
五年、十年ならまだええわなあ。
「お里は、いつまでもきれいやなあ」
と言はれとつたのが、二十年、三十年たつて同い年のもんが、しわがより、白髮(しらが)が増えしていくのに、お里は娘の姿(すがた)のまんまなんやが。
「なんやら氣色惡いなあ」
「何で年をとらへんのやろなあ」
と、村のもんは言ひおうてなあ、
「人のふりしとるけど、ほんまは化け物とちやふやろか」
「うかうかはたにをつたら、なにされるかわからへんぞ」
と言ひ出すもんも出てきて、
「化けもんが村におんのは不吉(ふきつ)や」
と、村中がお里を白い目で見るやうに成つたんやて。
「もう、此の村にはをれやんわ」
お里はゐたたまれんやうなつて、一人さびしく村を出ていくしかなかつたんやて。尼さんに成つて村を出て、國中を巡(めぐ)り歩いたと云ふことやに。
途中(とちゆう)で病人を治したり、川に橋をかけたり、貧しい人を助けて田んぼや畑を耕したりして、ほうぼうで人につくしてなあ、其のうち、だれとなく八百比丘尼と呼(よ)ぶやうに成つたんやて。
何百年かして草生にもどつて、長い長い一生を終へられたんやて。
やつぱりふるさとが戀しかつたんやろなあ。
お里が生まれ育つたと云ふ場所が草生のb子谷(むかうだに)にあつてな 其處には常明寺(じやうみようじ)と云ふお寺の跡(あと)がある。
此のお寺が、八百比丘尼のお里が亡(な)くなつたと云ふ場所でな。
お里は、死ぬまぎわに
「黄金の鶏(にはとり)と繩(なわ)とを朝日照る、夕日輝(かがや)く二つ葉のもとに埋(う)めたれば、他日草生衰亡(すいぼう)の時來たらば此れを掘(ほ)り出せ」
と云ふ遺言(ゆひごん)を殘したんやと言はれとるんやに。
今では、お里の墓やとひわれとるb子谷の八百姫明b(やおひめみようじん)の塚(つか)も、どこにあるのやらわからへんけどな、草生のあちこちに「ひやけ塚」やら「おびが谷」やら、八百比丘尼にゆかりのあるところがあるらしいに。
映畫「ハイランダー」據り
ドウーガル 「傷を見ただろ アンガス」
ドウーガル 「致命傷だつた」
ケイト 「惡魔よ」
ドウーガル 「一緒に酒を?」
コナー 「何か問題でも?」
ドウーガル 「御前だよ 生きて話してる」
ドウーガル 「昨晩死んだ筈なのに どういう事だ?」
コナー 「死んでた方がいいか?」
ケイト 「有り得ないのよ!」
ケイト 「惡魔に魂を賣つたんだわ!」
コナー 「ケイト やめろ」
ドウーガル 「はつきり言つてやる」
ドウーガル 「御前は惡魔だな?」
コナー 「同族じやないか」
ドウーガル 「コナー・マクラウドはな でも御前は彼じやない」
コナー 「アンガス」
アンガス 「立ち去るんだ コナー」
コナー 「何所にも行かない」
ケイト 「彼は惡魔なのよ!」
コナー 「ドウーガル!」
ドウーガル 「其のまま押さえてろ」
アンガス 「御前の從兄弟だぞ!」
「よせ アンガス」
アンガス 「靜かにしろ!」
アンガス 「火炙りは無しだ 彼は村から追放する」
ケイト 「駄目よ 燒き殺さないと!」
アンガス 「歩けるか? 動ける内に村から出て行け」
コナー 「此の恩は忘れないよ」
◆
ラミレス 「皆に恐れられ 迫害を受ける」
◆
コナー 「何て美しい女なんだ」
ラミレス 「彼女から去らねば成らぬ」
ラミレス 「マクラウド」
ラミレス 「私は2437年前に生まれた」
ラミレス 「其の間三人の妻が居た」
ラミレス 「最後の妻はサキコ 日本人だ」
ラミレス 「彼女の父親マサムネが此の刀を作つて呉れた」
ラミレス 「紀元前593年の事だ」
ラミレス 「世界に一つしかない逸品だ」
ラミレス 「彼の娘のやうにな」
ラミレス 「だからサキコが死んだ時 私は絶望感を味わつた」
ラミレス 「そうなる前に別れろ」
◆
レイチエル 「私の話を少しは聞いて 御願ひ」
レイチエル 「氣持ちを隱しても私には分かる」
コナー 「氣持ちつて?」
レイチエル 「孤獨なんでしよ?」
コナー 「孤獨なんかじやない」
コナー 「何一つ不自由してない」
レイチエル 「其れは嘘」
レイチエル 「愛される事を拒んでるくせに」
コナー 「愛は詩人の爲のものだ」
コナー 「ロマンテイツクだね」
コナー 「君は昔から」
◆
ラミレス 「彼女から去らねば成らぬ」
Highlamder / Who wants to live forever scene
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