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【ゴリ(グルジア中部)=遠藤良介】ロシア軍がグルジア紛争の勃発(ぼっぱつ)後、グルジア・南オセチア自治州にグルジア人の強制収容所を設置、ロシア軍支配地域で拉致した民間人に暴力を振るい、強制労働を課していた疑いがあることが、多数の避難民や元収容者の証言で明らかになった。
事実とすれば、国際社会のロシアへの非難がいっそう強まるのは必至だ。グルジア当局もこうした事実を把握、元収容者からの聞き取り調査を行って実態解明を急いでいる。
避難民らによると、強制収容所は南オセチア自治州の州都ツヒンバリの地下室に設けられ、約170人が収容されていた。うち約60人は女性、高齢者も約20人おり、10歳未満の子供もいたという。27日に多数が解放されたもようだ。
中部ゴリの難民キャンプに逃れた元収容者、グラミドダシビリさん(49)は12日、ツヒンバリから約6キロ離れたグルジア人村落で拉致された。「(ロシア軍側)オセット人が銃を持って家に押し入り、戦車で連行された。収容所では警棒で足や背中、肩を殴られ、食事は毎日、ひとかけらのパンと一杯の茶だけだった」と話す。
収容者らは終日、被災住宅のがれき撤去や街中の清掃、グルジア人の遺体処理といった労働を課された。収容所ではロシア兵が「アメリカ人はどうした。助けに来ないのか」「グルジア人は絶対に元に(故郷に)戻れない」などとののしった。街頭で強制労働中、オセット人の乗用車が収容者らにわざと突っ込み、重傷者が出たこともあった。グルジア人の遺体は袋詰めにされ、大きな穴にまとめて埋葬されたという。
ロシアのメドベージェフ大統領は16日、ロシア軍を紛争前の配備位置まで撤退させることを盛り込んだ和平6原則に署名した。しかし、ロシア軍は、現在も中部ゴリ市の北方約3キロの地点までを支配下に置く。この地域のグルジア人村落では、住民の拉致や住居の放火、略奪、殺人が横行しているとの証言は多い。
ゴリ市北方の村落から27日に脱出した男性(52)は「ロシア軍は停戦協定に違反し、まだ銃を構えて村を支配している。オセット人は家に押し入って略奪、放火して村を全滅させようとしている。ロシア人もそれを止めない」とし、「私の村からは10日ほど前に、10人が強制収容所に連行された」と話している。