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今のブッシュ政権はまさに「ミイラ取りがミイラ」であり、ヒトラーのように、ランドパワーの内側まで勢力を拡大しすぎて失敗した
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投稿者 TORA 日時 2008 年 8 月 19 日 14:52:42: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu174.htm
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今のブッシュ政権はまさに「ミイラ取りがミイラ」であり、ナポレオンやヒト
ラーのように、ランドパワーの内側まで勢力を拡大しすぎて失敗している

2008年8月19日 火曜日

ロシアは西と南の出口を塞がれたが、グルジアで反撃が始まったのだ。


◆ロシアの大勝利? 8月19日 地政学を英国で学ぶ
http://geopoli.exblog.jp/9322315/

今日のイギリス南部は曇りがちで、時々にわか雨と太陽の光が交互に訪れるというイギリスらしい天候でした。

さて、論文で忙しいはずなのですが、またまたグルジア紛争ネタをひとつ。

今回の紛争が勃発してから早くも十日ほど経過したわけですが、新たに色々な動きや識者の意見が出てまいりました。それを以下に簡単にまとめておきます。

1、ロシアの大勝利

これは特に軍事/戦略系の意見なんですが、今回のロシアのグルジア侵攻は、ロシアにとって素晴らしい成功だったという見方が大半を占めております。

その大きな原因の一つはロシアが「統合作戦」を完璧と言えるほどしっかりこなしていたからですね。

まずグルジアが南オセチアやアブハジアに侵攻してくると、それに対してパウエルドクトリン並みの「大量投入で一気に制圧」を行います。その数、なんと兵士が一万人前後、戦車が150台、そして装甲車などが700台ほど。

それと同時に黒海の海軍も出動してグルジアの港(ポチ)を牽制し、グルジア政府のサイトへのサイバーアタック、空軍の投入、そしてなんと英語に堪能なコメンテーターを用意してモスクワを擁護する意見を世界のメディアに向けてしゃべらせるという念の入れよう。

今回の成功でロシア軍の士気が上がっているという報道は多いですね。イギリスの報道でもサーカシビリ大統領がグルジアで言論弾圧をしたことや、今回の紛争で先に攻撃したことなどがチラホラ流れております。

そういえばBBCは大統領の母親(大学で歴史を教えている)をインタビューしておりましたが、あまり肯定的な内容ではありませんでした。

2、リムランドにおける別の戦線の動きが活発になってきている

その代表的なのがアフガニスタンとパキスタンですが、地政学的にさらに重要なのは北極海の動きです。グルジアのどさくさにまぎれて、アメリカとカナダは先週から北極海に砕氷船を出して共同調査を始めました。

ちなみに北極海での対立構造をみてみると、

ロシア vs アメリカ、カナダ、デンマーク、ノルウェイ

というなんとも一方的な構造が(苦笑)とりあえずカナダとアメリカは共同してロシアに対抗することを決めたそうです。

3、コソボ問題とのリンケージ

今回の紛争はロシアがNATOのコソボ独立推進の時に使われたものと全く同じレトリックを使って正当化したわけですが、なんとこれを国連に持ちかけております。外交的にも先制攻撃をはじめたわけですね。うまいもんです。

4、ウクライナも基本的には「二股がけ」(ヘッジング)している

反ロシアの姿勢を示しているウクライナはレーダー基地を西側に提供するというコメントを発表しておりますし、自国の領土内にある軍港のセバストポリからロシアの黒海艦隊を監視するような発言をしておりますが、実はまだ無断で使用させていたりします。

5、ロシア(プーチン)の強みは究極的には二つだけ

彼にとって有利なのは「ロシアのナショナリズム」と「豊富な資源のコントロール」の二つだけ。逆にいえば、このどちらかが駄目になると彼の運命も危うくなるわけです。

とくにエネルギー資源の転換のスピードが世界で早まったり、資源が予想より速く枯渇したりすると、彼も外国と商売できなくなるわけですからヤバいんですよね。

6、アメリカはユーラシアのリムランド支配でつぶれる?

リムランド論ではアメリカのようなシーパワー国家がユーラシア大陸のリムランド内を一つの国家によって支配されないように防ぐことが重要であると説かれていますが、実は今のブッシュ政権はまさに「ミイラ取りがミイラ」であり、ナポレオンやヒトラーのように、ランドパワーの内側まで勢力を拡大しすぎて失敗している、という見方もできます。

7、次にヤバいのはバルト三国、とくにエリトリア

ロシアの次のターゲットはウクライナだという意見は多いのですが、中にはエリトリアが一番ヤバいという分析があります。

8、一番得をしたのは中国?東方拡大の可能性

今回の紛争で一番得をしているのは中国かも知れないという意見もあります。ただしロシアはグルジアでの成功と西側からのMDシステム配備とあいまって、その圧力から押し出されるように東側へ何かしらの形で拡大してくる可能性が大きい。

