★阿修羅♪ > アジア13 > 405.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
昨日、金大中前大統領の国葬が終わった。わずか3ヶ月間に韓国の民主化のために献身した2人の大統領が続けて私たちのそばを離れた。お二人は共通点が多い。お二人は花が好きだった。今年5月1日の日記で金大中前大統領は広場に映山紅(サツキ)とツツジが咲いたのを見て「花をたくさん見れたらうれしい」と書いた。お二人は花が好きだったが。花よりも人をさらに愛した。特に弱者に対する慈しみが多く涙も多かった。そこで当然、経済政策も弱者中心に向かい、したがって所得分配の改善,貧困の縮小が期待されたが結果は反対だった。むしろ金大中,盧武鉉時代に所得分配は悪化し貧困は増えた。なぜそうだったのだろうか?
保守側では政策が分配中心に向かい失敗したと主張する。‘左派’,‘分配主義’というレッテルが保守言論の常連メニューであり、「分配に重点を置き成長困難に陥った」とする表現が保守言論の愛唱曲だった。それで流行した言葉が‘失われた10年’だった。他の一方である進歩側では、分配政策を用いず成長至上主義,市場万能主義に追従したのでこういう結果になったと解釈する。本格的分配政策を期待したが、執権後とんでもない方向へ行ったとさびしさを隠さない。このように両側の評価は天と地のように離れている。
正確な評価は何か? 方向は正しかったし努力もかなりしたが、充分ではなかった。金大中政府は国民基礎生活保障制度を導入し福祉支出を増やすことに多くの努力を注いだ。盧武鉉政府も同伴成長を前面に掲げ経済予算を減らし福祉予算を増やした。経済予算と福祉予算の比率が参加政府初年度には28:20であったが、最後の年には20:28に逆転した。(参考のために先進国平均は経済予算10%,福祉予算50%程度だ)そうして政府が持つ所得再分配効果は歴代政府では市場所得不平等の3%縮小に終わっていたものが、国民の政府では6%,参加政府では9%と、少しずつ高まった。しかし先進国政府が持つ所得再分配効果が平均42%であることと比較すれば6〜9%という数字は相変らず恥ずかしいほどだ。
もう一つは、この時期が世界的に市場万能主義が広まり、不平等が深化した時代だったという背景を念頭に置かなければならない。福祉国家が確立された少数の国を除き、多くの国で分配が悪化した。米国ではクリントンが8年間執権し共和党の金持ち中心政策を脱皮し、不平等を深化させる市場の力に抵抗したが分配状態が現状維持に終わっただけで改善までは行けなかったことを見よ。しかも韓国は分配を口にすれば左派に追いやられる特異な成長至上主義国家ではないか。10年間この程度努力したことすら韓国の状況ではかなり全身の力をふりしぼった結果だ。分配のための努力の‘ために’分配が悪化したのではなく、分配のための努力にも‘かかわらず’分配が悪化したのだ。したがって私たちは分配改善のためにさらに努力しなければならない。
イ・ジョンウ慶北大教授(経済学)
原文: http://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/372711.html 訳J.S
http://blog.livedoor.jp/hangyoreh/archives/754988.html
>分配が悪化したのではなく、分配のための努力にも‘かかわらず’分配が悪化したのだ。
これは鋭い。