01. 2012年4月10日 01:38:16
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常軌を逸した「ミサイル」騒動 狙いは軍事大国化の一環朝鮮が平和目的の実用衛星「光明星3」号打ち上げを発表、国際慣例にもない最大級の透明性の保証措置を取ったにもかかわらず、米、日、南朝鮮は「弾道ミサイル発射」「挑発」「国連決議違反」などと騒ぎ立て、結束して「阻止する」と叫んでいる。わけても日本は、首相が「弾道ミサイル破壊措置命令」を発令するなど、まるで戦争前夜のように政府とメディアが一体となって反朝鮮キャンペーンを繰り広げている。常軌を逸した日本の対応をどう見るべきか。 「迎撃」の虚構 「ミサイル発射」騒動の先頭に立っているのは、日本である。日本政府は3月30日、自衛隊に対して「弾道ミサイル破壊措置命令」を発令、これに基づいて航空自衛隊は「ミサイルが沖縄上空を通過する」との前提のもとに沖縄本島の那覇市、南城市、宮古島、石垣市だけでなく、人工衛星発射の軌道とは遠く離れた首都圏の市ヶ谷、習志野、朝霞の基地に迎撃用の地対空誘導弾パトリオット・PAC3を配備した。 一方、海上から大気圏外のミサイルを迎撃するとして誘導弾SM3を搭載したイージス艦2隻が沖縄とその近海、他の1隻が朝鮮東海(日本海)に配備された。同時に、31日には沖縄の米軍嘉手納基地に米軍電子偵察機RC―135Uも到着。いかにも自衛隊が独自にミサイルを迎撃できるかのように大々的に喧伝している。 だが、「弾道ミサイル破壊措置命令」とは言え、自衛隊が独自に初動体制を取れるのではなく、「ミサイル」関係情報はあくまで全面的に米軍に依存しているのである。 また、「落ちてくるかもしれない」ロケットを迎撃ミサイルで破壊できるのかについても、自衛隊幹部自身が「命中する」とは信じていないことを認めている。 それでも、迎撃を強調するのは、09年4月に他の飛行物体を「ミサイル」と勘違いし誤った情報を発信して大混乱に陥った苦い失点を取り戻すというパフォーマンスにすぎない。 かかる防衛省、自衛隊の哀れな姿をマスコミも風刺した。「撃墜命令を出した防衛相が野党に撃墜されそうで。PAC3も知らないようでは。発射台揺らげば照準も危うし」(朝日新聞「素粒子」3月30日付)。自虐的にならざるをえないほど、日本の政治もメディアも頽廃し思考停止状態に陥っている。 「ミサイル騒動」の背景 防衛省、自衛隊の真の狙いは他にある。 軍事大国化の一環としての南西諸島の防衛力強化がそれだ。防衛省は、「ミサイル落下の危険性」「国民の生命と安全」を口実に、これまで沖縄本島にのみ常駐していた陸上自衛隊を宮古島、石垣島、与那国島にも常駐させる方針を固めた。これは、2010年に政府が策定した「新防衛大綱」で今後10年の間に実施することを決めた事項で、沖縄県民の抵抗を抑え込み、「地ならし」するうえでも願ってもない追い風が吹いていると、自衛隊幹部らは大喜びしているという。 日本がこれほどまでに「ミサイルの脅威」「迎撃」「制裁」を声高に叫びヒステリックになる現象の背景には、第2次大戦で大敗した日本帝国主義の残存分子、そのDNAと思想を受け継ぐ「戦後高度成長期」の落とし子たちが、長期にわたってますます社会全体に広がる閉塞感から脱却し、再び、経済、軍事、政治的に「活気」を取り戻そうとするもがきがあると言えよう。 鬱積した不満の捌け口は、朝鮮や中国などかつて侵略した隣国に向けられている。加害者が「被害者」になりすますだけでなく、実際にそう信じる風潮がいっそう顕著になりつつあり、過去の国家犯罪を反省するどころかむしろ美化する極めて危険な現象が起きている。その表れとして朝鮮を「悪魔化」する傾向は久しい前から続いている。その尖兵がマスコミだ。 米国の存在 前回と同様、今回も表向きは日本が際立ってヒステリックに「ミサイル」の脅威を騒ぎたてているが、後ろで巧妙に操っているのは他でもない米国だ。オバマ大統領は3月下旬、朝鮮の軍事境界線を視察、米軍の将兵を「激励」した。こうした歴代米大統領の姿を見るたびに、朝鮮戦争前夜を思い起こす。日本は、米国のシナリオに沿って第2の朝鮮戦争に備えて着々と準備を進めている。日本の支配層・保守勢力にとっては、憲法9条が最大の障害物であり、「戦争ができる普通の国」になるには、朝鮮の平和目的の人工衛星は絶対に認められず、「弾道ミサイル」でなくてはならないのだ。(韓桂玉、軍事評論家) ( 朝鮮新報 2012-04-09 14:37:20 ) http://jp.korea-np.co.jp/article.php?action=detail&pid=53227