そうなると現在オリンピックを開催して勃興中の中国ではなくて、リムランドの東端に位置している日本への圧力として出てくるということも十分考えられます。

9、世界はアナキーである

今回の紛争でつくづくわかったのが、国際社会というのは「アナキー」であり、パワーがものを言う世界である、ということ。

アメリカの兵站が全ての方面で伸びきっていることにロシアはつけ込んできたわけで、つくづくロシアというのはパワーの本質というものをよくわかっているんですね。


◆今の世界情勢について 8月18日 副島隆彦
http://www.soejima.to/

1.まず、グルジアに8月9日からロシア軍が進駐(これは明らかに侵略だ。国境線を越えて外国の軍隊が侵攻しているからです)して、そして、どうもグルジアのいくつかの都市に居座りそうだ。黒海の側からもロシア海軍が封鎖線を強いている。 

これで、アメリカその他の国は、ロシアを侵略国として非難できる。アメリカは、ロシアを国際世論で追い詰めて包囲できると、思っただろう。

2.ところが、グルジアの指導部(政権)が、アメリカというよりも、イスラエルやネオコン派が、育てた強硬な軍事主義者たちであることが国際社会にばれてしまった。それで、イスラエルの戦略が、丸見えになった。これで、アメリカ国内(アメリカ議会)が身動き取れなくなっている。 

3.イスラエルは、アメリカとイランが取引して、イランの核施設への、アメリカの先制爆撃(バンカーバスターによる)が、7月17日のヨーロッパがお膳立てした会議で、決まった。ネオコン派ではないバーンズ国務副長官が出席して決めた。

4.それに怒った、イスラエル内の軍事強硬派(旧リクード、ネタニエフ派)は、自分たちだけでのイラク爆撃を今も追求している。しかし、戦略爆撃機の航続距離その他、燃料空中給油と帰還路の確保で、アメリカ空軍の支援なしには出来ない。 ライス国務長官や、ロバート・ゲイツ国防長官(CIA内のハト派、穏健派、良識派、反ネオコン派、オバマ時期民主党政権の対応している人物)たちは、イラン爆撃絶対反対であり、チェーニー副大統領の率いるネオコン残党(イスラエル絶対支持派)と政権内で、厳しく対決している。チェーニー解任の動きまである。

5.イスラエル(の強硬派)は、グルジア問題で、アメリカを巻き込んで、中東に米軍の増派をする計画がうまくゆくように思った。しかし、グルジアの今の政権は、自分たちが背後から動かしているのだ、ということを。あまりにも稚拙に国際社会に見せてしまった。それで南オセチアのオセット人たちのグルジア人の居住区での略奪をロシア軍が今も放置している、という事態になっている。この複雑さゆえに、オセット人たちへの国際社会の共感が生まれない。

このように世界のパワー・ゲーム(権力闘争)は、ビンゴゲームのような、あるいは、東洋の囲碁(いご)のような様相を呈している。相手を挟み撃ち、あるいは取り囲もうとして、自分の方がさらに外側から取り囲まれる、という構造だ。

8.そして、グルジア情勢で、ロシア軍が、グルジアの首都のトビリシを制圧しなくても、バクー(カスピ海)からの天然ガスの輸送ルートである、ロシア、ウクライナを経由しないBTC(ビー・ティー・シー)ルートを、どうも制圧したようだ。トビリシの西の黒海沿岸のあたりの都市でだろう。 これで、フランス、ドイツの首脳までが、急激にシュンとなって黙りこくった。とてもサルコジ仏大統領による和平仲介などど、言えなくなった。ヨーロッパは、このBTC(バクー、トビリシ、ジェイハン)ルートの、グルジアを経由した、ロシアを迂回した天然ガスに頼っているからだ。そのことは、下↓の「933」番で少し説明した。ヨーロッパは、エネルギーの生命線を、ロシアに握られたのである。

9.ロシアと中国は、国境線で反目しながらも(勢いのある中国人がどんどんロシア領内に、資源確保と商売でどんどん蚕食するように入り込んでいる)、それでも、ユーロ・アジア(=ユーラシア)の大大陸同盟で、組んでゆくしかないと、プーチンも分かっている。だから、石油資源の確保(国内の電力不足になる。上海でさえ停電の危機にある)で中国は追い詰められているので、ロシアのバクーの石油を分けてもらわなければならない。「上海機構」という、反アメリカ同盟が、インドや中東諸国までも巻き込んで機能している。

10.イスラエルは、上手にグルジアで戦火を拡大させたようにみえるが、それでも、決定的に自国の存亡の危機を招来してしまっている。それで、辞任したオルメルトの次の、首班指名が容易に出来ない状態になっている。強硬派に任せていても、このままでは、イスラエルは、孤立し、イスラム諸国に包囲されたまま、自滅してしまうことがはっきりしてしまったからだ。自分たちは、やりすぎたのだ、とようやく気づいたようだ。なんとかトルコとエジプトとの裏の連絡網で、アメリカの肩入れで、自国の生き残りを図らなければならなくなっている。どうせ、話し合い(和平の交渉)でパレスチナ問題を解決しなければ済まないのである。そうしないとイスラエル国家そのものの消滅の問題になってしまっている。

