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【ニュース分析】韓国の左派、本当に進歩的か(1) | Japanese JoongAngIlbo | 中央日報
進歩・正義・民主。
誰も拒否しがたい「良い」概念の諸単語だ。これに反対すれば退歩(または守旧)・不正・反民主となる。
しかし疑問が生じる。こうした良い言葉を使っている団体と諸組織が、本当に正義にのっとり、進歩的かつ民主的だろうか。これに対し、保守右派の論客のひとり、ソウル大・朴孝鍾教授(パク・ヒョジョン、62)が異義を申し立てた。
同氏は2日午後、ソウル明洞(ミョンドン)の銀行会館国際会議場で「正名討論会」という、やや聞き慣れないタイトルのセミナーで、基調提案を行った。「正しい名前」を求め、同氏は尋ねる。「進歩左派というが、韓国の左派が本当に進歩だということなのか」。朴教授が考えるには、左派勢力は巧妙な「言語ゲーム」(language game)をしている。
誰も否認できない抽象的かつ高貴な価値を持つ民主、正義などと言った諸単語を掲げ、反対の陣営を「非民主・不正義」に追い込んでいるということだ。その上、朴教授はこれまで聖域とされてきた「天主教(カトリック教)正義具現全国司祭団」にも公開的に触れた。
昨年4月、正義具現司祭団は「李明博(イ・ミョンバク)政権の大運河事業を、信仰の名で断罪する」という声明を出した。朴教授はこれを代表的な事例に挙げた。「正義具現司祭団は正義を具現するというタイトルとは異なって、偏狭な見解から政治的な争点を見ており“大義”と“絶対善”を独占したかのように、政府の特定政策を“信仰の名”で裁断している」ということだ。
続いて「こうした態度は“信仰”という偉大なる名前を侮辱する“神聖冒涜”の行為だ」と批判した。朴教授の指摘は軽くない。同氏自身がカトリック大神学部を卒業しており、助祭に叙任せられた“カトリック寄りの人物”だ。同氏の実兄はカトリック教の神父だという。
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=113491&servcode=200%C2%A7code=200
【ニュース分析】韓国の左派、本当に進歩的か(2) | Japanese JoongAngIlbo | 中央日報
朴教授はまた「“正しい教育”という用語についても同じことが言える。全国教職員労働組合を非難する人は“偽りの教育”を叫ぶ人のように見なされる」と述べた。
こうした方法の「単語独占」が多い。最も誤用される単語は進歩だ。事実上、進歩という単語は左派か右派かというイデオロギーとはそれほと関係がない。旧ソ連では旧体制を守ろうとする共産主義者が「保守」だった。また、共産主義の解体と市場経済を掲げた人々が「進歩勢力」だった。
よって、進歩右派、保守左派と呼ぶことは不可能でない。しかし韓国では「進歩=左派、保守=右派」という概念が、それほどの異議なしに通用されてきた。朴教授は「北朝鮮寄りの左派のように進歩しない勢力、世界史的な流れに逆行し、文明史的な価値に鈍感な勢力を“進歩”と呼ぶのは、韓国が全力を尽くして守ってきた価値を侮辱することになる」とした上で「韓国社会の理念の地形を“進歩−保守”ではなく“左派−右派”と呼ぶべきだ」と提案する。
それが「政治的な正しさ」(political correctness)だということだ。ここ10年間、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)両政権時代に、いわゆる「進歩陣営」は名分と権力を同時に握っていた。李明博(イ・ミョンバク)政権の登場と共に権力は移動した。それなら「保守陣営」は権力ばかり欲しがった勢力だっただろうか。
朴教授の主張は、右派の「正当性」、保守陣営の「名分」をそれぞれ積むためのものと考えられる。左派陣営の「高尚な名前の独り占め」に対抗し、右派勢力が宣布した「言葉の戦争」である。同氏の問題提起を学界と有識者グループがどう受けとめるだろうか。
進歩陣営の学者、聖公会(ソンゴンフェ)大・゙喜ヨン(チョ・ヒヨン)教授は「保守−進歩の図式が多角化、再構成されるべきだという意見には同意する」とし「しかし左派−右派の図式だけでは、理念的な地形が豊かになるより、より狭くなる恐れがある」という意見だ。朴教授の主張が「“左翼”を包囲するもの」という理念攻防から脱却し、韓国社会の狭い理念の地形を豊かに堂々とさせるターニングポイントになるかどうかが注目される。
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=113492&servcode=200%C2%A7code=200