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2009/4/13 10:00
http://netallica.yahoo.co.jp/news/73889
●中国から流れる禁輸品は倍増
日本外交のメンツ丸潰れで将軍様は高笑いだ。北朝鮮の弾道ミサイル発射に対し、日本が国連安保理に求めていた制裁決議案がグズグズになっている。麻生首相は鼻息を荒くしていたが、中国・ロシアの反発で、結局、何ら法的拘束力のない「議長声明」になる見通しになった。
もっとも、仮に国連決議が採択されたとしても、効果はゼロだ。国際政治学者の浜田和幸氏がこう言う。
「決議採択される可能性はほぼありませんが、仮に採択されても、中国をはじめ欧州などが陰で北朝鮮を支援するため、何ら効果はありません」
国連安保理は06年に核実験を行った北朝鮮に対する制裁決議を採択したが、中国、ロシアの要求で軍事的措置が除外された上、経済制裁でも韓国が早々に支援続行を打ち出し、包囲網から外れてしまった。
「当時は、禁輸品目として、高級自動車や高級酒、時計や毛皮などが盛り込まれました。ところが、中国から北朝鮮に対する禁輸品の輸出は減るどころか、06年の約50億円から07年は2倍以上の120億円に増えた。制裁は名ばかりでした」(北朝鮮ウオッチャー)
韓国から人道支援名目で渡ったカネも過去10年間で総額3000億円以上と推定されている。安保理の北朝鮮制裁委員会は事実上、休眠状態だ。
「そもそも各国は今、制裁どころか北朝鮮と経済交流を深めようとしている。米国にしても、金融危機で北朝鮮の安い労働力が必要になり、例えばアニメの制作を発注しています。鉱物資源の視察団は何度も平壌を訪れているし、英国もミネラルウオーターを現地生産し、米国に販売しています。対北朝鮮の外交手段が6カ国協議しかない日本が『制裁』と叫んで国益を主張しても、残りの200近くある国々には全く届かないのです」(浜田和幸氏=前出)
騒いでいるのは日本だけだ。
(日刊ゲンダイ2009年4月10日掲載)
2009/4/13 10:00 更新