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イラク情勢ニュース URUK NEWS > 2008
イラク戦争から５年、今も続いている
IRAQ: Five Years, And Counting
ダール・ジャマイルの中東速報
２００８年３月１８日
Dahr Jamail's MidEast Dispatches
http://dahrjamailiraq.com/hard_news･･･
Inter Press Service
（インター・プレス・サービス）
Analysis by Dahr Jamail
ワシントン、３月１８日発（ＩＰＳ） −− イラク国民の圧倒的世論と現地の惨状は、イラク情勢は侵攻５周年にあたる３月１９日を前に改善されてきたという米国高官の主張と対照的である。
ディック・チェイニー米副大統領は１７日にイラクを電撃訪問して、２００３年のイラク侵攻を「成果が報われた」と宣言した。
Just Foreign Policy（公正な外交政策＝団体名称）によると、侵略と占領の結果として１００万人のイラク国民が殺され、今は６年目に入ろうとしている。イギリスの世論調査会社であるＯＲＢの調べでは、死亡者数は１２０万人以上だと推計されている。
ノーベル賞受賞者で元世界銀行総裁、経済学者のジョセフ・スティグリッツは、最近、ハーバード大学のリンダ・ビルメスとの共著『３兆ドルの戦争』を出版したが、その数字はイラク侵略と占領にかかる長期的な経費を「控えめに見積もった」ものｄと述べた。
この共同執筆者は、ブッシュ政府が戦争費用を「安くつく」と繰り返しては記録をアメリカ国民に隠してきた、と指摘している。
アメリカ国防総省によると、４０００人近いアメリカ兵が死亡した。イギリス軍の犠牲者数は１７５人である。
「イラク戦争は過去にイギリスが戦ったなかで最も悲惨な戦争の一つとなった」と、ロンドンのインディペンデント紙が３月１７日付で書いた。「せれは避けることあできた戦争としてクリミア戦争、ボーア戦争と並ぶもので、最初から最後まで無能ぶりを露呈するものだ」と。
国連難民高等弁務官事務所によると、４００万以上のイラク国民が家を離れることを強いられ、その約半分は国外へ避難した。
イラク赤新月社は、６００万人のバグダッド住民は、４人に１人が自宅を離れて移住させられている。
赤十字国際委員会は３月１７日に発表した報告書で、今も何百万の国民が浄水と医療にこと欠いていると指摘した。
イラクの社会基盤は、サダム・フセイン統治時代のイラクと比べて、あらゆる規準で悪化しており、歴史的にも最も厳しかった経済制裁下の１２年よりも悪い。経済制裁の期間には、１００万人以上のイラク国民が栄養失調と病気、医療不足のために死亡した。
国際的な援助団体であるオクスファムは昨年７月に発表した報告書で、４００万人のイラク国民が緊急援助を必要としていると述べた。その報告は子どもの栄養失調が９％増加し、イラク国民の７０％が安全な飲み水を得られないでいることを明らかにした。
イラクの平均的な家庭は、ブッシュ政府が成功事例の一つと自慢するクルド人支配下のイラク北部においてさえ、電気の供給は１日当たり平均して５時間以下である。
イラクの収入の８０％以上を占める石油輸出は、占領期間中に１日として戦前水準に達したことはない。
失業率は、イラク政府の発表によっても、侵略前に既に３２％だったが、占領期間中は４０〜７０％の間を推移している。
１００万人以上が死に、４００万人以上が移住を強いられ、そのほかに４００万人が緊急援助を必要としているということは、イラク国民の３分の１が移住または緊急援助を迫れており、さもなくば死ぬということである。
チェイニーが「報われた成功」と言っているのは、こういうことである。
チェイニーがそう言ったすぐあと、バグダッドの南方、シーア派の聖地カルバラにあるモスクの近くで自爆事件が発生し、３２人以上が死亡、５１人が負傷した。チェイニーが到着した直後、バクダッドではグリーンゾーン近くで爆弾事件が発生し、４人が死亡、１３人が負傷した。
バグダッドは世界で最も危険な都市となったが、それは主としてイラク人を民族・宗派の違いで互いに争わせるというアメリカの政策の結果である。今日のバグダッドは、スンニ派とシーア派の貧民街を壁で囲むという、米軍の造ったコンクリートの壁で分断された街になっている。
こうした地域はそれぞれ独自の国旗を掲げるほどになった。つまり、スンニ派居住地は旧イラク国旗、シーア派居住地は新しい国旗、そしてクルド人地区はクルドの国旗というふうに。
民族と宗派によって浄化する作戦は、占領軍によって後押しされ、実質的にバグダッドからすべての混在地域を消し去ってきている。
イラクを訪問した共和党の大統領候補ジョン・マケインは、上院軍事委員会の視察ミッションの一環として、イラク人指導者と会談した。彼もチェイニーと同様に、イラク政府を支持し、イラクに長期の軍事的関与を続けると発言した。
マケインはバグダッドへの兵力配備に関して、「増派作戦は機能している」と報道陣に語った。
イラクに建設される恒久基地とバチカン市に匹敵するバグダッドの米国大使館の規模は、イラクを占領する米軍兵士の目には終わりが見えないものと映っている。
[新世紀人コメント]
「米国軍事帝国の破綻覆い隠し」の役割をイラク国民・アフガニスタン国民・米兵（米国民）担わされたのだ。
「破滅戦争」は実は「煙幕」だ。
戦争の行き詰まり的敗北の実態は、実はドル体制の崩壊なのだ。言い替えと言えよう。
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