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http://mainichi.jp/select/world/news/20080522k0000m030132000c.html
パキスタン:武装勢力への対応転換、対テロ同盟国に亀裂
【ニューデリー栗田慎一】パキスタンが進める国内の武装勢力との「対話路線」に、隣国・アフガニスタンが、神経をとがらせている。パキスタン側の武装勢力が、アフガン内の旧支配勢力タリバンや、国際テロ組織アルカイダと連携するためで、アフガンで展開する米や北大西洋条約機構(NATO)もパキスタンを批判。パキスタンの対話路線は、対テロ同盟国間に亀裂を生み始めている。
アフガンのスパンタ外相は20日、首都・カブールで会見。パキスタンの対話路線を「危険な譲歩で、深く憂慮している」と初めて批判した。
これまでパキスタン側武装勢力は、アフガンで武力闘争を行うタリバンに活動拠点や軍事訓練基地を提供するなど「後方支援」を行ってきた。その一方で、パキスタン国内では同武装勢力の掃討作戦を続けたムシャラフ政権に自爆攻撃で応戦。国内の治安は極度に悪化し、2月の総選挙でムシャラフ大統領の最大与党が大敗した。
このため同選挙に勝った旧野党勢力のギラニ連立政権は「治安回復に対話が必要」と方針を転換していた。
だが、米政府は「なぜテロリスト(武装勢力)などと交渉できるのか」(ネグロポンテ米国務副長官)とけん制。アフガンで復興・治安維持にあたるNATOも14日、対話路線がタリバンに「隠れ家を提供している」と強く批判している。
これを反映してか、18日のブッシュ米大統領とギラニ首相との初の首脳会談は、テロとの戦いでの共同方針を確認できないまま。一方アフガンでは4月、タリバンなどによる攻撃件数が昨年同月比で50%増えるなど、治安が悪化してもいる。
これに対しパキスタン側は5月、「対話路線は国民の意思だ」(情報省高官)と批判に反発している。
【武装勢力との対話路線】ムシャラフ・パキスタン大統領は06年9月、米国の反発を押し切り国内の武装勢力と停戦協定を締結。07年7月、パキスタン軍が武装勢力と連携するモスクに突入し、協定は破棄されたが、ギラニ首相は3月に対話路線を示し、武装勢力も「米国との断絶」を条件に応じた。武装勢力はイスラム原理主義者で、アフガン国境沿いの部族支配地域が拠点。パキスタン政府がタリバン政権を支援した90年代の再来を期待する。
毎日新聞 2008年5月21日 22時41分