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http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/The_Bush_Obama_Convergence.html
イラク情勢ニュース URUK NEWS > 2008 解放への道
ブッシュとオバマ接近、イラク問題で新たな合意?
The Bush-Obama Convergence/A New Consensus on Iraq?
カウンター・パンチ
ERIC RUDER/Counter Punch
2008年7月29日 (抜粋)
http://www.counterpunch.org/ruder07292008.html
アメリカによるイラク占領の集結は視野に入っているだろうか?
7月後半、新聞各紙はヘッドラインで、ブッシュ政府とイラク政府高官が米軍撤退にむけて「すばらしい目標にむけて協議する期限」を設けることで合意したと報じた。それは曖昧な表現であり、民主党が提案したときには繰り返し「無責任だ」と非難してきた米軍撤退の「日程表」ではないという弁解の余地をブッシュ政府に残すものだった。
他方、大統領に当選したあかつきには2010年までに戦闘部隊を撤退させると約束いてきたバラク・オバマは、イラクの政治家ならびに米軍の現地指揮官と協議するためにバグダッドを訪問して世界の注目を集めた。
オバマがバグダッドに到着する直前、マリキ首相がドイツのシュピーゲル誌とインタビューしたことが報じられたのは、マリキが2010年までに米軍を撤退させるという撤退期限に裏書きを与えたからであり、速やかな撤退を願っている彼はイラク情勢をより的確に評価しているという発言が強調された。
イラク問題でオバマとマリキとブッシュ政府が突然歩み寄ったことで、米共和党の大統領候補マケインは置き去りにされた。この数ヶ月は、マケインは16ヶ月以内の撤退というオバマの提案をやり玉にあげて、イラク情勢を理解していないとオバマを攻撃してきた。それが突然、アメリカとイラクの首脳から、マケインが仲間はずれにされたようだ。
マケインは方針転換をはかるかもしれない。シカゴ・トリビューンの記者スティーブ・チャップマンは、「もしマケインの掲げる政策に確固たるものがあるとしたら、それはイラク撤退の日程表を設けていないということだ」と論評した。「だから7月21日に、米軍は2年以内にイラクから離れるかという質問に、「ああ、私が言ってきたように、それは大規模な撤退となるだろう」と彼が答えたのは驚きだった」。
これらのことから、大きな疑問が生じる。イラク問題での新たなコンセンサスの裏に何が隠されているのか? 表面的な現象ではなく、さまざまな登場人物が事実上歩み寄っている背後にどんな方針が隠されているのか?」
イラクが行ってきた「大また」での議論に欠けているのは、イラク人の危機が続いているということである。夏のうだるような時期にも電気が通じず、食料価格は高騰し、大量の失業者があふれ、大勢の避難民が危機的状況にある。
しかし「増派作戦の成果」が止むことなく繰り返されることで、アメリカの政治家には確実にそれと矛盾する圧力が加わっている。つまりイラク情勢がそれほど改善されているのなら、なぜ米軍が駐留しなければならないのか? ということである。
アメリカとイラクでは選挙が近い、という、さらに重要で差し迫った要素がある。
アメリカ国民の3分の2以上が米兵を即時帰還させることを求めている。それゆえ、オバマが米軍の戦闘部隊を撤退すると約束する理由は容易に察せられる。
しかしアメリカの選挙(大統領選挙/訳註)は直接ブッシュに影響するのではない。そこでブッシュが「素晴らしい目標への期限設定」に合意する理由は何だろう?
それはブッシュ政府高官とマリキが、目下、いわゆる「地位協定」をめぐって交渉中ということである。米軍のイラク駐留を承認した国連の任務が12月30日に期限切れとなるので、その後の米軍駐留を裏付ける協定となる。
この交渉はやがて行われるイラクの選挙での焦点となってきた。選挙は当初10月に予定されていたが、2009年にほぼ延期されることになった。投票をどのように行うかについて、イラクのスンニ派、シーア派、クルド人のあいだに難しい不一致があるからである。
にもかかわらず、マリキは米軍撤退に日程表を設定するよう大きな圧力を受けている。さもなけらば彼のダーワ党は選挙で敗北する危険がある。
2005年1月に行われたイラク国民議会の選挙も同様で、主要な候補者は皆イラク人有権者の気を引こうとして、米軍撤退の日程表を公然と要求していた。
実際のところ、イラクの傀儡政府は、権力を掌握し続けるうえで、米軍の存在に頼りきっているので、米軍撤退という約束は国内の政治圧力むけの姿勢と理解されなければならない。
米軍の地位協定をめぐる交渉に米軍撤退の日程表が含まれ、さらにはアメリカがイラクの制空権を支配し続けるとか、イラクの法律への遵守義務を米軍は免れるとか、米軍が軍事攻撃を展開する権利、要塞化された基地とバグダッドの巨大な米国大使館の存続といった、米軍撤退と矛盾する他の条件が同時にこまごまと議論される理由がここにある。
これらの目標達成の手法に重要な違いがあるにしても、言葉遣いの差異とは裏腹に、民主党は共和党と同じ外交目標によって導かれている。
オバマの外交政策は中東の内外でアメリカの利益を追求することを掲げている。またオバマはアフガニスタンに米軍兵力を増やしたがっている。オバマはイランとの直接対話を行うべき時期だとも言う。そしてブッシュ政府はその通りに実行している。
オバマの姿勢をその外交チームの見解ともども注意深く観察すると、伝統的なアメリカの外交政策となんら違わないことが明らかになってくる。・・・オバマは悪と戦い究極の善なるものを掲げて世界を指導するアメリカを建設しようとしている。これはブッシュ大統領が約束したこと、そしてマケイン上院議員が再確認したこととどこか違いがあるだろうか?
誰が次の大統領になろうと、アメリカはその政治、経済、他国への戦略的干渉という政策を継続するだろう。大統領が民主党であれ共和党であれ、アメリカは「侵略的な国際主義」政策を続けるものと思われる。
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