11・イスラエルは、すでに中国とは敵対関係になっている。(私たちが、世界レベルの重要研究書「イスラエル・ロビー」(講談社刊)と、「次の超大国は中国だとロックフェラーが決めた」(つい最近、先週から、徳間文庫刊が出ました)の文献で明らかにしたとおりだ。)そして、ついには、イスラエルは、グルジア問題でロシアとも敵対関係に入ってしまった。これが今回、致命的だった。イスラエルは無謀な動きに出たのだ。

(私のコメント)
オリンピックは普段目にしない国が多く出てきますが、ソ連崩壊によってできた国が多い。冒頭の地図を見れば分かるようにロシアは西と南で囲まれた形となり、グルジア戦争はカスピ海と黒海の間の南の玄関先で起きた。BTCパイプラインが通りヨーロッパへの燃料ルートもロシアに押さえられたようだ。

新冷戦時代がやって来たという見方もありますが、ソ連崩壊以来ロシアはアメリカに対してなす術がなかったのが、ようやく反撃体制が整えられつつあることが分かります。その突破口となるのがコーカサス地方のグルジアですが、先に仕掛けたのがグルジア軍であったことがはっきりしている。

オリンピック開会式でプーチンが北京におり、しばらくは反撃出来ないだろうという事で攻撃を仕掛けたのでしょうが、ロシア軍は陸海空の電撃連携作戦で反撃してグルジアの首都のトビリシに迫るほどになっている。停戦に合意がされてロシア軍はい引き揚げるようですが平和維持軍として一部は留まるようだ。

まさにグルジアのサーカシビリ大統領は飛んで火に入る夏の虫になったわけですが、南オセチア侵攻はアメリカの了解なしには出来ることではない。ブッシュ政権の意図は計りかねるのですが、一番慌てたのはフランスやドイツだろう。ポーランドもMDでロシアともめていた。

裏には石油資源をめぐるパワーゲームが繰り広げられているのですが、アメリカによるロシアとEUへの分断工作と見るべきなのだろうか? EUのエネルギー戦略はロシアとの良好な関係を前提にしている。だからフランスのサルコジとドイツのメルケルは慌ててグルジアに飛んでいきましたが、ポーランドは急遽アメリカのMD基地にGOサインを出した。

このようにヨーロッパから中央アジアではグレートゲームが展開されているのですが、アメリカは既に兵站が伸びすぎていてロシアの攻勢に応じきれなくなってきているように見える。パキスタンのムシャラフ大統領も辞任しましたがテロとの戦いにも綻びが生じ始めてきた。

気がついたらイラクとアフガニスタンのアメリカ軍が包囲されていたという事にならなければいいのですが、それに対してイスラエルの強硬派が動いてグルジア戦争へと戦線を拡大したのだろうか? しかしアメリカ軍はグルジアに救援物資を送るのみであり本格的な介入はできないようだ。

アメリカにしても中央アジアの石油は喉から手が出るほどほしいものですが、アフガニスタン経由のパイプラインは計画のみであり、グルジア経由のパイプラインはロシアによって支配されてしまった。EU各国がアフガニスタンにNATO軍を出しているのも石油パイプラインがらみの思惑からですが、形勢は厳しいようだ。

さらには北極海をめぐる争いもロシアとアメリカ、カナダ、ノルウェイとの間でありますが、ロシアは西、南、北と徐々に攻勢をかけ始めてきた。唯一東に対しては無風状態ですが、いずれロシアは太平洋への出口を確保する為に外交攻勢をかけてくるだろう。その時にアメリカはどのように対抗するのだろうか? あるいはアメリカ一国でロシアに対抗できるのだろうか?

ロシアが太平洋への出口を確保するには日本しか障害になる国が無い。ロシアは今のところ海軍の増強にまで手が回りませんが、ロシアの原子力潜水艦が太平洋をパトロールし始めたらアメリカ本土の安全保障に影響が及ぶ。

このようのロシアの復権が進むとまさに新冷戦時代の到来が来たと実感しますが、日本の政治家は能天気であり国内の政局争いしか能が無い。しかしロシアの復権は日本の地政学的価値が再び見直されることであり、アメリカにとって日本の動向が安全保障に大きな影響力を持つようになる。

90年代の日米関係は日本にとって試練の時代だった。アメリカにとって冷戦体制の崩壊は日本の同盟国としての価値を引き下げるものであり、アメリカにとってのアジアのパートナーは中国であるとする勢力が大きくなった。だからクリントン大統領は遠慮なくジャパンバッシングすることが出来た。

エリティン大統領時代のロシアは軍事経済ともガタガタであり、今世紀中は立ち直れないと見られていた。だからこそアメリカは中央アジアの石油を確保しに乗り出したのですが、その戦略はグルジアで綻び始めたのだ。アメリカは手を広げすぎて兵站は延びきってしまった。このような状況ではイラン爆撃など出来る状況ではなくなっている。ロシアがどう出るか分からないからだ。


 

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