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安保理がガザ停戦決議、イスラエルに撤退言及…米は棄権
パレスチナ情勢
【ニューヨーク=白川義和】国連安全保障理事会は8日、パレスチナ自治区ガザ紛争で「即時かつ持続可能な停戦」を求め、イスラエル軍のガザ全面撤退にも言及した決議案を賛成14、棄権1(米国)で採択した。
イスラエルによる先月27日のガザ空爆開始から間もなく2週間となるのを前に、停戦に向けた動きがようやく本格化し始めた。
ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスが停戦に応じるかどうかや、イスラエル軍のガザ撤退時期は不透明。停戦監視の枠組み作りやハマスへの武器流入阻止も、持続可能な停戦の課題として残っている。エジプトの調停によるイスラエル、パレスチナ自治政府、ハマスの当事者協議などでこうした措置の具体化で合意できるかどうかが今後の焦点となる。
ライス米国務長官は採択後の演説で、米国は決議の趣旨や目的には賛同するとしたうえで、「エジプトによる調停の結果を見てから判断したかったため、棄権した」と述べた。
決議はガザでの戦闘エスカレートと市民の犠牲に「深刻な懸念」を表明し、事態の緊急性を強調しながら、即時かつ持続可能な停戦を要請。停戦は「イスラエル軍のガザからの全面撤退につながる」としている。ハマスによるイスラエルへのロケット弾攻撃には言及していない。
また、ガザ全域に食料や燃料、医薬品など人道支援物資が障害なく供給、配布されるよう要請。各国にガザへの国際人道救援活動を支援するよう求めている。
さらに、ハマスなどへの武器密輸遮断を念頭に「不法な武器・弾薬の取引防止」と、ガザの人道状況改善のための検問所開放維持に向けた取り組み強化を要請。これらの具体化を目指すエジプトなどの調停を歓迎している。
米英仏は法的拘束力のない安保理議長声明を推していたが、アラブ連盟諸国は、米国が拒否権を行使してもアラブ側の決議案を採決に持ち込もうとした。このため、英国がアラブ側の主張も盛り込んだ決議案を改めて作成。米英仏とアラブ側の外相による修正協議の末、合意に達した。
(2009年1月9日12時00分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090109-OYT1T00356.htm?from=main2