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英・ロンドンのトラファルガー広場傍の通りで、1万2,000人ほどの反戦行進参加者が靴を投げてイスラエルのガザ攻撃に抗議
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/middleeast/israel/4093219/Thousands-throw-shoes-at-Downing-Street-in-protest-against-Israeli-action-in-Gaza.html
ガザの大虐殺
2009/01/05
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2009/01/post-442d.html
2008年12月27日から始まったイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの攻撃は、人口密集地への空爆から地上軍による侵攻へとエスカレートし、現在もイスラエル軍とハマスとの間で交戦が続いている。1月4日までの時点で、イスラエル側は5人が死亡し9人が負傷、一方パレスチナ側は少なくとも454人が死亡し、負傷者は2,300人以上と報道されている。(source:英ガーディアンの特集図解記事)
イスラエル側は「人道に配慮した攻撃」と繰り返しPRしているが、国連の発表によれば1日の時点で少なくとも34人の子供が爆撃で死亡しており、現在も女性や子供を含む多数の武器を持たぬ一般市民が殺害されているのは現地からのリアルタイム報道を見れば明らかである。
2008年12月18日、少なくとも形式上は6ヶ月間続いていたイスラエルとの暫定停戦合意を破棄すると宣言したハマスは(途中11月にイスラエル軍がガザ地区を攻撃し、ハマス側もロケット攻撃で報復)、イスラエル領内へ80発ほどのロケットを発射し、攻撃を再開した。イスラエル側にこの攻撃による人的被害はなかったが、その後続くハマス側による散発的なロケット攻撃は、結果としてイスラエル政府に(あらかじめ周到に計画された)大規模な軍事侵攻への口実を与えることになった。
選挙のための戦争?
イスラエル側は今回の攻撃について、ガザを統治するハマスによるイスラエル領内へのロケット攻撃を阻止するためと主張している。しかし実際には、2月10日に選挙を控えたイスラエル次期首相候補者たちの政治的思惑が、ガザ攻撃の真の動機であるらしい。
報道によれば、今回の攻撃はオルメルト首相、バラク国防相、リヴニ外相の3人が中心となって実行されたという。3人のうち、バラク国防相は労働党、リヴニ外相はカディマ党の次期首相候補者。イスラエルのタカ派、リクード党の首相候補ネタニヤフの支持率が上昇している中で、バラク国防相とリヴニ外相はいずれも次期首相の座をかけて戦時に強いリーダーシップをアピールする必要があった。また、オルメルト首相は2006年のレバノン侵攻作戦失敗と汚職スキャンダルの汚名返上を狙って、今回の攻撃を決定したとみられている。
実際、イスラエル・ハーレツ紙の最新世論調査によれば、イスラエル国民の71%がガザ地区への空爆を支持しており、アメリカ同様、イスラエルでは政府の支持率回復に戦争が有効であることがわかる。もっとも、イスラエルのエルサレム・ポスト紙が行った最新世論調査では、ガザ攻撃によってリクード党、労働党は支持率が上昇し、カディマ党は支持を落としている。
世界各国が停戦呼びかけ、しかし次期“変革”大統領は事態に沈黙(無策?)
今回のイスラエルによるガザへの大規模軍事侵攻について、欧州連合(EU)はイスラエルとパレスチナ双方に戦闘行為の即時停止を求め調停に乗り出している。また、フランスのサルコジ大統領もいち早く停戦を呼びかけ、調停に乗り出すべく中東歴訪をまもなく開始する。中国外務省も軍事行動の即時中止を呼びかけ、胡錦濤国家主席は4日にブッシュ米大統領と電話で会談し、武力衝突の中止と紛争解決の必要性を伝えたという。またロシア外務省のネステレンコ局長も停戦を呼びかける声明を発表し、イスラエルによるガザ封鎖を中止し、人道的危機を防ぐ緊急措置が必要だと指摘している。
緊急招集された国連安全保障理事会では、リビア提案の即時停戦を求める議長声明案が協議され、日本を含むほとんどの国が大筋で賛同したが、米国の反対で合意に至らなかった。
そのアメリカ合衆国では、イスラエルによる空爆が開始されると、いち早く米国下院議長ナンシー・ペロシ(民主党)が「米国は友好的民主国家(イスラエル)を力強く支えるべきだ」と主張し、親イスラエル姿勢を強調。任期終了まで1ヶ月を切ったブッシュ米大統領も「ガザ情勢の悪化を招いた責任はハマスにある」と非難し、停戦を求めるどころか、大統領としての最後の休暇を中断するつもりもないことをアピールしてみせた。
昨年度ノーベル平和賞を受賞したマルッティ・アハティサーリ前フィンランド大統領は、その記念講演でオバマ次期米大統領に対し、中東和平の実現を就任1年目の最優先課題に据えるよう求めていた。ところがそのオバマ次期大統領は、ガザ地区で進行する重大な人道的危機に関して、1月20日の大統領正式就任まではノーコメントにすると宣言。ブッシュ同様、オバマもハワイでの休暇を中断したくないらしく、ただ側近を通じて「合衆国大統領は一時に一人であり、現在はジョージ・ブッシュが大統領である」と説明させ、暗にブッシュ大統領を支持する姿勢を示している。
しかし、“正式就任まではノーコメント”のはずのバラク・オバマ次期大統領は、他方で国内経済回復政策については早々と演説等で自らの政策についてアピールしており、不安視されていた外交政策分野で早くも消極姿勢をさらけ出すことになった。
今回のイスラエルの軍事行動に関して、米国内の世論は真っ二つに分かれている。最新世論調査によれば、イスラエルの攻撃に関して米国民の44%が賛同する一方、41%が外交的解決を支持。支持政党別で見ると、共和党支持層の62%はイスラエルの攻撃に賛同しているが、民主党支持層ではその率は31%に下がり、逆に民主党支持層の55%は、まず外交的解決の道を探るべきと回答している。オバマ次期大統領が「ノーコメント」姿勢を見せたことで、民主党支持層では、正式就任前からオバマ政権に対する失望感が拡大する可能性が高い。折しも、オバマが商務省長官に指名したニューメキシコ州知事ビル・リチャードソンが、支持者の企業の公共事業受注で便宜を図ったとの疑惑をもたれ、オバマ政権入りを辞退したばかり。同様の便宜供与疑惑は次期国務長官ヒラリー・クリントンにも囁かれており、ホワイトハウス入り前からオバマ“変革”政権には暗雲が立ちこめ始めている。
なお、昨年9月に米議会は7,700万ドル分のボーイング社製高性能爆弾をイスラエルに販売する件を承認しており、今回のイスラエル軍によるガザ地区爆撃にはそれら米国製品が大量消費されたと見られている。中東紛争が長引けばそうした兵器の需要も伸びるので、オバマ政権が最優先に掲げる米国内景気の活性化に、(微少ながら)一役買うことになるのだろう。