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「グルジア紛争 石油輸送マヒ続く アゼルバイジャンに圧力」(8月22日 日経)
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/eu/20080822D2M2203C22.html
「ロシアは紛争を利用し、親欧米志向を強めてエネルギー輸出をグルジア経由に切り替えてきたアゼルバイジャンを勢力圏に取り戻す狙いだ。」
日経のこの指摘はもっともだ。
◆CIS関係諸国の話は地図を睨まないと理解しづらいので、下記地図のアドレスをクリックして開いてみてほしい。
http://www.lib.utexas.edu/maps/commonwealth/caspian_pipelines_2002.pdf
この問題は石油目的なのだから、グルジア侵攻直後から言われているウクライナ侵攻よりも、バクー油田、カスピ海の油田を有するアゼルバイジャン攻略の方が効率がいい。
しかし、黒海への輸送ルートは、ロシア軍の一部が24日時点もグルジア領内の港湾都市ポチなどに留まっていて遮断している。
最新の詳しいニュースが入手しづらいが、8月14日には米英BP社がトリビシからトルコへ経由するBTCパイプラインの輸送を再開させたとの発表をした。しかし、グルジア領内の黒海沿岸まで伸びるバクー・スプサ・パイプラインの原油輸送は停止したままだ。
ロイター 8月14日
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-33263420080814
これに先立って、ロシアのトランスネフチ社は、アゼルバイジャン国営石油公社の求めにより、同社はバクー-ノボロシースク間のアゼルバイジャン産石油輸送量を月量16万6000トンまで増加させるとの情報が8月12日付けである。現在の月間輸送量は8万3000トンであり、これで輸送量は倍増する。
IBTimes 8月12日
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/080812/22126.html
この記事を額面どおりに受け取れば、グルジア軍が南オセチア自治州に侵攻したのが8月7日だから、米国重視と言われるアゼルバイジャンの判断は速い。
ロシアのアゼルバイジャンに対する働きかけは当然のところ以前からあり、ロシアの国営石油企業「ガスプロム」のミレルCEOが率いる代表団は6月、アゼルバイジャンを訪問、同氏はアゼルバイジャンの親米で知られるアリエフ大統領と会談を行い、石油・ガス産業における同社とアゼルバイジャン企業の協力関係についてセールス活動を行っている。
IBTimes 2008年6月3日
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/080603/20197.html
◆結論
ロシア軍はグルジア侵攻を経て、グルジアに長期駐留する事により、石油産出国アゼルバイジャンをもその勢力下に置いた。
現時点で政府コメントは控えているが、ロシア軍のグルジア領駐留の長期化を非難される初期の段階で、メドベージェフ政権は、アメリカ軍のイラク長期駐留派兵を引き合いに出し、自らの正当性を主張するだろう。
レベルを落とした話になるが、一党独裁共産党の中国、独裁ロシアを5大常任理事国とする国連は、この2カ国の「拒否権」が20世紀後半の間悪用され続け、21世紀に引き継がれた、国際政治最大のジョークになっている。
DOMOTO
http://www.d5.dion.ne.jp/~y9260/hunsou.index.html