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【RPE】メドベージェフの「アメリカ偏執狂宣言」
↓
http://www.mag2.com/m/0000012950.htm
★メドベージェフの「アメリカ偏執狂宣言」
全世界のRPE読者の皆様こんにちは!
いつもありがとうございます。
北野です。
日本ではまったく報じられていませんが、メドベージェフさんが、
「アメリカ政府はパラノイアだ!」と宣言しています。
▼ロシア、欧州を懐柔へ
現在ロシア最大の課題は、米ロ新冷戦に勝利することです。
そのためには、(巨大反ロシア軍事ブロック)NATO拡大問題
を解決しなければなりません。
NATO拡大問題とはつまり、旧ソ連(つまり事実上ロシアの旧
植民地)ウクライナ・グルジアの加盟を阻止すること。
そのためには、欧州を懐柔し、両国のNATO加盟に反対させ
なければならない。
かつてロシア(ソ連)に植民地化された東欧諸国は難しいので、
主に多極世界を志向しているドイツ・フランス等を懐柔していく。
これに絡んで、最近こんな出来事がありました。
↓
<金融危機のアイスランド、ロシアに借款要請…欧州諸国拒
否で
10月9日0時53分配信 読売新聞
【モスクワ=緒方賢一】ロシアのクドリン副首相兼財務相は7
日、金融危機に見舞われるアイスランド政府から借款の緊急
要請を受け、前向きに対応する方針を示した。
アイスランドはグルジア南オセチア自治州をめぐりロシアと対
立を深める北大西洋条約機構(NATO)に加盟するが、欧州
諸国に融資を拒否されて金策に窮しロシアにすがった形だ。
(中略)
アイスランド中央銀行の発表によると、ロシアに要請している
借款の額は40億ユーロ(約5400億円)という。>
どうですか、これ?
NATO加盟国のアイスランドが、金融危機に陥った。
それで
1、欧州諸国に「金を貸してくれ!」と要請したらムゲに断られ
た。
2、それでアイスランドは、ロシアに泣きついた。
3、そしたら、ロシアはOKしちゃった。
要するに欧州には金が全然ないが、ロシアにはある。
RPEでは年初から、「ロシア経済は今年減速するが、アメリカや
他国に比べればマシ」と書いてきました。
<で、ロシアはどうなのか?
アメリカと中国の景気が悪くなれば、当然石油の需要が減ります。
石油の需要が減れば、原油価格は下がるでしょう。
(長期的には、世界経済の成長と石油の枯渇で上昇する方向だが・・)
そうなると、ロシア経済も減速せざるを得ない。
で、どの程度の影響がロシアにあるのか?
これは、危機の源アメリカ・中国に比べれば、限定的といえそうです。>
(【RPE】ロシア問題(2008年問題4)08年1月21日号)
今回の借款引受けでも、ロシアの状態が欧米より良いことが証明さ
れたといってよいでしょう。
(とはいえ、ロシアの金融機関も機能不全に陥っており、問題は多い。
ただ欧米よりはマシである。)
実際、上の読売の記事はこうつづきます。
<ロシアも金融危機の影響で株式市場や通貨ルーブルが急落し、メ
ドベージェフ政権は緊急対策を発動している。
しかしエネルギー資源の高騰により国家財政にはなお余裕がある。>
(同上)
そして、NATO諸国に金を貸す理由ですが。
欧州諸国は、
親アメリカのイギリス・東欧(一極主義)
比較的親ロシアの独仏(多極主義)
にわかれている。
しかし、大部分の国々は、「勝つ方につこう」という日和見主義。
そして、歴史は大部分の日和見主義者がついた方が勝つのです。
(たとえば、幕末。
倒幕で活躍したのは主に薩摩・長州・土佐だけだった。
幕府は第1次長州征伐に完勝。
しかし第2次長州征伐時には日和見主義藩が幕府のいうことに従
わず完敗した。)
欧州諸国は米ロを秤にかけている。
アメリカは確かにGDPで世界NO1。
軍事費は1国で全世界の総軍事費の半分以上を占めている。
しかし、GDPで世界NO1でありながら、世界一の経常赤字・財政
赤字・対外債務国。
アイスランドが苦しんでいても、助ける金もない。
一方ロシアは、現金で救済してくれる。
こうやって、ロシアはお金で欧州を分裂させるのであります。
もう一つ。
↓
<グルジア>ロシア軍撤退、仏大統領が評価
10月8日22時15分配信 毎日新聞
【パリ福井聡】サルコジ仏大統領は8日、ロシア軍がグルジア領
内からの撤退を開始したことを評価し、欧州連合(EU)とロシアの
関係強化を目指すパートナーシップ協定締結の協議の「再開に
道を開くものだ」と語った。
EUはロシアのグルジア侵攻を受け、同協議を中断している。>
ロシアがグルジア領内から撤退。
これをサルコジさんが評価したと。
前号で、「独仏は本音では多極主義(反米一極主義)だ」というは
なしをしました。
こんなところに本音が出ています。
さらに。。。
↓
< サルコジ大統領は仏東部エビアンで開かれている国際会議
での講演で見解を表明。
大統領は、今月ジュネーブで開催予定のグルジア紛争をめぐる国
際会議に関し、グルジアからの独立を宣言した南オセチアとアブ
ハジアも参加すべきだとの見解を示した。>(同上)
サラリと書かれていますが、非常に重要なポイントです。
国際会議に、グルジアからの独立を宣言した南オセチアとアプハ
ジアも呼びましょうと。
呼んだらどうなりますか?
