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米国の長期戦略書の「アジア2025」では、南アジアでは米国の古くからの同盟国は助けにならない。日・韓の基地の重要性は大幅
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投稿者 TORA 日時 2008 年 6 月 28 日 14:19:36: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu170.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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米国の長期戦略書の「アジア2025」では、南アジアでは米国の古くから
の同盟国は助けにならない。日・韓の基地の重要性は大幅に薄れる

2008年6月28日 土曜日


米国を代表する軍略家のアンドリュー・マーシャル氏


◆特集:アジア2025と米国の対テロ戦略 2001年10月5日 吉崎達彦
http://tameike.net/pdfs1/tame121.PDF

米国外交は良くも悪くも視野が短期的で、ブレも大きいというのは衆目の一致するところでしょう。とくに中東やアジアでは、敵味方を頻繁に取り替えては、問題をややこしくしてきた感は否めません。サダム・フセインもビンラディンも、ある意味では一貫性のない米国の方針が育ててきたたのは衆知の事実です。

とはいえ、長期的な視点で国際情勢をしっかり見ている人がいるのも、米国の見逃せない一面です。その優れた例として、今週号で取り上げる「アジア2025」という思考実験があります。今後の中央アジア/南アジア情勢を占う重要な材料であるだけではなく、米国の対テロ戦略に対するヒントを与えてくれると思います。

●伝説の老戦略家

国防総省には伝説の戦略家がいる。その名はアンドリュー・マーシャル。インターネットで検索をかけても、同名異人ばかりがヒットして、なかなかこの人物にはたどりつかない。なにしろ著書もなければ学術論文もない。その代わり今年9月で80歳になるマーシャル氏は、先見性のある省内限りのメモを書くことで、ペンタゴンで強力な影響力を有してきた。以下、限られたソースからこの人物の輪郭を描いてみる。

国防総省長官官房付属・相対評価室(Office of Net Assessment)というのが、同氏が所属する組織である。聞きなれないこの職名は、米軍の相対優位・劣位を評定するために1973年に作られた。マーシャル氏はその初代室長であり、28年後の現在も室長を続けている。ニクソン大統領から現ブッシュ大統領まで、仕えた大統領は実に7人。ほとんど公務員制度の埒外に置かれているような存在だ。政治任命が多い米国において、これだけ長期間にわたって同じポジションを占めているのは、おそらく唯一の例だろう。

なぜこんな特別扱いが許されるのか。他の官庁とは違い、防衛戦略だけは長期的視野で考える人材が必要だと、ペンタゴンは戦略家を温存してきた。マーシャル氏はその頂点ともいうべき存在で、アーミテージ国務副長官などの弟子を数多く育ててきた。この間、「カーター政権の在韓米軍削減を止めさせた」「1970年代に、ソ連の軍事的実力は見かけより弱いと判定した」など、伝説には事欠かない。

軍事アナリストのジョン・ヒレン氏は、「数多の国防総省官僚の中で、マーシャルは唯一異説を唱えることで給料を得ているベテラン」と呼ぶ。ブッシュ政権発足後、ラムズフェルド国防長官は、軍事戦略の前面見直しの責任者にマーシャル氏を任命した。彼がRMA(Revolution in Military Affairs=軍事革命)というコンセプトを提示し、防衛戦略から装備大系に至るまでの全面見直しを提案していたからだ。

マーシャル氏が描く未来社会では、敵は弾道ミサイルや生物化学兵器を使い、安い兵器や情報技術を駆使した戦術で挑戦してくる。米軍が誇る戦車や空母、戦闘機などの従来の兵器は、これらの敵には通用しない。それどころか巨大な米軍基地や空母は、絶好の狙い目になってしまう。ゆえに既存の陸海空軍を大胆に改革してゆかないことには、新しい脅威に対抗できない。ラムズフェルド?マーシャルラインは、画期的な軍の改革を目指している。

10月1日、ラムズフェルド国防長官は、今後4年間の米国の国防指針となる「QDR」を議会に提出した。9月11日に起きた同時テロを踏まえ、通常の軍事力では防御できないテロ攻撃などへの対応を急務と指摘し、米本土防衛と特殊部隊強化を最優先に掲げたものといわれている。

しかしテロ事件がなくても、おそらくこうした変革は進められていただろう。そして9月11日に発生したテロ事件は、マーシャル氏が描いていた懸念がかなり近い形で現実のものとなった。老戦略家の慧眼が発揮された最新の例といえるだろう。

●「アジア2025」が予測したこと

1999年夏、ペンタゴンでは対アジア戦略研究が行われた。スローコム国防次官(政策担当)の私的諮問機関が、マーシャル氏の指導の下、7月25日から8月4日にかけてロードアイランド州ニューポートの海軍戦争大学に集まってまとめたもの。これが「アジア2025」である。

