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株式日記と経済展望
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第一世代の独裁者から次代の息子に権力がうまく移る割合は約25%
であり、第三世代の孫に移して権力を固めることができた例は皆無。
2011年12月20日 火曜日
◆北朝鮮、崩壊したら、どうしよう? 2010年5月20日 地政学を英国で学んだ
http://geopoli.exblog.jp/13328383/
Get Ready for DPRK Collapse
May 12, 2010
●さらに重要なのは、典型的な一族独裁制を敷く金正日の政権が、最も困難とされる「権力の譲渡」という問題にもうじき直面するということだ。
●金正日はすこし前に脳卒中を起したほどであり、健康問題がささやかれていると同時に権力の掌握力も弱まっている。彼は27歳の息子である金正雲に後をつがせようと必死になっているのだが、金王朝にとってはあいにくなことにこのプロセスは失敗に終わりそうなのだ。
●たとえば近代の一族独裁制(もちろん伝統的な君主国は除くが)の権力譲渡の状況を見てみると、第一世代の独裁者から次代の息子に権力がうまく移る割合は約25%であり、第三世代の孫に移して権力を固めることができた例は皆無なのだ。
●もちろん金王朝は新たな前例となるのかもしれない。しかし悪化する経済や、うわさされている未経験の継承者と、北朝鮮軍が金正日の死の際にどれだけ信頼できるのかが分からないことなどを考えると、東アジアの周辺国は北朝鮮の急激な崩壊というシナリオに備えるべきである。
●北朝鮮が崩壊したとして最も心配なのは、周辺の主要国たちがそのような状況になった時にどうするのかという点について、互いに(公式/非公式にかかわらず)あまり連絡をとりあっていないことだ。
●もちろん中国、アメリカ、日本、韓国、そしておそらくロシアなども、ほぼ確実に北朝鮮の急激な崩壊についての対処の仕方については計画しているはずだ。ところが彼らはまとまってどのような反応をするかについては何も準備をしていない。
●結果として、多くの重要な問題については何も答えが出ていない。
●たとえば、「もし中国が“人道支援”という名目で北朝鮮に戦闘部隊を派兵したら、米韓はどのように対処すればいいのか」という疑問がある。おそらく北京政府は何百万人もの北朝鮮からの難民が中国に流れ込み始めた時点でそのようなことを行う可能性が非常に高いのだ。
●また、「核物質を確保するためにはどの国が率先してやるべきなのか?」「米韓軍が38度線を越えた場合、中国はどのように反応するだろうか?」「金正日亡き後の平壌政府には、誰が手を差し伸べるべきなのだろうか?」「朝鮮半島が統一された後の集合的安全保障の仕組みはどのようなものになるのだろうか?」という疑問がある。
●これらについてはアメリカ、中国、日本、そして韓国の政府関係者たちにとってはあまりにもデリケートであるために、議論することをためらわれるような問題だと思われている。
●その結果、これらの難しい問題について考えている人は少なく、さらには北朝鮮崩壊後の米中の紛争についての解決法や、金王朝後の恒久的な平和状態をいかに構築していこうかという問題について考える人はいないのだ。
●この不安定な地域における主要国間の信頼感が欠如していることを考えれば、政府関係者がいきなり心を入れ替えてこのようなことを論じ始めるとは到底思えない。
●その代わりにやるべきなのは、元政府関係者や学者、そして政策専門家たちの間でよく構成された非公式な議論やシナリオ計画の作成などであり、これが最初の一歩となるかも知れない。いずれにせよ、このような非公式な努力が、最も重要で破壊的となる可能性のある問題をわれわれが議論するためのきっかけとなることは間違いない。
●金正日を扱っている中国にとっては、そのような穏やかな提案でさえ忌み嫌うべきものだ。そして彼らはこのような提案を徹底的に否定するだろう。
