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[ヤンゴン 5日 ロイター] ミャンマー連邦議会補選で、民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー氏(66)率いる野党・国民民主連盟(NLD)が大勝。対照的に大敗を喫した旧軍事政権系の与党・連邦団結発展党(USDP)は、戦略の見直しを迫られている。
ミャンマーは2015年に次期総選挙を控える。USDPは、さらなる議席減を防ぐため、党の再生を目指しており、軍事政権が長年にわたって抑圧してきた民主的・大衆的な考えを取り入れる可能性も出てきている。
USDP候補として、スー・チー氏と同じ選挙区から出馬して落選した元軍人のソエ・ミン氏(49)は、「軍人が戦いのあと、自らの姿勢を見直すことは自然なこと。われわれは修正すべきことを修正し、決断すべきことを決断していく」と、次の決戦を見据えて語った。
USDPのテーウ事務局長も「われわれに弱点があるかどうか当然見直すべきだ。国民に政策を知ってもらう必要がある」と、米国の海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の現地語版で強調している。
「ミャンマーの変化は早過ぎではないか」。1日の補選では、NLDが改選45議席中43議席を獲得する圧勝。与党やスー・チー氏を2010年11月まで自宅軟禁下に置いていた元軍司令官らに、このような厄介な問いを投げ掛ける結果となった。また、補選で争われた議席は全体の7%に過ぎないが、NLDの勝利は国民が抱く民主化への期待と同時に、軍の政治参加への拒絶反応が鮮明になった。
<軍に対する宣戦布告>
スー・チー氏が掲げる重要施策の一つは、議席の4分の1を軍人枠に割り当てた憲法の改正だ。3月30日の会見では、「この国の改革は、彼らに対する改革を意味する」ということを軍が理解すべきだと訴えた。
一方、軍のミン・アウン・フライン総司令官は、憲法は政治的なリーダーシップを軍に保証するもので、保護されるべきだと主張。しかし、スー・チー氏の訴えは、これまで国の中心人物であるとの認識を抱いていた軍人らを慌てさせている。
軍事枠議員の1人はロイターに対し、「楽観的とは言えない。落胆している」と心情を吐露。「軍に対する戦争が宣言されたと考える者も出てきている。軍人議員の多くにとって、彼女(スー・チー氏)のスローガンは、今すぐにでも兵舎に戻れと脅されているのに等しい」と話す。
最も可能性の高いシナリオは、混乱を避け改革を継続させるため、軍、USDP、スー・チー氏の間で調整が行われること。ミャンマーは、海外からの投資拡大に向け、経済制裁解除への動きを進めている。そのため、2015年の総選挙後に連立政権が樹立されることが、情勢安定化には最も望ましいとの見方が広がっている。
タイのシンクタンクの専門家、アウン・ナイン・ウー氏も「連立政権の可能性が高い」とした上で、「重要人物の間で協議が行われるだろう。国家建設では失敗の歴史があり、誰も旧来の方法に逆戻りしたいとは思っていない」と指摘した。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE83405420120405?sp=true
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NLDが圧倒的な強さで大勝することは軍部も分かっていたはず。
20年以上政治活動を禁じられてきたNLDだが、ビルマ国民が強固に支持し続けていた事実は、すでに2007年の全国規模での反政府デモで立証されている。
憲法で規定されている軍人の議席は全体の4分の1に過ぎない。総選挙となればNLDが議会の過半数を制することは確実。軍部に遠慮して連立などするまでもない。仮に軍部がクーデターを起こしたならば、世界各国による経済制裁が再発動され、ビルマは元の最貧国に逆戻りである。
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