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(コメント)ロシアがグルジアに戦争を仕掛けたようだが、ロシア(プーチン)のたった一つの頼みの綱は、「石油高騰戦略だけ」だ(他にはとくにない)。
人口が縮小し、1億人を切ろうとしているロシアの軍事力は縮小傾向にある。
ドルの崩落と原油高騰が続く事は、米ソ冷戦に敗れたプーチンの最大のテーマだ。
宮崎さん記事の文中のパイプライン、ジェイハンルートの地図は下記アドレス(2002年、PDFファイル)。
http://www.lib.utexas.edu/maps/commonwealth/caspian_pipelines_2002.pdf
ロシア、グルジアへの軍事攻勢はアブハジア独立支援だけか?
隠れた意図はジェイハン・ルートを頓挫させ、原油高騰の維持ではないのか
8月10日宮崎正弘の国際ニュース・早読み
http://www.melma.com/backnumber_45206_4189909/
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ロシアはグルジア攻撃をぬかりなく準備してきた。
そもそもコソボ独立に反対し、されどオセチア独立に賛成し、チェチェン独立は武力で弾圧し、ユーゴスラビア解体のときに何も出来なかった恨みを晴らすかのように、グルジアをぺしゃんこになるまで軍事攻勢をかけようとしている。
親米派のサアカシビリ政権があぶない。
英米はこぞって即時停戦を呼びかけ、グルジアは五輪からの選手撤退を検討し、欧州のメディアは五輪そっちのけ、一面トップ・ニュースはグルジアである。
ロシアは資源戦略の一環として複雑な思惑を秘めた軍事作戦を採っている。
第一に北京五輪の虚をついた。
プーチンは何事もないかのような笑顔をつくって北京五輪の開会式へ出席し、胡錦濤やブッシュと握手し、その笑顔を変えないで、グルジア攻撃を命じていた。鉄面皮。
第二は米国が手も足も出せない窮状をしっていて、その隙に乗じた。米国はイラクで泥沼に陥ってしまい、台湾問題でも北京に譲歩するほどの外向的ていたらく、グルジアを救援するために米軍を派遣することはあり得ない。
イランの核武装が着々と進んでいても英米の制裁にモスクワはまったく乗らない。この点では北京と黙契があるかのようだ。
第三にグルジアへの積年の恨みを晴らす絶好の機会なのである。
一昨年、グルジアは二百年ぶりに真の独立を恢復し、ロシア軍は撤退を余儀なくされ、その屈辱の裏返しが年初のオセチア、アブハジア両傀儡政権の事実上の承認だった。外向的に国家承認ではなく、国内国のまま既成事実をみとめ、ロシアの傀儡大統領を「元首」扱いしだした。
戦争準備は出来ていた。
基本的なプーチンの資源戦略は石油高騰を維持し、ガスのカルテルを策定し、さらにウランのカルテルを組織化し、そのためには中央アジアの資源を、ロシアを経由しないルートの建設を徹底的に妨害することにある。
西側が建設を始めたブロッコ・パイプラインに対抗してブルーストリームを並列させて同時に建設し(満鉄に平行した東清鉄道をみよ)、その拠点をベルギー、ウィーンに競わせてむしろEU内部の結束ががたがたに揺らし、ドイツへの資源供給に脅しをかけ、そしてジャイハンルートへの妨害である。
ブロッコ・ルートはルーマニア、ブルガリアを巻き込み、EUの団結を削減し、バルト三国は供給を絶たれて悲鳴を挙げている。
ジェイハンルートとは、中央アジアからアゼルバイジャンのバクー → グルジアを経由し、トルコを西から東へ横断してトルコ南岸のジェイハン港へと至る長大なパイプライン。すでに一日80万バーレルを運ぶが、トルコ内ゲリラの襲撃で五日間ほどストップしたばかりの脆弱性を秘めている。
このパイプラインがグルジア領内を通過している。
ロシアの副次的な狙いは、これであろう。