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戦争屋にだまされない厭戦庶民の会から封書が届いた。
そのなかに信太正道さんの文章が入っていた。
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信太正道さん(78)は札幌出身。海軍兵学校最後の卒業生であり、 北海道千歳にて特攻隊に指名されるも、 前線基地への移動中に終戦を迎えた。戦後、 京都大学を卒業し海上保安庁にて朝鮮戦争時、機雷処理の極秘任務で従軍、 海上警備隊、 航空自衛隊(戦後日本人初ジェット戦闘機パイロットの1人)を経て日本航空に勤務。創設期の自衛隊では軍人の本音にふれる。 退職後は池子米軍住宅建設反対運動やゴラン高原PKF違憲訴訟など平和運動に専念。 著書『最後の特攻隊員二度目の 「遺書」』 (高文研) や講演を通じ、 自身の経験を伝え、 「戦争屋にとって一番こわいのは厭戦気分」だからと2000(平成12)年、 「厭戦庶民の会」 を結成した。
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田母神空幕長論文問題を考える
戦争屋にだまされない厭戦庶民の会 信太正道
今回の大騒動について、自衛隊員が懸賞論文に投稿した時期が悪いとか、事前に上司の判断を待つべきだったとか手続きを問題にする批判が多く見られます。しかし私は、歴史の未来に不安を感じています。
陸士・海兵を卒業した沢山の戦争体験者が自衛隊のエリートに再就職し、旧軍的なものに懐疑を持っておりました。だが、防衛大学卒業生は少し違います。その典型例が田母神氏でしょう。
自衛隊は創立以来、税金泥棒としていじめられ、日陰者として扱われてきました。憲法9条2項違反の自衛隊は未だに軍隊として認められていません。皆さん、自衛隊員の劣等感、憲法9条2項に対する憎しみを想像することができますか? 田母神氏はイラクでの空自の活動を違憲と判断した名古屋高裁の判決について「そんなの関係ねえ」と民主主義の基本である三権分立を嘲笑しました。彼の屈辱感の裏返しです。
9.11事件以降、自衛隊法第3条(自衛隊の任務)が改正されて、国土防衛及び公共の秩序維持以外に国際貢献が追加されました。自衛隊にとって夢の実現はもうすぐです。田母神解任はその矢先の事件でした。この結果、憲法9条2項の削除は数年遅れるでしょう。自衛隊員の憲法に対する憎しみは陰湿になり、激情化することは必至です。
1929年の金融恐慌に端を発し、世界は軍縮に向かいました。その反発が5.15事件、2.26事件です。日本は15年戦争に突入しました。
このような歴史認識のない戦後育ちの航空自衛隊のトップは「日本は美しい国だ。過去に悪いことをしたことはねえ」と大嘘をついて隊員の士気を上げようとしています。笑いものですね。嘘は一般隊員ですら、だまし通せるものではありません。
田母神様、戦後の日本には戦死者が1人もいません。何故だか解りますか? 戦死者がでれば、それだけ9条2項の改正が遅れるからです。その代わり、9条が改正されたら、戦死者はどんどん靖国に行ってもらいます。米軍は朝鮮で3万人、ベトナムで5万人、イラクで4千人の戦死者を出しています。彼らは1人も戦死者を出さない日本の身勝手を恨んでいます。でも9条2項を改正せよと命令ができないのです。日本国憲法はマッカーサーが押しつけたというトラウマを持っているからです。だから彼らは日本人自らの手による改憲⇒「国民投票」での勝利を期待しているのです。
田母神様、貴方は部下を道連れにして名誉の戦死をしたいでしょうが、お止めなさい。1人で靖国にお入りください。
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元特攻隊員による文章は重い、そして多くの示唆に富んでいる。
俺がおおいに頷いたのは、「皆さん、自衛隊員の劣等感、憲法9条2項に対する憎しみを想像することができますか?」という指摘。
特に護憲派に言いたいが、自衛隊員を味方につけないで9条を守ることなどできないってこと。
彼らだって、真剣に国を守ることを考えて仕事をしている。
その彼らに屈辱的な言葉をぶつけて非難してきた旧左翼的な「護憲運動」が広がりを持つなど無理なのではないか?
彼らを米帝の犠牲者にしないための憲法9条2項。
その事を自衛隊員にもっと訴える運動が必要なのではないかと思うのだが。