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http://mainichi.jp/select/world/news/20080913ddm007030090000c.html
9・11再考:米大統領選を前に/2 「テロ」定義せず
◇米政府、恐怖心を利用−−オレン・ライオンズ氏(米先住民指導者、78歳)
−−7年前の同時多発テロで感じたことは。
◆当時、米国人は「本土への初攻撃だ」といきり立った。しかし、我々先住民は欧州から来たキリスト教徒に攻撃され、大勢が殺害された。この大陸は何度も攻撃されてきたのだ。「初めて」と主張する思考に改めて白人中心の視点をみた。
−−テロ直後の米政府の反応は。
◆事件当日、私たちは大統領に手紙で「テロリストと同じやり方で仕返しすべきではない」と忠告した。テロは米国の政策に対する攻撃だったのに、犯人捜しばかりで、攻撃の理由を問う議論は無かった。「誰」よりも「なぜ」を考える必要があった。
−−この7年間の対応をどう見るか。
◆ブッシュ政権の「対テロ戦争」は誰をテロリストとするか定義していない。我々はかつて自らを守るため、欧州からの侵入者と戦った。だが、侵入者の中には我々の行為を「テロ」と呼ぶ者もいた。国民は「テロ」と聞けば恐怖心を抱く。政府は政策遂行のため恐怖心を利用している。
−−「対テロ戦争」の「成果」は。
◆イラク戦争開戦時、フセイン政権は既に弱体化し、国際社会への脅威ではなかった。石油のための戦争であり、ブッシュ大統領は無用の戦争で米国の信頼を失墜させた。
−−次期政権に期待することは。
◆なすべきは「テロとの戦い」ではなく、「人類生存への闘い」だ。地球環境こそ待ったなしの問題で、新しいエネルギーを開発し石油依存時代に終止符を打つ必要がある。次期大統領は、人類がいかに生き延びるかを考える任務を負っている。【聞き手・オノンダガ国(ニューヨーク州北部)で小倉孝保】=つづく
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■人物略歴
◇オレン・ライオンズ氏
米ニューヨーク州北部の先住民居住地「オノンダガ国」(先住民は独立国と主張)の指導者。今夏まで、同州立大で先住民史を教えていた。国連などで世界の先住民権利擁護運動に携わる一方、地球環境問題にも取り組んでいる。
毎日新聞 2008年9月13日 東京朝刊