当然南オセチアの代表は、「グルジアが先制攻撃をし、2000人の
民間人を虐殺した。グルジアの一部であれば、民族浄化されるの
だから、独立する以外にどんな道がありましょうか?」
と涙ながらに訴えるでしょう。
もちろんサルコジさんだってこういう展開を容易に予想できるはず。
つまり、サルコジさんの腹の中は、
「グルジアのサアカシビリ(大統領)と、それを支持するアメリカを
困らせてやれ!」
ということなのです。
「親アメリカ」を自称しながら、こっそりロシアの肩をもつフランスの
本音が見えたところで、メドベージェフさんの話に入りましょう。
▼後半へ
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▼後半
▼メドベージェフの「アメリカ偏執狂宣言」
さて、ロシアのメドベージェフ大統領は10月8日、水のおいしい仏
エビアンで開かれた国際会議に出席しました。
ここで彼は、アメリカを痛烈に批判しました。
メド「ここで協議されている問題は、世界が発展の重要な時期にあ
ることを示している」
メド「8月にコーカサスで起こった事件は、ブロック的アプローチで
は、和解したり、侵略をおさえることは不可能であることが証明され
た」
8月にコーカサスで起こった事件とは、当然グルジア戦争のこと。
「侵略をおさえることができない」というのは、「ロシアがロシア
の侵略をおさえることができないってこと?」と日本人は思っちゃう
でしょう。
でもこれは、「グルジアが南オセチアを侵略した」という話。
メド「そして、小国の無責任な行動が世界の状況を不安定にすること
ができるのなら、それは、一極を基盤とするシステムは成立しえない
ことを証明している」
小国とはもちろん、グルジアのこと。
一極を基盤とするシステムとは、もちろん「アメリカ幕府」による一
極支配体制のこと。
メド「経済エゴイズムもまた、一極世界の結果であることは明らかだ。
グローバル経済の発展にとってこのような政策の見通しが暗いことも
明らかだ」
そして、メドベージェフさんは、少なくとも「対決的態度」をやめるよう
提案しました。
面白いですね〜。
日本から見ると、ロシアがグルジアを攻めて、勝手に新冷戦を開始し
たように見えるでしょう。
これがロシアから見ると正反対で、アメリカとグルジアが、ロシアを
挑発しているように見える。
そしてメドベージェフは、「そういうことはやめましょうよ」といっている
わけです。
ここで、「どっちが本当なんですか?」と探究するのは無駄です。
「真実は立場によって違う」
「日本以外の国々はすべて、自国の利益だけを追求している」
~~~~~~~~~~~~
メド「これは『ソビエト学』同様、すべて過去からのものだ。
そして『ソビエト学』は、パラノイア(偏執狂)のように危険な病気だ」
説明が必要ですね。
アメリカがロシアを恐れるのは、ロシアが一党独裁でアメリカの覇権を
脅かしたソ連(ソビエト)として復活することなのです。
冷戦を実際に戦ったゲーツさんやマケインさんは、相当警戒している。
しかし、メドベージェフさんにいわせると、「ソ連復活なんてありえな
い。そんなのを恐れるのはパラノイアだ!」となる。
パラノイア(偏執狂)とは、
「がんこな妄想にとらわれて、常識ではできないことを平気でする精神
病」
だそうです。
ここでの「がんこな妄想」とは、「ソビエトの亡霊」となるでしょう。
メド「アメリカ合衆国政府の一部がいまでも、(パラノイアで)苦しん
でいるのは残念だ」
そしてメドベージェフさんは、アメリカ政治家の脳みそ深くにソ連のト
ラウマがあっても、「冷戦に関する新刊」は出ないと断言。
メド「(ロシアは)対立には全く関心がない」
「透明で平等な国際関係の下でだけ、ロシアの発展は可能だ。そしてそ
れは、世界の安定の担保なのだ」
ロシアが紛争を望んでいないのは本当です。
これはロシアが「平和を愛する国」だからではありません。
まず、戦争をしたって、アメリカにかなうはずがない。
また、戦争をしなくても、ゆっくりとドル離れをすすめていくだけで、アメリ
カは自動的に没落していく。
つまり、ロシアはアメリカを倒すのに武力を必要としていない。
▼結論は?
