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1月4日20時36分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090104-00000045-mai-int
【エルサレム福島良典、前田英司】イスラエル軍は3日夜(日本時間4日未明)、イスラム原理主義組織ハマスが支配するパレスチナ自治区ガザ地区に地上侵攻し、ハマス戦闘員と交戦した。先月27日に空爆が始まったイスラエル軍のガザへの軍事作戦は新たな段階に入り、市民死傷者の増加と、イスラエルとハマスの「報復の連鎖」激化は避けられない情勢だ。
侵攻は05年9月にガザからイスラエル軍が撤退して以来、最大規模。侵攻したのはガザとの境界に集結していた戦車・歩兵・砲兵部隊など数千人で、軍報道官によると、作戦はハマス軍事部門の解体を目的にしている。
イスラエル放送などによると、軍はハマスのロケット弾発射拠点のあるガザ地区最北部、主要都市ガザ市東郊、ガザ地区南部の3方面から侵攻し、地区を分断。ガザ市近郊など地区北部で激しい戦闘が展開された。AP通信によると、地上侵攻開始後、市民20人を含むパレスチナ人23人が死亡。イスラエル軍は同軍兵士30人が交戦で負傷したと発表した。
侵攻に先立ち、イスラエル軍はガザに地上から砲撃を加え、イスラエルの民間テレビ・チャンネル10は不発弾による民間人被害が甚大なクラスター爆弾が使用されたと伝えた。ガザへの空爆、海上からの砲撃も続いた。
オルメルト・イスラエル首相の報道官は「ガザを再占領したくはない。作戦は自衛目的」と強調した。だが、イスラエル軍は招集予備役を増強しており、バラク国防相は「必要なだけ軍事行動を拡大、強化する。作戦は短期でも、たやすくもない」と作戦長期化の可能性も示唆した。
サルコジ仏大統領が5日から中東訪問を予定するなど、早期停戦を目指す国際社会の仲介が本格化する矢先だった。地上侵攻で、イスラエルとハマスに停戦を求める国際圧力が高まるのは必至だ。
イスラエル紙ハーレツによると、イスラエルは半年前からガザ攻撃の準備に着手。先月27日から9日連続の空爆でロケット弾発射拠点、武器密輸トンネルなどを破壊し、ハマス幹部らを殺害した。ロイター通信によると、空爆開始以来のパレスチナ人死者は市民を含め453人に達した。
イスラエル軍はレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラがロケット弾を撃ち込む事態に備え、イスラエル北部の警戒を強化している。