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イラン 民主化闘争を支援しよう 青年・女性を先頭にした強権支配体制への決起(かけはし)
http://www.asyura2.com/09/asia13/msg/340.html
投稿者 ダイナモ 日時 2009 年 7 月 02 日 22:03:59: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.jrcl.net/web/frame090706a.html

不正選挙に抗議する数十万のデモ
「イスラム共和国」の腐敗に怒り自由と権利を求める運動の高揚


体制内「改革」と暴力的弾圧

 イランで六月十二日に大統領選挙の投票が実施され、同十三日、アフマディネジャドが勝利宣言を発表した。「改革派」ムサビ元首相の「緑のキャンペーン」を支持した多くの人々は、選挙に不正があったと主張し、投票のやり直しを要求してテヘランをはじめ多くの都市で街頭デモを開始した。
 同十五日には全国で百万人以上がデモに参加し、警察の発砲によって数人が死亡した(死傷者の数は不祥)。多数の「改革派」リーダーや関係者の逮捕、革命防衛隊による強圧的な弾圧、最高指導者ハメネイの「警告」にもかかわらずデモは持続し、独裁体制との対決を強めていった。デモと弾圧の映像はインターネットを通じて全世界に公開され、一挙に国際的注目を集めた。特に、同二十日のテヘランのデモに参加し治安部隊によって射殺されたネダ・ソルタニさん(26 歳)は、独裁体制に対する抵抗の象徴となった。
 国家・宗教指導者内の「改革派」と「保守派」の対立を背景として始まった権力抗争は、広範な社会階層を巻き込んだ政治的闘争へと発展している。
 「改革派」は、都市中間層、とりわけ若者や知識人、専門職等に支持されている。現政権による弾圧や権利の抑圧、経済政策の失敗に不満を強めている層である。「保守派」は、最高指導者ハメネイや革命防衛隊、民兵組織の支持を得ている。また、アフマディネジャドはポピュリスト的な政策によって貧困層の支持を得ていると言われている。
 「改革派」を代表するムサビはイスラム共和国の初代の最高指導者だったホメイニの側近として、一九八一〜八九年に首相を務めた。「改革派」のもう一人のリーダーのハタミは一九九七年と二〇〇一年に大統領に当選し、二期・八年間在職した。護憲評議会が大統領候補の資格を審査するという特殊な制度の下で、「改革派」のリーダーたちもイスラム教聖職者による独裁的権力を直接に担ってきた人物であり、この体制そのものを変革しようとはしていない。ムサビもハタミも、「保守派」権力に対する闘争を体制内改革に限定するために非常に慎重かつ意識的に行動している。

新自由主義政策のジレンマ

 「改革派」と「保守派」の抗争それ自身は、一九七九年以降にホメイニの下で確立されたイスラム教聖職者による独裁的権力の枠組みの中での抗争である。この権力は、一九七八年から七九年にかけての、パーレビ国王の独裁体制に対する巨万の民衆の革命的決起を背景として成立した。
 しかし、その一方で、この権力はクルド人の民族自決権のための闘いや、石油労働者をはじめとする労働組合・左翼政治組織の徹底的な排除と暴力的解体の上に確立された独裁権力である。この権力は当初、主要産業の国有化、土地の分配、教育や医療の充実によって社会的矛盾を緩和し、対外政策においては反米・反ソ(旧ソ連)、あるいは反帝民族主義を前面に掲げてきた。
 反西洋(イスラム教の原理への回帰)とポピュリスト的な国内経済政策は、反民主主義的・反革命的な強権的独裁支配の本質を隠蔽する上で、きわめて効果的だった。国有企業を通じた収益は、政治権力に近い聖職者たちを潤し、また、革命防衛隊やイスラム教の地域組織の強化を通じてホメイニ支持者の政治的基盤を強化した。
 一九八〇年代末に、対イラク戦争の終結(89年)とホメイニの死去(同)のあと、ラフサンジャニ大統領の下で新自由主義的な改革が導入された。経済五カ年計画、IMF・世界銀行の融資の導入、公有地の民営化と都市開発への規制の緩和(建設ブームと住宅バブルをもたらした)、貿易の自由化、技術者・専門家の活用等を通じてイラク戦争による荒廃からの復興をはかったのである。革命と戦争の中で国外に逃れていた資本家たちも次々と帰国した。新自由主義的な改革はその後のハタミ、アフマディネジャド政権の下でも一貫して追求されてきた。これは中国やマレーシアをモデルにしていると言われている。
 経済改革、とくに国有資産の私有化は腐敗をもたらし、また、貧富の格差を生み出した。「改革派」は国有部門の非効率、不透明性を非難してきたが、実際には民営化は多くの場合、国家権力に近い層への低価格での払い下げという形態を取っている。高位の聖職者は私腹を肥やしてきた。とくにラフサンジャニは莫大な富を蓄積してきたことで知られている。
 「この二十年間、一連の私有化を特徴づけている不正と不透明性は、メディアや政府の報告の中で一貫して批判されてきた。元の国有企業の管理者が新しい経済エリートに加わった。彼らはこの過程の受益者だった」(ラミネ・モタメド・ネジャド「イラン―お金とイスラム指導者」、『ルモンド・ディプロマティク』誌6月号)。この点では、ロシアや中国における民営化のプロセスと酷似している。
 今日でもイランでは国有部門がGDPの三分の二を占めており、民間部門は三分の一にすぎない。国家予算の多くの部分が国有部門への補助金に充てられている。
 アフマディネジャド政権の下で、民営化は重要産業や金融セクターにも拡大している。「MERIP」レポート〇九年春号のカベフ・エフサニ「強奪による生き延び│イスラム共和国における公共財の私有化」によると、民営化をめぐる政府と反政府派の対立は、政策の正当性をめぐってではなく、国有資産の評価と分配の方法をめぐる対立である。〇七年から〇九年の間に七八億ドル相当の国有資産が民営化されたが、そのうち三十三億相当分が一般企業・個人に売却され、三十億ドル相当分がホメイニ基金や民兵組織、年金基金を通じて低所得層や年金生活者(退役軍人・戦争遺族など)に配分された。「公正な分け前」と称するこのプログラムは、「改革派」、「保守派」双方から、政治的買収であると批判されている。
 新自由主義の導入に伴う富裕層の形成と、教育の普及の結果としての新しい知識人・テクノクラート層の形成は、イスラム共和国の基本である聖職者による支配の弛緩をもたらす。一方で失業が増大し(失業率は約40%と推定されている)、貧困が拡大している。公式統計によると、貧困ライン以下の人口は八百万人に達している(総人口は7千4百万人)。
 このまま新自由主義政策を進めていくならば、社会的矛盾がイスラム共和国の土台を引き裂きかねない。この点においては、中国における共産党独裁下の「改革・開放」政策と類似した矛盾を抱え込んでいる。このジレンマの中で、アフマディネジャド政権はポピュリスト的政策と強権的支配の強化をはかってきた。アフマディネジャド政権はまた、核開発を推進し、反帝国主義・反シオニズムを煽り、中東地域における影響力を強化することを通じて、国内の結束を強化しようとしてきた。

