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米金融危機:自己責任原則の放棄で米国は弱体化
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http://chikyuza.net/modules/news4/article.php?storyid=1262
ロイター「米金融危機:自己責任原則の放棄で米国は弱体化、ドルは凋落」<安東次郎>
18日 ロイター 森 佳子記者の記事が面白かったので、以下一部を紹介。
信用バブル崩壊後の不良債権問題の深刻化で追い詰められた米国は、「自己責任原則」や「時価会計ルール」など米国社会の真髄を貫くルールを自ら放棄しはじめた。/ これは急場しのぎとしては有効かもしれないが、世界の信頼を損なうことで、米国の弱体化は加速し、基軸通貨ドルの凋落の歩みを早め、将来に取り返しの付かない禍根を残すことになるとの見方が世界の投資家の間で聞かれる。
<自己責任原則の放棄> 米国社会の根幹をなすルールは「自己責任原則」であり、これを法律に例えれば米国の憲法のようなものだ。/ 「切羽詰った米国は、とうとう自己責任原則という『踏み絵』を踏んでしまった」 「これを放棄することは、米国の自己否定を意味し一番の強みを捨てたことになる。今後、米国の信用は、国際的にも国内的に失墜し、弱体化が加速するだろう」と[ファースト・インターステート・リミテッド香港社長]中山氏は予想する。
都合に合わせてルールを変更するということは、米国が政治の世界で何度もやってきたことだ。これが経済の世界でも通用するのか、目下、金融市場に試されている。
<時価会計原則の裏技> 米国は金融機関の決算について、時価会計ルールを早々と放棄し、・・・国を挙げて金融機関の粉飾決算の片棒を担いでいるとの批判が、米国以外の国々で上がっている。
「かつて米国は、日本に対して時価会計ルールの厳格適用を声高に要求し、日本の金融機関を潰しておいて、自分が困ったときには、勝手にルールをネジ曲げるのは許しがたい」(本邦金融機関)。「時価会計のポイントは、ガラス張りで全体が見渡せることだ。少しでもルールを曲解すれば、全てが台無しになる。米国がフェアなアカウンティングとして世界に売り込んだものを、自らの都合で柔軟運用するとは、呆れて物が言えない」(アジア系金融機関)と絶句する。
米国が政府を挙げて支援しているGSE[政府系住宅金融機関]の会計も柔軟運用の一例だ。
[東海東京証券チーフエコノミストの]斎藤氏によれば、ファニーメイは資産がわずか2%目減りしただけで、株主資本を超える損失が発生するほど資本が脆弱な状態で、損失処理ができるほどの資本増強が早急に必要だという。プール前セントルイス地区連銀総裁は「両公社が破たん状態にあると認識するべきだ」と述べている。
斎藤氏によれば米金融機関が活用する会計の裏技には少なくとも3種あるという。/ 第1に、損失が出ている保有証券を「満期まで保有するつもりで、売却可能で流動性が高い」というカテゴリーに分類することで、「簿価」評価[する] / 第2に、レベル3資産(流動性も指標もなく各社が独自の推定によって評価する資産)をヘッジするためのデリバティブ資産についての未実現収益を計上・・・。実際、米投資銀行はレベル3資産から巨額の未実現収益を計上している。/ 第3に、大きな損失を出した場合は、金融当局に時価評価を一時凍結・・・。バーナンキ議長は・・・「必要であれば一時凍結することもありうる」ことを示唆している。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-32817520080718
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