参加者一同は、25年先のアジアがどう変化し、米国はどんな状況に直面するかのシミュレーションを実施した。ここで示されたシナリオは、「いかにもありそうな展開」というよりは、「敢えて悪い可能性に着目したもの」である。それだけにキワモノだという見方をする論者も少なくないが、ペンタゴンの戦略家が職業的な悲観論者として、ここに描かれたような可能性を検討済みであるという事実は重い。さらにいえば、今回のアフガン包囲網の構築においても、「アジア2025」の思考実験が活かされている可能性は高い。

3「アジア2025」は日本でも報道され、『世界週報』2000年12月5日号から2001年1月16日号まで抄訳が長期に連載されている。ただし、話題になったのは第1シナリオの「日本が核武装する」というくだりだけだった。だが全体を通してみると、ペンタゴンがいかに柔軟な思考をしているかがよく分かる。それどころか、今回の事態をかなり的確に予言していることに驚く。以下にポイントを掲げておく。

<国防省にとっての意味>
・2025年までのアジアでは、われわれは「直線状でない」事態によって驚かされることになろう。
・アジアの火薬庫は、北東アジアから南と西(インド、インドネシア、イランなど)に移動する。
・公式の固定化された同盟よりも、多様で流動的で非伝統的なパートナーが有用になる。
・力と力の領土征服といったタイプの古典的な対決は少なくなり、非対称的な敵もしくは国家でない行為者との交戦を想定する。
・破産しつつある国(パキスタン、インドネシア)での行動を強いられるかもしれない。

<人口変化とエネルギー>
・2025年のアジアを予測するために、人口統計学とエネルギーに着目する。
・パキスタンはロシアの2倍の人口になる。アジアのすべての主要国で人口は増加しているが、インドを除けば増加のストップは視界に入っている。
・高齢化する前に富裕になった日本とは異なり、中国では富裕になる前に高齢化が始まる。2015年の中国では、結婚年齢の男性が女性を1500?2500万人上回る。
・アジアのエネルギー需要増加に伴い、マラッカ海峡、ホルムズ海峡、インド洋、南シナ海などの海上交通路への依存が増大する。海軍の比重が高まるだろう。

<シナリオが示唆するもの>
・欧州とアジアの軍事的資産の配分はほぼ均等だが、人員は欧州に偏っており、アジアの言語を学ぶ将校は少ない。北東アジアに執心するあまり、東南アジア、南アジア、中央アジアへの関心がそれてしまいがちである。
・インドは米国の国防立案者の注意を引く存在になるだろう。
・グローバル化はわれわれのシナリオでは紛争の原因であり、大量破壊兵器の拡散を促進する。

この後の部分で、4つのシミュレーションを行っている。
(1)アジアの再編(南北朝鮮平和条約、米軍撤退、日本の核保有、中台緊張)
(2)新南アジア秩序(パキスタン崩壊、印パ緊張、インド超大国化、イラン接近)
(3)強い中国と弱い中国(影響圏の拡大と日本の退潮、or 経済停滞から分裂、米国の介入)
(4)中印によるアジア分割支配(インドネシア崩壊、シーレーン悪化、中印接近)このうち、今度のテロ事件の行方にからむ第2シナリオを紹介しよう。

●南アジアの2025年

・2010年のパキスタンは崩壊寸前となる。パンジャブ人による支配に対し、シンド人、バルチ人、パタン人が反乱を起こす2。イスラム原理主義も不安定化をもたらす。アフガンではタリバン政権(パシュトゥン人)は、タジク人やウズベク人などの住む地域までは支配できない。タリバンは南アジアの至るところで、過激なイスラム組織の温床と化す。

・パキスタン政府は2012年までに麻痺状態となる。原理主義者がカシミール地方に潜入し、暴力をエスカレートさせる。インド軍が侵攻すると、パキスタンは核攻撃を加える。全面核戦争を避けるために米軍が介入する。・パキスタンは無政府状態となり、インド軍が空白を埋める。インド連邦の誕生である。これに伴って中央アジアではアフガンが崩壊し、イランやタジク、ウズベクが侵攻し、アフガンは解体される。
・2020年までに地域超大国のインド連邦が出現し、中央アジアも安定化する。パイプラインの敷設が可能になる。インド連邦はイランやペルシャ湾岸諸国との連携を強化。
・ロシアは新興のイラン・インド同盟に接近する。ロシアの分裂は加速。中国はインドが勢力を増したことを受け、北部や南部で影響力を強める。

<国防総省の課題>
・米軍は予期せぬパートナー(インドとイラン)を得る。この二国が協力してシーレーンを防衛すれば、湾岸とインド洋での米国の責任は軽減される。
・地域大国インドの出現に対する中国の反応は予測が難しい。
・南アジアでは米国の古くからの同盟国は助けにならない。日本や韓国の基地の重要性は大幅に薄れる。

なんとパキスタンは、2025年までに地図上から消えてなくなることになっている。これは、米国国防総省がそういう予想をしているというよりは、米国の戦略家が未来予測に当たって「補助線」を引いたと理解すべきだろう。興味深いのは、「アジア2025」がパキスタンとアフガニスタンの長期的な脆弱性を指摘しており、それに代わってインドとイランが安定した地域大国になると見込んでいることだ。

