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【社説】対北制裁、手ぬるいものならしない方がよい〔朝鮮日報〕
http://www.chosunonline.com/news/20100731000021
米国務省のロバート・アインホーン対北朝鮮・イラン制裁調整官が、8月1日から3日にかけて韓国を訪問し、米国が推進している対北金融制裁案について協議する。米国は近々、北朝鮮権力者層によるぜいたく品の輸入、偽造紙幣・麻薬流通などによる違法な外貨調達に関連した機関・個人のリストを作成し、各国の金融機関に通報、取引の中止を要請する方針だ。
アインホーン調整官は29日、米国議会下院の聴聞会で、「北朝鮮は孤立を恐れないという点で、イランとは異なる。北朝鮮の指導者らは、生存の唯一の方法は孤立だと信じているようだ。こうした北朝鮮とイランの体制の違いは重要だ」と語った。このため、対イラン制裁と対北制裁では手法を変えなければならない、というわけだ。米国は今月初め、「イラン制裁法」を策定し、イランの主要機関・個人を制裁の対象に指定し、各国の銀行に対しこれら機関・個人との取引の中断を要請した。さらにこの要請に従わない第三国の金融機関は、米国の金融機関との取引ができないようにした。米国の銀行と取引できなくなれば、事実上、国際金融取引から孤立しかねないだけに、各国の金融機関はこの措置に従わざるを得ない。
米国は、対北金融制裁については、別途に制裁法案を設けたり、従来の法律に依拠した強制措置を動員するのではなく、北朝鮮の機関・個人の中から制裁対象を選んで各国の銀行に通報し、自発的に取引を中止するよう要請する計画だ。北朝鮮は2005年、マカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)の口座にあった2500万ドル(現在のレートで約22億円)の預金の引き出しを米国が妨害したことを受け、翌06年7月に長距離弾道ミサイルの発射実験を再開、10月には最初の核実験を実行した。さらに北朝鮮は、米国が金融制裁を検討しているというニュースに対し、「新たな方法の核実験」に言及し、「報復の聖戦」を主張している。米国が、法的強制措置の発動よりは自発的協力を得る形で対北制裁を進めようとしているのは、中国が対北制裁に反対しているため制裁の実効性に限界があり、また北朝鮮による3回目の核実験のような挑発を招きかねない、といった点を考慮しているとみられる。
フィリップ・クローリー国務次官補は、「北朝鮮が(核の放棄や違法活動の中断など)国際的な義務を順守すれば、制裁の必要性はなくなる」と語った。今回の制裁における究極的な目標は、北朝鮮を再び対話のテーブルに引き出すことにある−という意味だ。しかし対北金融制裁が、北朝鮮の権力者層が鼻で笑う程度のものならば、むしろ制裁という剣を抜かない方がましだ。韓米は、制裁によって北朝鮮の権力者層が実質的な苦痛を感じるようにすると共に、北朝鮮の挑発と中国の反対を最小限に抑える、という現実的かつ実効的な案を新たに模索しなければならない。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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