なんというか、過激な発言ですよね〜。
今年3月にメドベージェフさんが大統領選で勝利したとき、日本では以下の
予想が主流でした。
1、メドベージェフとプーチンはケンカするだろう
2、メドベージェフはリベラルなので、欧米と和解するだろう
唯一RPEだけは、
1、メドベージェフとプーチンはケンカしない
2、プーチン時代と外交路線は変わらない
と予測しました。
↓
<メドベージェフ大統領とプーチン首相の争いが起こるのではないかと考え
る人もいるでしょう。
しかし、プーチンのバックにはKGB軍団がいます。
一方メドベージェフの後ろには、プーチン以外誰もいない。
反逆できるはずがありません。
結局ロシアは、「欧米にウケのいいリベラル派が大統領になった」にもかか
わらず、根本は何も変わらない。
プーチン路線がそのままつづくということなのです。>
(【RPE】メドベージェフのロシア2(ロシアはどうなる?)08年3月3日号)
今となってみれば、RPEの予測どおりに推移しているのがわかります。
なぜメドベージェフさんは、こんな過激な発言をするのか?
この号の最初に書いたように、アメリカとロシアは欧州の取り合いをしてい
る。
アメリカ政府の高官が欧州に来れば、今度は「グルジアに侵攻したロシア
はソ連時代に逆戻りしている」等々、サンザン悪口をいうことでしょう。
欧州にとってそんなことはどうでもよく、
「どっちが勝つのかな?」
「どっちにつくのが儲かるのかな?」
「ウクライナやグルジアなんてようわからん国のために犠牲になりたくない
が・・・」
などという、自己中心的な観点から行動を決定していくことになる。
これを別の言葉で、
「国益の観点から考える」(^▽^)
といいます。
それにしても、やはり目につくのは、アメリカの衰退ぶり。
06年まで、今回のメドベージェフさんのような過激発言をするのは、
イランのアフマディネジャドさん、ベネズエラのチャベスさんの二人だけでし
た。
そして二人とも国際社会では、「ちょっと変な人」と思われていた。
ところが今じゃあ、
アフマディネジャドさん・チャベスさんに加え、
メドベージェフさん・プーチンさんが、「一極支配の終焉」を堂々と宣言して
いる。
さらに、メルケルさんやゼーリックさん(世銀総裁)は「G7やG8体制の終
焉」を宣言している。
ソロスさんは「ドルを国際通貨とする時代の終焉」を宣言している。
つまり2年間で、「どんな人でも『アメリカ時代の終焉』を宣言できる時代」が
到来した。
そして、「発言した人=変な人」ではなく、「まっとうな人」に変化した。
このことはつまり
1、アメリカの危機が深刻であること
2、日本国民の知らない間に一極時代から多極時代の移行期に入ってい
ること
を示しているのです。
しかし、すべてがまっすぐに進むはずはなく、米ロ新冷戦はまだまだつづ
いていくのでしょう。(おわり)
●PS
「うわ〜、世界情勢はなんてドロドロしてるんだ〜。
日本はいったいどうすればいいんだ〜!(混乱)
そんな方は下の情報をゲットしてください。
すべてわかります。↓
●PS2
おたよりコーナーも読んでくださいね。
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【この本は日本が危機を克服するためのバイブルです。】(京都 山根様)
★「僕が生まれたのは、中華人民共和国
小日本省です・・・」
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アメリカの衰退により、放り出される
天領日本。
~~~~
戦後60年以上「自分で決定したことがない」
依存政治家は、
次の依存先を探し始めた。
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日本には二つの道があります。
1、中国幕府の天領(小日本省)になるのか?
2、真の自立国家になるのか?
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PS
本の一番最後に「北野の夢」が書いてあります。
しかし、前から順番にお読みください。
【RPE】メドベージェフの「アメリカ偏執狂宣言」
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http://www.mag2.com/m/0000012950.htm