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コソボ独立の問題は、欧米がロシア包囲網を止めて、対中包囲網を形成する兆しなのだ。チベット暴動は中国を数カ国に分断する兆し
http://www.asyura2.com/08/wara1/msg/811.html
投稿者 TORA 日時 2008 年 3 月 22 日 16:30:12: GZSz.C7aK2zXo
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu164.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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コソボ独立の問題は、欧米がロシア包囲網を止めて、対中包囲網を
形成する兆しなのだ。チベット暴動は中国を数カ国に分断する兆しだ。

2008年3月22日 土曜日

◆アメリカの欺瞞・国連の機能不全→コソボ問題 2月27日 ロシア政治経済ジャーナル
http://archive.mag2.com/0000012950/20080227042342000.html

▼コソボ問題の影響

(前略)
さて、コソボ独立の影響ですが。ロシアが指摘しているように、新たな独立国がジャンジャン生まれるといった事態は、短期的には起こらないでしょう。しかし、「前例」にはなりますね。

独立を目指す勢力は、「コソボがいいなら、なぜ俺らは悪いんだ!」という論理を展開するでしょう。それ以上に私は二つのことを懸念しています。

まず第一に、アメリカには再びセルビアを空爆する意図があるのではないか。もちろん確信はありませんが。前回の空爆は、ITバブル末期の99年でした。その後00〜01年にITバブルがはじけ、アメリカ経済はリセッション入りします。

ところが、世界経済はほとんど打撃を受けることがありませんでした。FRBが継続的に利下げをし、不動産バブルを形成したということもあります。しかし、もう一つ見逃せないこと。この期間アメリカは一年おきに3回戦争をしている。

99年ユーゴ空爆、01年アフガン攻撃、03年イラク攻撃。今再び、アメリカ経済はピンチに陥っています。コソボ独立に怒るセルビア人が、アメリカ大使館を焼き払っている。ひょっとして、ほくそ笑んでいる人たちがワシントンにはいるのではないでしょうか?

だいたい、イスラエルとパレスチナの問題は1948年以降60年もつづいています。なんでセルビア・コソボ問題を、大急ぎで解決しなきゃいけないのか、明確な理由はみあたりません。

(アメリカがGOサインを出さなければ、コソボは独立宣言しなかったでしょう。)

次に長期的な影響について。

欧米と中ロの主張を比べると、明らかに中ロの主張が法的です。欧米自身も認めている。欧米は、国際法違反だが、「セルビアがコソボのアルバニア人を虐殺したので特殊事例だ」としている。それでも国際法違反であることにかわりません。しかも、クルドの例を見てもわかるように、実はちっとも特殊事例ではないのです。

一方、中ロの主張は、「領土保全の原則が上である」ということで一貫しています。もちろん、チベット・台湾・チェチェンなどはかわいそうですが、感情論と法的な話はわけて考えなければなりません。

問題は、世界の多少知的レベルが高い全ての人々は、アメリカの主張の矛盾に気がついているということです。アメリカは03年、ウソの根拠(フセインはアルカイダを支援している、大量破壊兵器を製造・保有している)で、国連安保理の承認を得ないままイラクを攻めました。

ネオコンは、「アメリカは経済力でも軍事力でも世界NO1だから、超法規だ」なんて思っていたのでしょう。しかし、イラク攻撃後アメリカの国際的地位は明らかに下がりました。コソボ問題でも同様の結果になることでしょう。

(中略)

中ロも自分の利益だけを追求しているのですが、建前「国連重視」「国際法堅持」という主張をし、多くの国から支持されています。例えば、反米の砦上海協力機構は、中国・ロシア・カザフスタン・ウズベキスタン・キルギス・タジキスタンが加盟国。これに、インド・パキスタン・イラン・モンゴルが準加盟国。

去年の首脳会議には、アフガニスタン・トルクメニスタンが加わり、一大勢力になっています。ここには、世界経済を牽引するブリックスのうち3国(中ロ印)がいる。さらに、ロシア・カザフスタン・ウズベキスタン・イラン・トルクメニスタンは世界的資源大国。

それだけ中ロ多極主義陣営の求心力が上がっているということ。なぜ中ロが支持されるのか? アメリカのように法ではなく力でゴリ押しする国があると、どの国の元首も安心して眠れないのです。

