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http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20080323-OYT8T00565.htm
広島市立大広島平和研究所の高橋博子助教が、原爆投下後の米国による情報統制や、その後の米核戦略の背景を明らかにした「封印されたヒロシマ・ナガサキ 米核実験と民間防衛計画」(凱風社)を出版した。米国立公文書館から入手した資料を基に、放射線の人体への影響を過小評価し続けた米国の姿勢を問う内容で、高橋助教は「今後も公開された資料をひもとき、コントロールされていた原爆の情報を明らかにしていきたい」と話している。
高橋助教は、同志社大大学院文学研究科を修了後、1995年に米メリーランド大に留学したのをきっかけに、米国立公文書館で機密解除された原爆や核実験に関する資料を収集。今回の本では、2006年11月までに集めた資料を基に、米国が行った原爆情報収集と報道統制、ビキニ環礁での核実験や民間防衛計画など、全5章でつづった。
広島、長崎への原爆投下後、米国が被害に関する情報を管理・統制し、とりわけ人体への放射線の影響を過小評価したことについて高橋助教は「原爆投下への批判をかわし、核兵器開発や核実験をやりやすくする意図があったのではないか」と分析。第五福竜丸の被曝(ひばく)前まで「広島、長崎では残留放射線は人体に影響を与えていない」とする見解を米国が主張し続けたことが、初期放射線しか考慮されない現行の原爆症認定基準に大きな影響を与えたと指摘している。
核実験や原爆投下に関する文書は、90年代から徐々に機密解除されてきたが、公開されたのはその一部だけだといい、高橋助教は、「核を肯定するため、広島、長崎の被害の実態は隠されている。この本が、戦争や平和を考える人の手助けになれば」としている。
(2008年3月24日 読売新聞)