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進歩勢力がまた政権を取れるだろうか。たぶん取れるだろう。それならいつごろか。それはわからない。事実、直接選挙制が復活した1987年以降、大統領選挙まで4年ほど残した時点で、「彼になる」と予見できた大統領はいなかった。87年に大統領になった盧泰愚(ノ・テウ)氏は83年ごろには4年後に自分が直接選挙で大統領になるとは想像もできなかっただろう。92年に当選した金泳三(キム・ヨンサム)氏も4年前にはみすぼらしい(?)第二野党の総裁だっただけだ。97年の金大中(キム・デジュン)氏ははるかに驚かされるが、93年の彼は政界引退状態だった。2002年の神話の主役だった盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏は98年に鍾路(チョンノ)での補欠選挙を通じ10年ぶりにようやく国会に復帰していた。2007年に大統領に当選した現職の李明博(イ・ミョンバク)大統領は2003年には大統領への夢をあたためられるソウル市長の座にあったが、それでも当時は勝算が高かった状況ではなかった。ゆえに2012年にだれが大統領になるのかだれにわかるだろうか。
「だれか」を当てるのは難しいが、「陣営」を当てるのはやさしい。現在の政党支持率を見れば、進歩陣営(アイデンティティが曖昧な民主党を含めるとしても)は20%前後だ。保守陣営(自由先進党と親朴連帯を除いても)は35%前後だ。概ね2007年の大統領選の進歩候補の鄭東泳(チョン・ドンヨン)・文国現(ムン・グクヒョン)・権永吉(クォン・ヨンギル)の3氏が得票した36%と、保守候補の李明博・李会昌(イ・フェチャン)の2氏が得票した64%の構図がほぼそのまま維持されていることになる。しかし支持率を冷静に確かめると、保守陣営はやや強くなり、進歩陣営はやや弱くなった。驚くことではないだろうか。この1年間に李明博政権とハンナラ党が無能力で無気力だと進歩・保守の両陣営からあれほど叩かれたのにこうした結果が出るものだろうか。
これには秘密(?)がひとつ隠れている。政党支持率は実は政党に対する支持率ではない。それはその政党が属する「陣営」に対する支持率だ。実際に李明博大統領とハンナラ党はこの1年間に大変なことになっている。それにもかかわらず高い支持率を維持するのは保守陣営を代表するストライカーである企業がめざましい活躍を見せているためだ。米国を象徴する世界最大の自動車メーカー、ゼネラルモーターズ(GM)が破産直前であるのに現代(ヒョンデ)自動車は米国で躍進している。三星(サムスン)とLGは半導体と電子で世界最高の企業に成長した。モトローラとソニーを早くから押さえノキアを射程圏内に入れている。造船業も同様だ。海外に出れば大韓民国の自負心をだれが引き上げているのかはっきりと見えるのではないか。
97年に金大中氏、2002年に盧武鉉氏が大統領になれたのも進歩陣営が政治をしっかりとやったからではなく、「市民団体」が国民の信頼を受けていたためだ。当時も政界は「議員貸し」をするなど情けなかったが、進歩陣営もなにか見せるものがあった。それではいまはどうだろうか。市民団体、全国教職員労働組合、全国民主労働組合総連盟など進歩を象徴する団体に対する信頼は深刻に傷つけられている。路線の硬直性を置いておくにしても、道徳性の崩壊、既得権の維持、斬新さの欠如などが進歩陣営に対する深刻な打撃を与えた。しかしこれが決定的なものではない。進歩陣営の戦略的敗因は「反企業イメージ」だ。なぜ進歩陣営は世界的大企業をそっくり保守陣営の遊軍として献納しているのか。いくら進歩政党といえど企業を敵に回して執権する方法は先進国の事例を見ても事実上ない。企業は政治勢力と違い進歩陣営とも妥協しようとするはずなのになぜ進歩陣営は賢い戦略を出せないのだろうか。
経済学者のハイエクは、「私はなぜ保守主義者ではないのか」という著作で、「歴史的に保守主義者は一度も対案を出したことがない。彼らはただ時間ばかり遅らせるだけだ」と痛烈に批判した。しかし驚くことにこの言葉は彼がいまの韓国の進歩陣営に投げかけている言葉のように聞こえないだろうか。自由主義者だったハイエクは実際に保守主義者と進歩主義者の争いはただ速度にだけ影響を及ぼしているだけだとこき下ろした。
世界最高の売上とブランド価値を持っているスポーツチームは朴智星(パク・チソン)が所属するマンチェスター・ユナイテッド(マンU)だ。マンUは世界最高のクラブらしく世界最高の企業が公式後援企業になっている。マンUと双璧をなすクラブのチェルシーの世界的スターは「SAMSUNG」を胸につけて活躍している。またフラムの選手も胸にLGのマークをつけて走っている。大韓民国の多くの若者が夜遅くまでプレミアリーグを見ながらどう考えるだろうか。
進歩が保守に勝とうとするならば、おそらくすべきことが20はあるだろう。残りはわからないが、ひとつは確実だ。「反企業」のイメージを捨てることだ。
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=112518&servcode=100§code=120