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http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=674
民兵組織バシジの隊員がデモ参加者に対し過剰な武力を行使したというイランからの報告を受け、また、治安部隊の中でも責任を問われることのないこの部隊がこれまで人権侵害を行ってきた過去に鑑み、アムネスティ・インターナショナルはイラン政府に対し、デモの取り締まりにこの民兵組織を使うことを直ちに止めるよう求める。 民兵組織バシジは、イスラム革命防衛隊(IRGC)の支配下にある男女の志願者で構成される準軍事組織である。学校、大学、政府および民間機関、工場そして部族内にもこの組織の隊員は存在している。バシジ部隊は、法と秩序の維持および反対意見の抑圧のために広く利用されており、行き過ぎた残虐行為によってしばしば非難されてきた。 最近デモに参加した者の多くが、民兵組織バシジの隊員と思われる私服で武装した者が、街頭デモの参加者に対し過剰な武力を行使したり、殴打や銃器の使用を含む人権侵害を行ったと訴えている。当局は、少なくとも8人が死亡した6月 15日のデモの際、バシジが使用している建物からバシジの隊員が発砲している姿を映したビデオをきっかけに、直ちに調査を行うべきであったし、さらなる犠牲者を増やさないための明確な指示も出されてしかるべきであった。また、ネダという若い女性がおそらく胸に負った傷のために亡くなる姿が映っている別のビデオは、バシジ隊員が関与しているという主張とともに広まっている。 イラン当局の反応は、死亡の状況を解明するために適切な調査を開始するというものではなく、抗議活動には、イスラム革命防衛隊、民兵組織バシジおよびその他の警官や治安部隊によって「革命的な方法」で対応するという警告を、さらに発することであった。 「イラン国民が選挙に関する最近の出来事に対し平和的に反対意見を唱えたいと思っても、そのような場所がない。なぜなら、そのようなことをすればこの国の最高権威者によって正当化された暴力を受けることになるからだ」と、アムネスティ・インターナショナル中東・北アフリカ部副部長ハッシバ・ハジ・サラウィは述べた。「今こそイラン当局は平和的な抗議を認め、街頭からバシジを排除すべきだ。デモの取り締まりは、警察あるいは適切な訓練を受け、きちんと能力を備えた別の治安部隊にまかせるべきだ」 イランの最高指導者であるアヤトラ・アリ・ハメネイ師が19日の演説で抗議活動を止めるよう求めたが、 20日にもテヘランおよび国中の都市や町でさらなる抗議デモが行われた。当局の発表では13人が死亡し、またその数をはるかに上回る負傷者がでた。イラン政府によると400人以上が逮捕された。また、テヘランで22日に約1000人が参加した抗議デモでは、催涙弾が使用され、逮捕者もでている。 「最近の警察発表では、デモ参加者への発砲を否定し、テヘラン検事総長は死亡者が出たのは『武装テロリスト』のせいだとしている。暴力の責任の所在を国家機関から切り離そうとしているように見える」と、ハッシバ・ハジ・サラウィは述べた。「そうであればなおのこと、バシジを使うのは止めるべきである。一般の人びとはバシジであると特定することさえできないのに、違反行為に対する責任など問えるわけがないからだ。イラン当局がそのような民兵組織を管理できないのであれば、そのような民兵組織は解体されるべきである。武器を与えておいて、その武器が悪用された途端に責任を放棄するのは無責任極まりない」 アムネスティ・インターナショナルは、イラン政府に対し、すべての死亡の報告に関して超法規的処刑の可能性も含め徹底的な調査を行い、関与した者を法に基づいて裁くことを求める。 アムネスティ発表国際ニュース |