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二度目の核実験に突き進む北朝鮮 - 辺真一の「コリア・レポート」
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投稿者 児童小説 日時 2009 年 4 月 27 日 03:32:19: nh40l4DMIETCQ
 

二度目の核実験に突き進む北朝鮮 (辺真一の「コリア・レポート」)

国連安保理議長声明への北朝鮮の反発は、大方の予想を上回る速さで、収まる気配がありません。

 「北朝鮮の発射」を非難する安保理議長声明が4月14日に採択されるや間髪を入れず、北朝鮮は6か国協議からの脱退と核開発の再開を宣言しました。2日後の16日には早くも国際原子力機関(IAEA)の監視チームに核施設の封印と監視カメラを撤去させたうえで国外退去させ、同時に核無能力化作業を監督していた米国の専門家らも寧辺から追放しました。

 濃縮ウラン疑惑が浮上したブッシュ政権下の2002年の時も、同様のことがありましたが、それでも一気にではなく、監視カメラ撤去まで10日間、IAEA職員の追放まで15日間かけて順次行ないました。また、昨年もテロ支援国指定を解除しないことに苛立ち、一時期核施設の無能力作業を中断させたことがありましたが、それでも封印と監視カメラの撤去及び3人のIAEA監視要員の追放までに1ヶ月近く間を置きました。過去のケースと比べようもないほど今回の北朝鮮の行動は迅速で、尋常ではありません。

 極め付きは、「使用済み核燃料棒の再処理を開始した」と25日に発表したことです。北朝鮮が現在保有している8千本の使用済み燃料棒を再処理するには再処理施設を修復しなければなりません。無能力化の段階にあった再処理施設の修復には1〜2ヶ月、そして貯蔵プールに保管されてある使用済み燃料棒を取り出し、再処理するまでには3ヶ月間は要すると見られていました。従って、「核開発再開宣言」から僅か10日後の再処理着手には「本当だろうか?」との疑問の声がIAEAなど関係者の間で上がっていますが、いずれにせよ仮に8千本の使用済み燃料棒が完全に再処理されるようなことになれば、北朝鮮は秋までに新たに核爆弾5個分のプルトニウム25〜30kgを手にすることとなります。

 ウォルター・シャープ駐韓米軍司令官は4月22日、韓国商工会議所での講演で「北朝鮮は少なくとも核兵器を6個製造できるプルトニウムをすでに保有している」と言っていました。また、オバマ大統領は昨年7月23日、大統領選挙遊説で北朝鮮は「核兵器を8個持っている」と公言していました。

 北朝鮮がプルトニウムとして保有しているのか、あるいはすでに核爆弾化させたのか、正確なことは米国にもわからないようです。また、保有数についても駐韓米軍司令官と最高司令官の見解は分かれています。しかし、プルトニウムにせよ、核爆弾にせよ、北朝鮮が新たに再処理して、プルトニウムを抽出すれば、二桁にのることだけは間違いありません。さらに北朝鮮には未使用の燃料棒が貯蔵所に1万5千本程度保管されたままにあります。破壊された冷却塔など原子炉の施設が復旧されれば、来年にはさらに10個分の量のプルトニウムが追加されることになります。

 北朝鮮外務省の「再処理開始宣言」は安保理議長声明の勧告により国連制裁委員会が北朝鮮企業3社を制裁対象に指定した直後に出されています。制裁に対する「対抗カード」として北朝鮮が予め用意していたことは明白です。前日の23日に韓国の柳明桓外相が「北朝鮮が再処理すれば、非核化への公約を全面的に違反することになる。国連安保理決議1718号をより厳格に執行しなければならなくなる」と北朝鮮に警告していましたが、北朝鮮は全く意に介していませんでした。

 北朝鮮の相次ぐ強硬姿勢には韓国のみならず、友好国の中国もロシアも完全にお手上げのようです。北朝鮮の説得に失敗したロシアのラブロフ外相は「北朝鮮はまるで孤立した要塞のようだ」と、北朝鮮の印象を語っていましたが、中国やロシアが北朝鮮の傍若無人な態度にあっけに取られるのも無理ありません。

 今回は、3年前とは違い、中国とロシアの両国は日米主導による決議を阻止しました。拘束力のない議長声明に格下げさせました。国連制裁委員会による資産凍結指定企業も日米が提出していた11〜14企業から大幅にカットし、日米両国がすでに制裁を実施している「朝鮮鉱業開発貿易会社」(弾道ミサイル関連装置輸出)、「朝鮮嶺峰(リョンボン)総合会社」(武器輸出)、「端川(タンチョン)商業銀行」(弾道ミサイルや通常兵器の取引決済)の3企業だけに限定させました。日本が強く求めていた金正日総書記ら党幹部の専属病院「烽火病院」も対象リストから除外させました。

 また、制裁対象企業についても国連加盟国には制裁実施が義務付けられていますが、履行しなくても罰則はありません。制裁するかどうかは各国の自主的な判断に任されています。強制力と罰則が伴わない限り、制裁効果は期待できません。従って、北朝鮮にとっては大きな痛手とはならないと、中国もロシアも判断したから同調したわけです。

 また、核問題解決のため6か国協議を優先する立場の米国も早くから「ミサイルと核問題は別問題」として6か国協議とは別個に北朝鮮との対話にも応じる意向を表明していました。クリントン米国務長官自身はミサイル問題についても北朝鮮と交渉する用意があることを強調していました。韓国も米国と同じスタンスで、安保理議長声明を一区切りに北朝鮮との対話再開に乗り出す意向を表明していました。しかし、どの国も6か国協議のボイコット宣言ぐらいは想定していたとしても、北朝鮮がIAEAの職員追放から再処理再開へと矢継ぎ早に事態をエスカレートさせるとは予期していなかったようです。

 中国に続きロシアまでもが「衛星打ち上げをもっとも多く行った国が常任理事国として居座っている国連安保理が、国際法の手続きを経て正々堂々と行ったわれわれの平和的衛星打ち上げを上程、論議したこと自体、わが人民に対する耐えがたい冒とくであり、永遠に許しがたい犯罪行為である」(外務省声明)と怒り心頭の北朝鮮を宥めることに手を焼いている以上、米国が直接乗り出すほかはありません。6か国の関係国とも米国の対応を注目しています。

 その米国ですが、北朝鮮の再処理着手の報道にクリントン米国務長官は「北朝鮮の脅しにはのらない」と、断固たる対応を取ると言っています。北朝鮮の暴走を阻止するため、中国、ロシア、日本、韓国やその他の同盟国と連携して、制裁をさらに強化する意向を明らかにしています。

 但し、中国とロシアが制裁の強化に反対している以上、制裁は日米中心となります。問題は米国が日本と同様に単独の制裁に踏み切るか、あるいは逆に米朝対話に乗り出すのか、これが、今後の焦点となりそうです。一昨年までマカオの銀行に対して行なっていた北朝鮮金融制裁や一旦解除したテロ支援国指定を復活させるかどうかで米国の「真剣度」を測り知ることができます。

 仮にオバマ政権が再処理開始報道に反発し、制裁、圧力を強化すれば、「強硬には超強硬で」対処すると言っている以上、北朝鮮の次のカードは、おそらく核実験でしょう。それも当初の予定を1ヶ月早め、朝鮮戦争勃発日の6月25日に向けて再度強行すかもしれません。

http://www.the-journal.jp/contents/pyon/2009/04/post_171.html  

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