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「チベット永遠の書・宇宙より遥かに深く」テオドール・イリオン著 林陽訳 徳間書店
http://www.aritearu.com/Influence/Francis/Saint/EsotericJourney.htm
わたしは、彼らの目に見入った。目はきれいだが、陰気な光を放っている。知性、力など
すべてのものが認められたが、ただ一つ「魂」だけが欠けていた! この瞬間、わたしの内部の何もかもが恐るべき苦悶の叫び声をあげた。わたしはその場に蹲り、手に顔をうずめた。“魂の救世主”たちの真の性質を悟ったのだ! 彼らはみな、堕ちた天使だったのだ。
神のようにならんと欲し、そのために自らの栄光を失ったあの天使たちだったのだ! 戻る見込みなき奈落の底に自らをまっさかさまに投げ落とした彼らは、今や他の者たちをも仲間に引き入れ、奈落の底に陥れようとしていたのである。「光の王子」とは、実は光を装った「闇の王子」だった。これを知ってから、わたしは二、三分の間、生涯でもっとも恐るべき瞬間を体験した。わたしの存在のすべてが霊的苦悩の叫びを上げた。外側では平静さを装ってはいたが、自分の存在の基盤そのものを揺るがす霊的な嵐が、激しく心の中に吹き荒れた。
このときの気持ちはとても言葉では表現することができない。霊的なことを垣間見た人間のみが、「魂の強烈な苦しみ」の何たるかを理解できるのだ。何百回となき生の経験、全生涯の苦しみが、このたった二、三分の霊的苦しみの中に集約された思いだった。この苦痛はあまりに強烈だったため、秘伝者の都を包み覆う心霊的空気全体をかき乱したに違いない。この新たに得た霊的認識を打ち消そうと、あらゆる方向から強い磁気的な流れがわたしに向かって押し寄せてくるのを、はっきり感じた。そのとき、扉が開き、王子と秘書二人が館内に入ってきた。誰もが立った。王子はわたしの方に近づいてきた。「決意は固まりましたか」と彼はあの空ろで金属的な声で話しかけてきた。「固まりました」わたしは決然と答えた。
彼はわたしの顔に強く息を吹きかけてきた。「妖術師め。ついに本性を現したな」とわたしは心の中で呟いた。「創造主の名において命じる! 下がれ!」とわたしは大声で叫んだ。これほど力強く、魂の力に満ちた自分の声をきくのは初めてだった。まるで、わたしの全存在が一つの崩れざる結晶に固化し、全身がこの声と一つになったかのようである。支配者はひるみ、踵を返してその場から立ち去った。わたしは突然、このような人間の正体を知ったことへの報復が、死であることを悟った。生きているうちにわたしの魂を奪えなかった彼は、秘術によってわたしを殺し、他界で魂を奪い取ろうとするに違いないのだ。(本書より)
[コメント]
少しキリスト教的な趣を強調してますが、これはおそらく悪魔的なイルミナティの結社の内情を告発した書でしょう。そのスリルとサスペンスを知りたい方は、本を買うっきゃないといいたいのですが、少しだけばらします。内容はカニバリズムです。あの時代のチベットでは死人は鳥に食わせて葬儀をする(これを鳥葬といいます)のが普通でした。普通のラマ寺院でも悪魔的な儀式が行われていたようです。かなり残虐な部分がカットされていて、猟奇趣味の方にはものたらないかもしれませんが。
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