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グルジアやMD配備、米露の不一致確認…中南米でも対立【読売】
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20081123-OYT1T00581.htm?from=navr
【リマ=黒瀬悦成】ブッシュ米大統領は22日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席のため訪問中のリマでロシアのメドベージェフ大統領と会談した。
今年8月のロシアによるグルジア侵攻後、両首脳の直接会談は初めてで、ブッシュ大統領にとっては最後の米露会談。
だが、懸案のミサイル防衛(MD)東欧配備問題やグルジア情勢での対立は解消できず、むしろ「米国の裏庭」である中南米でのロシアの権益拡大が、新たな対立材料としてクローズアップされる形となった。
ブッシュ大統領は会談の冒頭、米露間で「立場を一致できない問題も存在するが、友好的な関係を築くため力を尽くしてきた」と強調した。しかし、ブッシュ氏は会談の直前、グルジアが民主化を果たした「バラ革命」5周年に合わせ、グルジアの主権尊重と領土保全を支持する声明を発表。ペリノ報道官は「単なる偶然」と述べたが、ロシアに対するけん制の思惑が込められていたのは明白だ。
両大統領がグルジア問題などで「立場の不一致」を確認する一方、首脳会談の隠れた議題として注目されたのが、ロシアの中南米への進出問題だ。というのもロシアの動きは、米国によるグルジアやウクライナなど旧ソ連圏の「ロシアの裏庭」での影響力拡大に対抗する狙いもあるためだ。
メドベージェフ大統領は今回の中南米歴訪で地域大国ブラジルにも立ち寄り、「戦略的関係」の構築を模索する。米国は、キューバやベネズエラ、ボリビアなどの反米左派諸国だけでなく、従来は親米的とされた国々の中にも対露傾斜の動きが出始めていることに強い警戒感を示している。
実際、ブッシュ政権と自由貿易協定(FTA)締結で合意したコロンビアのウリベ大統領は19日、首都ボゴタでラブロフ露外相と会談し、経済関係の強化策について協議。コロンビアとしては、隣国ベネズエラのチャベス政権がロシアと軍事協力関係を強める中、米露双方とパイプを構築して安全保障上のリスク低減を図ったものだ。
また、コロンビアと国境紛争を抱えるエクアドルは今年10月、ロシアと情報機関同士の連携強化に向けた協定を結び、これまで協力関係にあった米中央情報局(CIA)から事実上くら替えした。
米海軍は今年7月、カリブ海と中南米海域を管轄する第4艦隊を58年ぶりに復活させ、中南米での軍事的均衡の維持に積極的に乗り出した。しかし、オバマ次期政権は、海軍力を駆使した「砲艦外交」に消極的と見られているほか、コロンビアとのFTAも、同国の人権問題を理由に締結に慎重とされ、中南米をめぐる米露の戦略的構図が変容に向かう可能性も指摘され始めている。
(2008年11月23日22時23分 読売新聞)