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(回答先: 反米主義および、オバマ大統領誕生後の9.11陰謀理論の行方 投稿者 Ddog 日時 2008 年 11 月 19 日 02:41:44)
眠気の中さほど推敲せずアップしてしまい、恥ずかしい文章となってしまいましたので、訂正版を作成しました。smac氏が、もったいぶり、あくまでも自分のホームでしか論戦しないと、主張するものですから、昨日読みました近藤健著「反米主義」(講談社現代新書)をたたき台として、一文書いてみたら、なんか勝手に理論破綻とか、議論を逃げている言ってます。9.11●●(ホース・ディアー)と違い、日々多様な本を読書する私にとって、9.11を色々な角度から分析したまで、一つの見方を提示したにすぎません。議論を始めれば、いくらでも批判してやる。
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【訂正版】 反米主義および、オバマ大統領誕生後の9.11陰謀理論の行方
陰謀論というものは、その多くが噂話、風説の類ではあるが、こと9.11同時多発テロに関しては、私も陰謀を疑義することがあります。陰謀論者が唱えるような、WTCビルを爆破するようなことはけして無いとは思うが、同時多発テロには、米当局による某かの関与、若しくは、意図的な情報の見逃しは行われた可能性を、陰謀論者の片棒を担ぐわけではないが私も否定できないと思っています。
日本の真珠湾攻撃を、事前にルーズベルトは知っていて、日本の攻撃を成功させるために、真珠湾のキンメル大将に警告をしなかった可能性が高いという陰謀説は、最近では事実上の歴史として、広く流布されています。
仮にルーズベルト真珠湾攻撃事前察知説が誤認であったとしても、米国が第二次世界大戦に参戦口実を設けるために、日米関係を緊張状態に追い込んだ史実は否定できない。もっとも日本が日独伊三国同盟締結しなければ、第二次世界大戦に巻き込まれず済んだが、同盟を結んでしまった。三国同盟を結んだのなら、ドイツと協力しまずソ戦を殲滅することに全力を使うべきところ、南進論に日和って開戦準備も準備せず英米との戦闘状態に突入した日本に、その責任と主導権はあり、必ずしもルーズベルト陰謀説ばかりを強調することもできないが、チャーチルと、ルーズベルトの策略に日本は嵌ったのである。
1964年8月べトナム戦争拡大の根拠とされたトンキン湾事件という前科もある。北ベトナムのトンキン湾で北ベトナム軍の哨戒艇がアメリカ海軍の駆逐艦に2発の魚雷を発射したとされる事件。これをきっかけにアメリカは本格的にベトナム戦争に突入、北爆を開始した。アメリカ議会は上院で88対2、下院で416対0で大統領に大幅な交戦権を与える議案を支持した。しかし、1971年6月ニューヨーク・タイムズのニール・シーハン記者が、ペンタゴン・ペーパーズと呼ばれる機密文書を入手、トンキン湾事件はアメリカが仕組んだものだったことを暴露した。
真昼の保安官と改宗を迫る宣教師には悪魔を演ずる悪役がどうしても必要であり、歴史的にもアメリカの開戦口実のファンタジーは、伝統として伝承されている。9.11同時多発テロが第四次世界大戦(対テロ戦争)の開戦口実となったのである。
イラク戦争の開戦口実に関しては、イイガカリであったことは、説明不要である。
もう一文脱線するが、今となって思うが、アメリカはアフガン戦争までで止めておくべきであった。アフガン攻撃は日中戦争の泥沼発端となった熱河作戦に相当する事件ではなかったかと自分では位置づけをしています。
【熱河作戦】
[http://military-web.hp.infoseek.co.jp/shiryou/senshi_manshujihen_08.htm]
歴史的前科から、9.11同時多発テロに関して、米国当局が関与したと疑われてもしかたがないことは事実である。それゆえ、私も疑問を捨てきれずにいる。
