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昨日の朝、ノ・ムヒョン前大統領が自殺した。自宅近くの30メートルの裏山に登って、岩の上から身を投げたという。当初は「滑落死」と伝えられたが、身辺に不正資金疑惑問題が起きて、捜査が迫ったことが、前大統領を追いつめたとのことだが、非業の死を遂げたことに心から哀悼の意を示したい。
私は2003年、まもなく大統領に就任しようというノ・ムヒョン氏に社民党訪韓団として土井たか子前党首とともにお会いしたことがある。キム・デジュン政権からバトンタッチをする前のノ・ムヒョン氏は颯爽としていて、その目は輝いていた。彼が大統領選挙に勝利したこと自体が大きなドラマだったし、既存の政党政治家と結びついた韓国大手新聞が形成してきた旧体制に対して、インターネットやメールというツールを駆使した若者たちの勝利だった。当時のノ・ムヒョン氏は韓国政治のアウトサイドから急激な浮力を得て躍り出た革命児だった。
しかし、大統領に就任してからはイバラの道だった。財閥と結んだ旧体制の政治腐敗に対抗するように「ブタの貯金箱」に象徴される市民カンパの寄付金支援と呼ばれた選挙資金にも疑惑が生じて捜査が入り、ノ・ムヒョン大統領を支援した大物政治家が逮捕された。
また、ノ・ムヒョンは歴代政権の「最高の権力道具」と呼ばれていた検察改革を政治主導で進めようとした。若手女性弁護士を法務大臣に起用し、検事総長が辞任するなど確執を生んだ。また大手メディアとの対立も続いた。しかし、ノ・ムヒョンの奇跡を押し出した三八世代と呼ばれる民主化運動を担った世代や若者たち、日本以上に非正規労働者が拡がった韓国社会の大衆が離反していったことが、ノ・ムヒョン大統領の力を削いでいった。
韓国と日本は離れているが、政治構造はまるで違う。大統領選挙のたびに政党再編がおこり、政治の中枢で活躍している議員だからといって再選されることが確実というわけではない。2001年から2002年にかけて、何度か訪韓して「死刑廃止」をテーマにした日韓シンポジウムなたどを開催してきたが、当時の日本側の議員はほとんど今も議員だが、韓国のメンバーは大きく変わってしまった。韓国政治では「三選議員」(当選3回)とは激戦を勝ち抜いてきたことを示す言葉だと聞いた。ちなみに大家族制度と血縁社会が今回のノ・ムヒョンの悲劇の背景にあると言うが、世襲議員はわずか数人しかいない。
韓国では労働争議や学生運動が激化し、現政権も難しい舵取りを迫られている。今回のノ・ムヒョン前大統領の死が投げかけたのは、韓国社会の「改革の行方」だろう。「韓国政治がすぐに影響を受けない」と書いている日本の新聞との予測と違って、かつてノ・ムヒョンと大統領選挙で書いた人たちが、昨日の悲報を受け止めてどのように動くのか。新しい価値、新しい政治意識が出口を求めて地下水脈で動きだすのではないかと私は感じている。
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/eba64e5e0a75fffb9fb1fb752108c841
盧武鉉政権とは何だったのか?という総括が必要だろう。
マル激もそのうちテーマにするべきだ。
日本では左派政権扱いされているが、実際にやったことは、
「ギデンズの著書を部下に配布するほどの市場原理主義&機会平等」の立場。
それどころか「FTA賛成」「イラク派兵賛成」といったネオリベ的な政策も多い。
このため、民主労働党からは「日本の自民党と同じ」と批判される始末だ。
また、反日政権だったとも言われるが、歴代の政権と比較すると極めて「穏当」だった。
事実、日本文化の完全開放が始まった時期でもある。親日の側面も強かった。
どうやら功罪あると言えそうだ、しかし日本以上のグローバル化には打つ手が無かった。
その遠因はアメリカが間接的に引き起こした「アジア通貨危機」だろう。
それと、鳩山民主党はこの盧武鉉政権と似たような政策パッケージであるという現実がある。同じミスを犯すんじゃないかと心配だ。