そこが知りたいQ&A−衛星打ち上げが騒がれているが 平等認めない態度が問題 3月16日、朝鮮宇宙空間技術委員会は地球観測衛星「光明星3」号を4月12〜16日の間に打ち上げると発表した。米国や南朝鮮、日本など敵対国は朝鮮の衛星打ち上げを「ミサイル発射」だと言いがかりをつけ、阻止しようとしている。衛星打ち上げの何が問題なのかQ&Aで見る。 Q:朝鮮が打ち上げを予定している人工衛星について、日本の報道のほとんどは「長距離弾道ミサイル」と表記しているが。 A:朝鮮は、今回打ち上げるのは実用観測衛星だと発表している。 ところが、敵対国の関心は衛星の「光明星3」号にあるのではなく、その運搬手段である「銀河3」ロケットにある。ロケットの発射技術は弾道ミサイルのそれと同じなので、朝鮮が発射するのは「長距離弾道ミサイル」だというわけだ。 朝鮮は、衛星の打ち上げがいかなる軍事目的ともまったく関係のない純粋に宇宙の平和利用のための科学技術事業であることを透明性をもって示すため、国際的な慣例を超越して、世界の宇宙開発機関の専門家とメディアの関係者が打ち上げの過程を参観できるよう招待した。 しかし、米国や日本の当局は専門家を送ろうとしていない。どうしても、人工衛星だということを認めたくないのだろう。 人工衛星だと証明されると、自衛隊などが「不測の事態に備えた迎撃態勢」をとる根拠がなくなる。 Q:朝鮮の衛星打ち上げは国連安保理「決議」違反なのか。 A:米国や日本などは、朝鮮の核実験を受けて09年6月に採択された「決議第1874号」を根拠に違反としているが、何の国際法的根拠もない。 宇宙条約は、宇宙空間の探査・利用はすべての国、全人類が自由に行うことができると定めている。 実際に、世界の数多くの国が宇宙空間に各種の衛星を打ち上げたが、それが国連の舞台で問題視されたことはない。軍事衛星を含む各種衛星を打ち上げて世界の平和と安全を脅かしている米国の打ち上げも問題視されたことはない。日本、南朝鮮の衛星打ち上げも同様である。 この「決議」のとおりなら、朝鮮だけが衛星を打ち上げてはならず、宇宙利用の権利を永遠に行使できなくなる。 「決議」は、宇宙の開発と利用での明確な2重基準であり、朝鮮の衛星打ち上げの権利を否定する米国とそれに追従した国連安保理の陰謀の産物で、これ自体に問題がある。 Q:米国は2.29朝米合意違反だと主張している。 A:2.29合意で、朝鮮側は「実りのある会談が行われる期間、核実験と長距離ミサイルの発射、寧辺のウラン濃縮活動を一時停止」することを約束したが、平和的な衛星打ち上げまで停止することは約束していない。 朝鮮外務省スポークスマンによると、昨年から3回にわたる会談で朝鮮側は、平和的な衛星の打ち上げが長距離ミサイルの発射の一時停止に含まれないということを終始一貫して主張した。その結果、2.29朝米合意には「長距離ミサイル発射の一時停止」と明記された。「衛星の打ち上げを含む長距離ミサイルの発射」「弾道ミサイル技術を利用した打ち上げ」などという文言ではないのだ。 ちなみに、2000年10月に発表された朝米共同コミュニケには、「ミサイル問題と関連した会談が続く間、(朝鮮は)すべての長距離ミサイルを発射しない」と記されている。ここで、「すべての長距離ミサイル」とは人工衛星も含まれると思われるが、今回の合意で一時停止するのは「長距離ミサイル」に限っている。 Q:今後予想される展開は? A:米国は朝鮮の衛星打ち上げ計画発表に対して、早速、公約した食糧支援を中止すると一方的に発表した。 これについて朝鮮外務省スポークスマンは3月31日、「2.29朝米合意の核心事項の違反行為」だと批判した。 米国の合意違反に対する対抗措置として、朝鮮が一時停止するとした核実験、長距離ミサイル発射、寧辺のウラン濃縮活動を再開させることは十分に考えられる。 ただ、スポークスマンは「米国の誤った選択によって招かれる結果の深刻さと重大さについてまだ論じたくない」「米国が今からでも主権国家の平和的な衛星打ち上げを認める勇気を持つことを願うだけ」と述べるにとどめている。 2.29合意で米国がうたった「自主権尊重」「平等精神」の真意が試されている。今後の展開は、衛星打ち上げに対する米国の対応にかかっている。(姜) ( 朝鮮新報 2012-04-06 15:06:29 )
http://jp.korea-np.co.jp/article.php?action=detail&pid=53213 |