日本はアメリカの同盟国で、当然同国との関係は最重要。しかし、「日本はアメリカと共に『自由』と『民主主義』を世界に広げていきます」などと、赤ん坊のような主張を宣言するべきではありません。

世界の人々はそんな日本を見て、「ああ、日本もアメリカと同じウソツキになったか」と軽蔑するからです。それより、「日本は、多様な価値観を認め、共生を目指します」と宣言するべきなのです。


◆米露の接近、英の孤立 3月22日  田中 宇
http://tanakanews.com/080322russia.htm

▼米露接近のきざし

 多極化の話は範囲が広いので、今回も前置きが長くなってしまった。今回の本題は、米英中心体制のもう一つの柱である、欧米による対ロシア包囲網が崩れそうだという話である。この件も、4月前半にかけて大転換が始まりそうだ。

 ブッシュ政権は従来、欧米の軍事同盟であるNATOを率いてロシア包囲網を作り、ウクライナやグルジアといったロシア近傍の旧ソ連諸国をNATOに加盟させる、というロシア敵対策をとってきた。しかし3月17日に、アメリカのライス国務長官とゲイツ国防長官らがモスクワを訪問し、ロシア側と米露間の今後の「戦略的関係の枠組み」(strategic framework)について協議し、米露が劇的に和解しそうな感じが強くなっている。(関連記事)

 劇的な和解の具現化になりそうなのは、NATOが窮地に陥っているアフガニスタンの占領を、ロシアが助ける構想である。アフガニスタンは06年から、イラクに忙殺される米軍に代わってNATO軍が占領しているが、反欧米・親タリバンのイスラム主義の高まりを受けてNATO軍は苦戦し、ドイツやオランダなどは、早く撤退したいと考えている。(関連記事)

 アフガニスタンはパキスタン、イラン、中央アジア諸国に囲まれる内陸国で、NATOがアフガンに武器や物資を送るには、ロシアを通らねばならない中央アジア経由と、欧米が敵視しているイラン経由のルートは使えず、パキスタンが唯一の補給路となってきた。だがパキスタンの対アフガン国境地域の北西辺境州では、今年2月の選挙で、反米で親アフガン的(ただし反イスラム主義)なパシュトン人ナショナリズム(中道左派)のアワミ国民党が勝利し、パキスタンを補給路として使い続けることが困難になっている。(関連記事)

 2月の選挙で、パキスタンでは、暗殺されたブット元首相の一族の政党(PPP)と、シャリフ元首相の政党(PML−N)が勝ち、連立して政権を担当する動きになっているが、ブット家とシャリフ家は、父親たちの代からの50年間の対立の歴史がある。ブット家はシンド州、シャリフ家はパンジャブ州という、地縁に基づく大きな対立もある。両党は、今後は気持ちを入れ替えて仲良く連立政権を作る、と今は言っているが、独裁だったムシャラフ大統領の権限を奪った後、連立与党は政権争いの内部分裂で瓦解し、パキスタンは内乱状態に陥る可能性が高い。パキスタンはNATOの補給路として使えなくなる。(関連記事)

 NATO内では、イギリスはアフガニスタン占領を何とか成功させようとして、タリバンと交渉する戦略を進めたり、イギリス人の「アフガン総督」を置く構想をぶち挙げたりしてきた。しかし、アメリカは反対にアフガン占領を難しくするような戦略(表向きは大失策)を進め、アフガン・パキスタン国境地帯を空爆してパキスタン側の人々の反米感情を扇動したり、アフガンのカルザイ大統領を焚き付けてイギリスの総督構想に反対させて潰したりしてきた。(関連記事)

▼新レーガン主義ブッシュ政権による冷戦終結の再演

 イギリスによるアフガン占領立て直し戦略は破綻し、パキスタンは混乱の際にある。そんな中で、アメリカはロシアに対し「NATOの物資や武器を、ロシアから中央アジア経由でアフガンに運ぶことを了承してくれたら、ウクライナやグルジアのNATO加盟を取り止めてあげる。アメリカがポーランドやチェコに配備するつもりだったミサイル迎撃施設も作らない」と非公式に持ち掛けた。(後略)