反政府運動と新たな可能性

 ホメイニの死後の二十年間、「改革派」と「保守派」の抗争は繰り返されてきたが、今回の大統領選挙をめぐる抗争は、大衆の闘争への参加の規模において一九七八〜七九年の革命以来最大である。
 とくに、若者がデモの主力となっていることが注目されている。若者たちはインターネットを駆使して、自由と民主主義的スペースの拡大を求める機運を結合し、共感を組織してきた。不正選挙への怒りが、革命防衛隊の暴力的弾圧を契機に、「独裁者に死を」と叫ぶラディカルな反政府運動へと急速に発展した。アフマディネジャドだけでなく、最高指導者のハメネイや革命防衛隊が闘争の対象となったのである。闘争の拡大は革命防衛隊や民兵の間にも動揺を引き起こしつつある。この事態を前に、「改革派」の指導者たちは大衆運動の発展を抑制しつつある。
 六月二十日のデモ以降、大統領選挙をめぐる抗争は終息しつつある。しかし、今回の大衆闘争の中で、イスラム聖職者による独裁そのものと対決する闘いの新たな可能性が表現されていることに注目しておくべきである。
 第一に、女性の運動が果たしてきた重要な役割である。ハタミ大統領の下で、民主主義的権利の抑圧が一定程度緩和され、さまざまな非政府グループの活動が可能になり、その中でいくつかの女性グループが形成された。アフマディネジャド政権は、この改革を逆行させ、女性の権利をはく奪してきた。大学入学者における女性の割合に上限を設ける、一夫多妻制への規制を緩和する、政府の「女性の参加のためのセンター」を「女性および家族問題センター」に改組する、前政権の下で刊行されてきた研究文献を廃棄する、女性グループへの補助金を廃止する等の政策を導入しようとしてきた。これに対抗して、女性の権利の拡大を求める「百万人署名運動」が草の根の運動として、警察や民兵による暴力的弾圧に抗して果敢に展開された。この運動が、大統領選挙を前に、ムサビを支持する連合組織を設立したが、解散を強制された(「ガーディアン」6月23日付)。
 第二に、新たな労働組合運動の発展である。五月一日には独立的労働組合・労働団体がテヘランでメーデー集会を開催し、約二千人が集まった。警察の介入によって多くの参加者が負傷、逮捕された。この弾圧に抗議して国際労働組合総連合(ITUC)などの国際的労働団体が六月二十六日、イラン大使館への抗議行動を行った(「労働情報」6月15日号より)。
 第三に、詩人・画家で女性の権利を一貫して主張し続けているザフラ・ラフナバルド(ムサビ元首相の妻)、映画監督のモフセン・マクマルバフをはじめ広範な知識人・文化人や、在外イラン人の組織が国際的な連帯運動を組織している。アフマディネジャドは民主化要求を欧米諸国からの介入であると非難しようとしており、一方で欧米諸国の間ではイランへの介入・圧力が検討されている。これに対して彼ら・彼女らは、イランのことはイラン人自身が決定できるということを全世界に向けて宣言している。
 イランにおける民主化の闘争の拡大は、中東地域における非宗教的左派の再生のための重要な可能性をもたらすだろうし、イスラエル・シオニストやサウジアラビアをはじめとするアラブの反動諸国家にとって重大な脅威となるだろう。
 イランの民主化闘争に注目し、支援運動を組織しよう。(6月29日 小林秀史)

 

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