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今年4月にグルジア・ウクライナのNATOへの加盟問題が話し合われた。天然ガスの供給を懸念する独仏などが、時期尚早などと反対したが「将来の加盟」では合意、12月のNATO外相会議で再度検討される予定になっていた。
グルジアが先制攻撃で仕掛けたというが、今月8月以前のニュースを追ってみると、南オセチアに駐留していたロシア軍は、かなりの挑発行動をこの数ヶ月とっている。
英エコノミスト誌の解説記事では、そこら辺を詳細に触れているそうだ。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/europe/171279/
グルジア軍侵攻後のロシア軍のあの起動力は、まさに常に臨戦態勢が取られていた上での行動だったと察せられる。
シェワルナゼは、「4月にグルジアとウクライナのNATO加盟を見送ったのは重大な誤り。加盟を認めていれば今回の紛争は避けられた可能性がある」と指摘し、ライス米長官は、ロシアのグルジア侵攻の戦略目的は、グルジアのNATO加盟阻止であり、グルジアの社会基盤や軍事力を破壊することにある事を指摘した。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/europe/170692/
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080819/amr0808192323005-n1.htm
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/171051
8月12日に日経が、グルジアの欧州連合(EU)大使が「ロシアはNATO(東方)拡大の阻止を最終的な目標としている」と強調した事を取り上げ、今回の軍事衝突の底流にNATOの東方拡大問題があるとの見方を取り上げている。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080812AT2M1200512082008.html
残り任期4ヶ月、米大統領選挙まで2ヶ月余りのブッシュ政権は、オバマか、マケインかが決まらぬうちに、軍事リスクを伴う軍事行動は組みにくい。
加えて、再度協議されるグルジアの加盟問題を扱う、12月のNATO外相会議まであと3ヶ月、ロシアの軍事侵攻は、グルジアの加盟阻止へ向けて絶好のタイミングで行われたと見られる。
シェワルナゼが指摘するように、4月にNATOがグルジアとウクライナの加盟を認めていれば、今回の8月のロシアの軍事行動はNATOとの「自動的開戦」を招くため、NATOの抑止力が働いてロシアの行動を阻止できただろう。