ところが、9.11同時多発テロといえば、陰謀論者の興味は、WTCビル崩落が爆弾による制御解体であることを証明するのに、そのエネルギーの90%を費やしているのである。なぜに執拗に偏執するのか理由を考えるに、制御解体であることが、反米主義=陰謀論支持者にとっては、陰謀の暴露は社会正義行為であって、正義を天に代わって行使する、自分探しの旅ではないだろうか?陰謀の証明こそ正義を成就させる核心となってしまったのではないか?事実の追求よりも陰謀の証明が重要な信仰成就へ昇華してしまっているのではないか?私にはそう思えてなりません。
9.11テロ後、イラク戦争をブッシュJr大統領が開始したから初めて反米主義が燃え上がったわけではなく、米国が覇権を握った頃より常に世界中には、反米主義というものは存在し続けていました。
近藤健著「反米主義」(講談社現代新書)には大きく5タイプがあるとされています。
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@国際政治における権力を巡る反米主義:「政治的資源」として利用される・反米主義であって、具体的には・アメリカ一極支配の反発、抵抗である。フランスのドゴール大統領が行ったドゴール主義、最近話題とされる欧州中国ロシアなどの多極化世界を推進する国家として政治としての反米主義
A生理的嫌悪:EUの国民に観察されるような、アメリカ的なものの嫌悪。そのマナー、習慣、食べ物、生活様式・生産物・シンボル、そして人間まで、すべて嫌いという感情、態度である。死刑制度維持、銃砲愛、異常に思える信仰心、狙罪多発、長労働時問、健康保険など公的福祉制度の不備、などなどの価値観の相違いわば生理的なアメリカ嫌いである。
B文化的反米主義:文化的反米主義といえるものである。アメリカ産業資本主義が得意とする広告などのマーケティング技術を駆使し、映画、テレビ、…などのメディアを通して・大量消費文化というアメリカ大衆文化が世界的に拡散、浸透することへの反発であるそれは、世界のマクドナルド化、コカ・コーラ化、ディズニーランド化という造語が示すように・アメリカ生活様式の浸透によるライフスタイルの画一化が進むことによって自らの文化が破壊されるという恐れであり、文化的アイデンティティの危機ととらえられる。この文化的反米主義は、アメリカの文化的軽蔑と表裏一体の関係にある。たとえば保守派の論客西部邁曰く「それにしても、いつの頃からなのかな。芸術にしても芸能にしても、日本人がアメリカ的なものにすっかりすり寄ってしまったのは。僕らの若い頃は、アメリカ的なものというのは、下等だとまでは言わないまでも、二流、三流のものが多いというのが暗黙の了解だった。芸術、映画、記憶に残って友人ガールフレンドと話すのは決まって、ヨーロッパ映画だった。」(反米という作法)
C「内なる反米主義」といわれるアメリカ国内の現象がある。冷戦期の反共を埋由とした独裁政権支援や内政干渉、民族主義を理解せず無謀に拡大したベトナム戦争・べトナム戦争時の非武装民間人虐殺のソンミ事件とイラクのアブグレイブ監獄での拷問という人権無視行為などなど、アメリカが自ら掲げる自由、民主主義人権の理念に反するアメーカの行動-ダブル・スタンダードへのアメリカ内部からの異議申し立てである。対外行動についてだけではない。過去におけるネイティヴ.アメリカンの抹殺や国内の人種差別は、アメリカが民主主義の手本などと到底いえるものではないといった、内在的アメリカ批判である。
異議申し立ての多くは、内外におけるアメリカの行為がしばしば独立宣言や憲法に掲げられた自らの理念に忠実ではなくそれに反するものだ、理念の実現努力を怠ってきた、という幻滅とフラストレーションから出ている。これは、いわば自己尊重の立場であって、反米ではなくむしろ親米とさえいえるであろう。
D反資本主義としての反米主義:最後に、第五のタイプは、アメリカの明示的な原理原則の拒否、あるいはアメリカン・システムそのもの、アメリカニズムといわれるものの拒否であり、それに代わるシステムを提示するイズム、イデオロギーである。アメリカン・システムの根幹は、私有財産制にもとづく自由主義的資本主義と、それと不即不離の自由民主主義の政治制度であろう。資本主義はもとよりアメリカの専売特許ではないが、アメリカが近代産業資本主義の先駆者であったことは否定しえない。反資本主義としての反米主義の典型は、いうまでもなく、共産主義である。過去においては膨張的なファシズム、また冷戦期の新興諸国の反米ナショナリズムもこのタイプにふくまれるかもしれない。
