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イスラエル:入国「条件はスパイ」 治療目的のガザ住民に 相次ぐ証言、政府は否定
http://mainichi.jp/select/world/news/20080921ddm007030059000c.html
【ガザ(パレスチナ自治区)前田英司】病気治療のためイスラエルに入国申請したパレスチナ自治区ガザ地区の住民の間で、イスラエルの治安機関から「入国条件」としてスパイ行為を要求されたとの証言が相次いでいる。境界を封鎖されたガザは医療品が慢性的に不足、必要な処置を受けられない患者が多い。人権団体は「弱者を標的にした脅迫」と非難するが、イスラエル政府は事実関係を否定している。
ガザ市に住む元ラジオ局記者、バサム・ワヘディさん(28)は昨年夏、右目の網膜はく離と診断され、緊急治療のためイスラエルへの入国を申請。ガザ・イスラエル境界のエレズ検問所で約6時間にわたりイスラエルの国内治安機関シャバクの調べを受けた。取調官は「(ガザからイスラエルへ)ロケット弾を撃つ武装勢力の情報がほしい。医療費は我々が出す。協力しないなら、この先は盲目生活だ」と詰め寄ったという。
ワヘディさんは要求を断り、「治安上の理由」で入国を拒否された。「右目は失明した。左目にも症状が出ている」と不安げに話した。
また、ガザ中部デイルバラの自治政府職員、シャバン・アブオベイドさん(37)は06年夏、イスラエルの病院で心臓検診を受けた後、ガザへの帰途にエレズ検問所で「協力者になれ」と言われた。拒否したため、その後の入国申請はすべて却下されているという。
この問題を調査した国際人権団体「人権のための医師団」によると、イスラム原理主義組織ハマスによるガザ制圧後の昨年7月以降、ガザの患者32人が「スパイ行為を断ったためイスラエルへの入国を拒否された」と証言した。入国が拒否されるケースは昨年前半、申請件数の1割程度だったが、今年同期は3割以上といい、同医師団は「国際的な人道規範に反する対応」と批判している。
これに対し、イスラエル首相府のマーク・レゲブ報道官は「入国許可に条件など一切ない」と反論している。
毎日新聞 2008年9月21日 東京朝刊