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http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=571
アムネスティ・インターナショナルは本日、イスラエル兵士、パレスチナ戦士がともにパレスチナの民間人を人間の盾として利用するなどして、彼らの命を危険にさらしていると語った。 「ガザでの我々の情報源は、イスラエル兵士が多くのパレスチナ人住宅に侵入・占拠し、家族を1階に押し込め、自らは家屋の残りの部分を軍事拠点や狙撃位置として使用していると報告している。このことは、そのパレスチナ人家族の危険度を明らかに増大させ、彼らが事実上、人間の盾として利用されていることを意味する」とアムネスティ中東・北アフリカ部のマルコム・スマートは述べた。 イスラエル兵士とパレスチナ人の射撃手は民間人の住宅に近接した場所から互いを銃撃しており、住民たちを危険にさらしている。 イスラエル軍は、民間人の家屋やその他の建物がイスラエル側の標的に向けて銃撃する(パレスチナ人)射撃手の隠れ場所として使用されていると主張し、それらを爆撃している。しかし、パレスチナ戦士は大抵の場合、銃撃後すぐにその場所から立ち退いている。 「銃撃後、パレスチナ射撃手は大抵その場所を離れ、これら家屋への報復攻撃はほとんどの場合、射撃手ではなく民間人を傷つけることを、イスラエル軍はよく知っている」 「両者の戦闘員はともに民間人がいる地区から攻撃をしかけてはならない。射撃するために民間人の家屋もしくは建物の背後に隠れる場合、その建物と民間人は正当な軍事目標とはならない。そのようないかなる攻撃も違法である」とマルコム・スマートは強調した。 「人口が密集した居住地域の真っ只中に位置する通りで武力衝突が起きた際にこうした戦術を採ることは、武力紛争下において保護されている民間人の地位を両者が尊重していない事実を際立たせている。このことはまた、戦争犯罪の可能性を含む人権侵害の申し立てに対して独立した調査を行ない、加害者に責任を取らせる緊急の必要性を明確に示している」とマルコム・スマートは述べた。 背景: 過去、イスラエル兵士はしばしばパレスチナ人家屋を奪い、事実上住人を閉じ込め、軍事偵察や射撃場所のために利用してきた。また、イスラエル兵士がパレスチナ民間人を銃で脅して彼らを前に歩かせ、自らが攻撃を受けるおそれのある位置から建物に押し込むこともあった。 パレスチナの民間人の住宅を奪い、住人を人間の盾として留め置き、家屋を射撃位置として利用するというイスラエル兵士のやり方は、ガザ地区と西岸地区において過去8年間、非常にありふれたものとなった。2008年3月のガザ地区への前回の侵攻では、イスラエル兵士は北部の少なくとも3軒の家屋を接収し、 2008年2月には西岸地区のヘブロンに近いベイト・ウマール村でまた別の家屋を接収していた。 ガザ地区での現在の戦闘に巻き込まれているパレスチナ人家族によると、パレスチナ人射撃手がいることに地域住民が反対した場合は、イスラエル軍に発砲することなしに、住宅の近くの場所から退去することに同意したケースがいくつかあるという。住民からの要請を拒んで、射撃した後に去った場合もある。恐怖のあまり射撃手に立ち去るよう願い出ることもできなかったと語った住民もいる。 紛争下での「人間の盾」の利用は、ジュネーブ諸条約の第51条第7項で次のように禁止されている。「文民たる住民もしくは個々の民間人の所在または移動は、特定の地点または区域が軍事行動から免れるため、特に、軍事目標を攻撃から掩護しまたは軍事行動を掩護し、有利にし、もしくは妨げるために利用してはならない」 アムネスティ発表国際ニュース |