(私のコメント)
まことに国際情勢は複雑怪奇なのですが、日本は島国のせいか国家間の外交的駆け引きにはまったく疎い。戦国時代の武将ならば寝返り工作や裏切りや合従連衡などは日常茶飯事だったのですが、徳川300年の間にすっかりボケてしまって、複雑怪奇な国際関係においてピエロ的動きをしている。

松岡外交における三国同盟はその典型なのですが、同盟国のドイツの動きに翻弄されてしまって日本は取り返しのない結果となってしまった。同盟国のドイツが独ソ不可侵条約を破ってソ連と戦争を開始した事は、松岡の四カ国同盟の構想をご破算にするものだった。まさに松岡外相はピエロのなってしまった。

四カ国同盟は今で言うならばEUとロシアと日本との大同盟ですが、米中同盟に対する牽制手段になるかもしれない。あるいは対中包囲網という構想ならばEUとロシアと日本とアメリカでの包囲網であり、このような構想もまったくないとは限らない。中国もアメリカ経済界を引き込んで分断工作をするし、上海協力機構という強力な同盟も現実に存在している。

アメリカとしてはロシアと中国を外交的に揺さぶって中ロを分断することは戦略的課題だ。日本にとっても中ロを分断することは利益になる。ところが日本の外交戦略は日米同盟一本やりであり、それ以外の外交戦略はまったく思考停止状態で考える人もいない。

国際間の同盟関係というのは、表では握手しながら裏ではナイフを突きつけながらの関係なのですが、日本は同盟国に裏切られると言う発想を考える人がいない。例えばアメリカが日本を裏切って中国と同盟関係を築くと言うことは「株式日記」でも何度も書いてきた。

例えば台湾に対するアメリカの裏切りは米中国交回復で明らかですが、日本がいつ台湾のようにアメリカに裏切られるか分からないという警戒をする人は少ない。アメリカとしては日本と同盟を組むより中国と同盟を組んだほうが利益になると思えばアメリカは日本を切るだろう。

最近のアメリカ外交の変化は複雑怪奇であり、アメリカにとってロシアと中国は敵であり味方でもある。この前まではMDで対ロシア包囲網を築いていたが、アフガニスタンが危ないとなればロシアとの関係を改善して対アフガン作戦に協力体制を築こうとしている。アフガニスタンは対中包囲網の拠点でもあるからだ。

コソボ独立問題はアメリカの了解なしにはできえない事なのですが、アメリカはなぜ特殊事例としてコソボ独立を支持したのだろうか? コソボが独立すれば独立を目指す勢力は世界中で暴れだす危険性がある。チベット暴動はその影響の一つであるのだろう。

チベットが動けば台湾にも影響が及び、今日は台湾総統の選挙日ですがどのような影響が出るだろうか? 対中融和派の国民党の馬候補が優勢なのですがチベット暴動で独立派の謝氏も巻き返している。コソボーチベットー台湾と問題がつながって、中国は国の東西で問題を抱えて、ソ連のように分裂して崩壊する前兆になるのかもしれない。

イギリスはロシアとの新冷戦構造を構築しようとしていましたが、アメリカはロシアとの協力関係を築こうとしている。米英同盟にも影がさしているのですが、となると日米同盟にも何らかの変化の出てくるかもしれない。アメリカで親中派のクリントンが大統領が選ばれれば、米中関係が劇的に変化して、日本を切り捨てて米中同盟が出来て、日本は漂流するかもしれない。

アメリカは今や内憂外患であり、どのように立て直そうとしているののだろうか? ブッシュ政権もあと10ヶ月あまりですが、イラクからも撤退して経済を立て直さないと持たないだろう。今のアメリカ外交は悪あがきとも思えるのですが、中東政策では最初からイラク戦争は兵站的に無理だったのだ。アメリカはすでにイラク戦争に75兆円も使っている。

日本は暫定税率の問題や日銀総裁の問題で内政だけで立ち往生してしまっている。中国ともアメリカとも事なかれ主義で、権謀術数を駆使しているアメリカや中国やロシアと比べるとなんと脳天気な国なのだろう。それ以上に国民も脳天気であり、チベット問題の背景には様々な国の駆け引きが見て取れる。


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