こういう大局観は、実際にブッシュ政権の外交政策に活かされているように見える。事実、ブッシュ政権はインドに接近するとともに、イランに対する制裁解除を匂わせている。そして冷戦時代のパートナーであったパキスタンとは疎遠になっている。
(後略)


(私のコメント)
「株式日記」では「アジア2025」を何度か紹介してきましたが、アメリカの長期戦略を見る上では「アジア2025」は見逃せないレポートだ。その上で見ればアメリカの北朝鮮へのテロ指定解除は予定された路線なのだろう。アメリカは東アジアから中東に軍事戦略の主力を置くことは10年前のこの論文からも伺える。

アメリカから見れはヨーロッパも東アジアも落ち着いたと見ているのだろうか? 中国は軍事的野心から台湾や南沙諸島に手を出さないと言えるのだろうか? あるいは手を出してもアメリカは反撃せず容認する可能性もある。中国もあえて武力侵攻せずとも台湾は平和裏に転げ込んでくると計算しているふしもある。

朝鮮半島も冷戦時代とは異なり、アメリカにとっては朝鮮半島はどうでも良く以前から在韓米軍の撤退が出ては消えていた。しかしアジアにおいては中国や北朝鮮は共産主義国家であり冷戦構造は残っている。ロシアや東欧のような共産主義の崩壊はまだ起きていない。

にもかかわらずアメリカは、アジアから南アジアから中東に軍事シフトするのは石油とイスラエルの為だろう。戦略を考える上では人口統計やエネルギー問題などが非常に大切な要素ですが、数字的に掴みやすいからだ。アメリカ自信の将来見通しについても国内石油の枯渇からアメリカの長期的衰退は避けられない事はアメリカ自身が一番よく知っている。

だからこそアメリカ軍はヨーロッパや韓国や沖縄から戦力を移動させてイラクに軍を集結させている。民主党のオバマ候補がイラクからの撤退を公約にしていますが、たとえ大統領に選ばれてもオバマ氏はイラクからは撤退できないだろう。共和党のマケイン候補も100年間イラクに常駐し続けると発言している。

中東の石油を確保できるかどうかがアメリカの盛衰を決めるカギになりますが、地政学的に長期間の軍事作戦は無理ではないかと「株式日記」では書いてきました。現在でもアメリカ軍は月に一兆円ものイラク戦争の軍事費を使っていますが、いつまで持つのだろうか? 国内でもサブプライム問題で金融の導火線に火がつき始めた。

「アジア2025」では韓国や日本の軍事基地の重要性は薄れると予想していますが、遅かれ早かれアメリカ軍は日本から引き揚げていくのかもしれない。民主党のオバマ候補が大統領になれば、予想より早くアメリカ軍はアジアから引き上げていくだろう。

アメリカが誇る11隻の原子力空母も、80隻の原子力潜水艦もテロリスト達には有効ではなく金食い虫だ。このような従来型の兵器は敵の攻撃目標になるだけになってしまうと警告している。中国の潜水艦が米空母部隊のど真ん中で浮上した事も二度あり、米機動部隊は無敵ではなくなった。だからアメリカは台湾を中国に売ったのだ。

日本の米軍基地も北朝鮮や中国の中距離ミサイルの目標になって意味がないだろう。だからアメリカ軍は日本からも基地を撤去して引き揚げて行くはずだ。それに対して日本の政治家や官僚たちは6000億円もの思いやり予算で米軍を引き止めているというのが本当ではないだろうか。

だからこそ日本の反対にもかかわらず、アメリカは北朝鮮をテロ指定解除するのだろう。「アジア2025」では日本が核武装すると予想していますが、日本が核武装しなければアメリカは中国にアジアの覇権を渡すつもりなのだろう。台湾が中国のものとなって一番打撃を受けるには日本であり、シーレーンが中国によって遮断される可能性が出てくる。そうなれば日本は中国の勢力下に入ることを意味する。

日本が中国の勢力下に入れば、日本の左翼は政権を取って日米安保を廃棄するだろう。そしてアメリカ軍は日本から撤退していくことになる。左翼政権は日本弱体化の為に中国や朝鮮半島から移民を大量に受け入れて無力化して日本をチベット化していくつもりだろう。日本の技術や資本は中国に奪われて軍事強化に使われるだろう。

「株式日記」では日本の核武装と自主防衛を主張しているのですが、それが長期的に見ればアメリカの望むところでもあるだろう。日本が立ち上がれば台湾も中国に奪われる事はないだろうし、中国海軍が大手を振って太平洋に出てくる事もないだろう。それに対して親米ポチ保守派はアメリカにすがりつく事で日本は安泰だと思い込んでいる。

つまり、自主防衛と核武装こそが究極の親米派なのであり、アメリカにすがりつく親米派はアメリカにとってはお荷物でしかない。このような事は「アジア2025」を見れば見抜けることなのですが、日本にはこのような長期的戦略を描ける戦略家がいない。拉致問題にしても日本の問題なのだから、昨日も書いたように自分で解決できるような国にすべきなのだ。

 

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