このタイプの反米主義には、オサマ・ビン・ラディンのイスラーム原理主義も属すると
いえる。
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なかなか面白い分類だと感じ、ご紹介しました。
@〜Dは、反米主義の深層心理だそうだが、WTC制御解体論に偏執する心理を当てはめてみると実に面白い。@ABが主に欧州(一部日本)からの上から目線的な反米主義でCが米国民Dオサマ・ビン・ラディンのイスラーム原理主義も属する主に新興国国民となる。
このなかで、9.11陰謀説流布運動の主役となっているのは、誰あろう米国国民であって、主としてCの米国民による「内なる反米主義」がその動機である。9.11のWTC制御解体論を理論化することにより、キリスト教的贖罪の儀式のような心理がはたらいているのだろう。仮に、日本人が9.11同時多発テロに疑問を抱き、WTCが崩壊を推理しても、屁の役にもたたないだろう。Cのような米国の内在的批判者によって9.11陰謀論が形成されていったものである。もしかすると、今私が論争をしている9.11陰謀説は実は大きな曲がり角に来ているかもしれない。
私個人的にはブッシュ大統領につきましては、テロ疑惑には積極的な関与は無かった、若しくは全く無関係とは思いますが、事件当時の国家元首が現職中に、新たな疑惑解明に進展はありえないと思う。
では、オバマ政権で、民主党政権に変れば、真相解明に何か進展するのか?答えはNoだと思います。
Cの「内なる反米主義」の多くは今回オバマに投票した人達であり、共和党ブッシュ政権憎しではあっても本来「本質的に愛国者」ではある。
オバマが目指すアメリカは、超党派によるアメリカ再生。悪く言えば大政翼賛会的な政治が行われる可能性もあります。次の2012年の選挙に向け、仮に何か疑義があったとしてもオバマが9.11の真相を口に出すとは到底思えない。仮に、当局の関与があったことを知ったとしても米国大統領として、発表するはずが無いと思う。なぜなら、仮にそのようなことを口に下途端changeではなく、米国をcome apart(分解)することになる。
あくまでも仮定ではあるが、今後9.11陰謀説は、ブッシュ大統領の任期満了とともにCの人達の国家に対する異議を申し立てるエネルギーが萎むことが予想されます。となると理論的には、今後の日本における9.11追求ブームも縮小傾向に向かうのではないかと予測できます。
共産主義を支持した集団が、ソビエト解体後も今更自分の旗を降ろすこともできず、アイデンティティの消失を経験し、その後一時盛り上がった反原発運動も地球温暖化の前にあえなく挫折。そこで降ってわいてきたのが、9.11テロ疑惑ではなかったかと思います。マルクス主義のかつての信者にとっては、一つの思想的自分の受け皿として、なお且つ反米9.11テロ疑惑ほど魅力的なカタルシス解放の捌け口は無い。
自らを正義の側に常に置きたいという、人間の基本的欲望に突き動かされていることに気がつかず、正義を振りかざす迷惑な人間は何時の時代にも存在します。ある意味では、ネオコンの人達も、ブッシュ大統領もそういった、正義を振り回す人の代表みたいなもので、結局9.11を騒ぐ人もブッシュ大統領も同じ穴の狢にすぎません。
日本においては、旧社会党系の人、朝日新聞そのものと、その読者には、そういった無自覚に正義を振り回しすぎる人達が多そうです。振りかざす正義ほど厄介なものは無く。9.11を追求する人達が振り回す無自覚な正義にはたいへん困ったものである。
正義を振りかざすばかりで、真相は闇の中へ消えてゆくでしょう。
【Ddogのプログレッシブな日々】
http://blogs.yahoo.co.jp/ddogs38/20024741.html
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今日の一冊「巨龍・中国がアメリカを喰らう」エーモンドフィングルトン(早川書房)を読んでいますが、これが興味深い本なのです。まだ、130Pほどですが、これから半分の300Pまでは読もうと思います。10〜11時頃からsmac氏への今日のレスを書くこととします。AM2時頃までに完成を予定としています。