●それでも彼らはただ単に体調の悪そうな金正日の写真を見ながら「そろそろプランBを考えるべきじゃないの?」ということを思うだけなのだ。
(私のコメント)
「売家と唐様で書く三代目」と言う諺がありますが、独裁者の世襲は非常に難しい。昔の封建制時代なら専制君主が世襲で権力が継承されましたが、独裁者は共和制における絶対権力者であり、王様ではない。中東などでは王政の国家がありますが、北朝鮮は共和制国家であり王政ではない。
北朝鮮も金日成から金正日に権力が継承されましたが、暴力による継承であり裏では激しい権力闘争で勝って金正日は北朝鮮の総書記になった。その金正日が亡くなれば選挙によってその後継が選ばれなければなりませんが、後継者とされる金正恩は、これからの権力闘争に勝てる見込みはほとんどないだろう。
最初から王政国家として権力の継承が決められた国家なら権力の継承はありますが、共和制国家で権力の継承が行なわれるのは珍しい。日本でも選挙で政治家が選ばれますが政治家の世襲が当然のように行なわれている。森総理以降世襲政治家の総理大臣が続きましたが、世襲政治家にはろくなのがいない。
中国でも共産主義国家でありながら、共産党幹部たちの息子たちが党の幹部になっていますが、このような権力の継承は出来るだけ避けるような制度にしなければなりません。これは選挙制度に欠陥があるからですが、選挙が組織化されて硬直化してしまうと世襲の政治家が生まれるようになる。この点では中国も北朝鮮も日本も同じ欠陥があるからだろう。
中国も北朝鮮も事実上一党独裁国家であり、党の最高権力者が独裁者になりやすい。選挙は名ばかりのものとなり独裁政権が長く続くようになる。日本も自民党長期政権が続いて世襲の政治家が増えて総理大臣が世襲政治家ばかりになって政治が停滞するようになってしまった。世襲政治家を選ぶ有権者が悪いと言う意見もありますが、小選挙区で支持政党が世襲候補だったらどうすることも出来ない。
北朝鮮は金王朝のつもりなのでしょうが、共産主義国家であり王朝のような世襲が認められるわけにはいかない。中国自身が世襲を認めてしまうと毛沢東やケ小平の息子たちが国家主席になるようになるだろう。それでは近代国家と言えなくなりますが、日本も世襲政治家の増加で世襲を批判することは正論なのですが、世襲でなぜ悪いとか職業選択の自由があるとかの反論も出てくる。
日本総理大臣が世襲なら、北朝鮮の総書記の世襲も強いことが言えなくなる。だから金正恩が後を継ぐのが当然のような論調がテレビでも言われていますが、三代も一家族が総書記を努めるのは極めて不自然だ。北朝鮮自身の為にもなりませんが、政治と言う権力の世襲は避けなければなりません。国会議員になれば政党助成金を含めて議員一人に1億円以上の資金が払われているのだから世襲利権になってしまっている。
政治家は世襲でなれるような職業ではなく、能力や志がありタフな人物でなければなりません。金正日は能力がありタフな人物であることは確かでしょう。しかし金王朝のような最高権力者の世襲は異常であり北朝鮮国民のためにもならない。リビアのガダフィーも次男の息子が権力を継承しようとしましたが民主化革命で捕まった。
同じようなことが北朝鮮で起きるのかもしれませんが、それが起きれば中国にも飛び火する。北アフリカや中東の民主化革命は教育の普及やネットの普及が若者を動かした。しかし中国の弾圧は厳しいから押さえ込まれている。北朝鮮は徹底した情報封鎖で国民は世界の状況が分からなくなっていますが、携帯電話やラジオなどが持ち込まれて徐々に状況が知らされるだろう。
シリアなどもすでに5000人もの人が殺されていますが、独裁権力を倒すには多くの血が流される。リビアでも独裁者が最後まで抵抗して多くの国民が殺しあった。それくらい独裁者を倒すには大変な事であり北朝鮮も一筋縄では行かないだろう。中国がそうなったら日本にも大きな影響が出ますが日本政府はそのこまで想定しているだろうか?
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