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http://www.asahi.com/international/update/1229/TKY200812290199.html
【北京=峯村健司】中国軍が09年から、初の国産空母建造を上海で始め、2015年までに5万〜6万トン級の中型艦2隻の完成を目指す。複数の軍や造船会社の関係者が明らかにした。また、遼寧省の大連港に係留されている旧ソ連軍の空母ワリャーク(6万トン級)が近く改修を終えて訓練用に就航する見通しで、艦載機パイロットの養成も始まっている。
最近、黄雪平・中国国防省報道官が建造に前向きな発言をしており、各国の関心が集まっていたが、計画の全容が明らかになるのは初めて。空母の配備で中国海軍の洋上戦闘能力が高まれば、東アジアの軍事バランスに大きな影響を与えるとみられる。
中国軍は08年秋までに「大航空母艦計画」を作成し、海軍総司令部内に専門部署を設けた。原子力ではなく、通常推進型となる。広東省湛江に司令部を置き南シナ海を管轄する南海艦隊に配備される予定で、海南島三亜に専用の埠頭(ふとう)を建設している。艦載用にロシア製戦闘機スホイ33を約50機購入する。
上海市当局者によると、上海市郊外の長江に浮かぶ長興島には、世界最大規模の造船基地が08年秋に完成した。4カ所ある大型ドックのうち1カ所が空母建造用。造船会社関係者の話では、電力制御システム関連の部品はロシアから輸入するほか、国内の軍事関連企業に発注した。これらの調達が順調なら空母の工期は2年短縮される。
一方、大連港にあるワリャークは旧ソ連時代に7割ほど建造されたもので、98年にマカオの観光会社が買い取り、02年から海軍と関係が深い大連の造船会社が改修していた。電気系統のトラブルなどがあったが、このほど訓練用として完成のめどが立った。
大連には、発着に高度な技術が求められる艦載機パイロットを養成する学校が設立された。07年からウクライナ・オデッサの海軍航空部隊トレーニングセンターで学んだ中国海軍幹部が講師となり、選抜された約50人を訓練している。ロシアなどからも講師を招いているという。
海軍少将の一人は朝日新聞の取材に対し、中国の中東からの石油輸入が増えているためマラッカ海峡やインド洋のシーレーン防衛を空母の任務に想定していると明らかにしたうえで、「米国が保有するような10万トン近い大型空母ではなく、脅威にはあたらない」と強調した。
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〈茅原郁生・拓殖大教授(元防衛研究所研究部長)の話〉 中国軍にとって空母は海軍力強化の柱だ。まずは沿岸を米国の脅威から守るための緩衝地帯を広げ、海洋権益を確保する意味合いが強い。西太平洋海域に展開する海洋国家を目指す戦略の第一歩といえる。
――太平洋戦争端緒となった日本の真珠湾攻撃は空母機動部隊によるもので、正式空母の威力を世界に見せつけた。米国はこの緒戦の敗退で空母の戦略性に目覚め圧倒的な国力で戦力を増強した。日本海軍は空母・戦闘機・搭乗員の補充や増強がままならず、次第に米軍に制海権・制空権を奪われ敗退した。
空母はその巨大さと搭載する航空機によって平時には海上で圧倒的な示威力を示す。しかし現代の想定されるホットな海上戦に於いて空母は、圧倒的な制海権・制空権の下に於いてしか活動出来ない鈍重な巨大艦艇である。海上に浮かび巨大であるが故にレーダ・軍事衛星に簡単に捕捉され敵航空機、駆逐艦等のミサイル・魚雷による攻撃に晒される脆弱な構造物だ。
本来ランドパワーであるシナは、今シーパワーの象徴である憧れではあるが時代遅れの空母建造に取り組もうとしている。