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http://www.amakiblog.com/archives/2008/03/12/#000763
2008年03月12日
元米国務省職員によるイラク攻撃批判
毎日新聞が、イラク開戦5年を迎えるにあたって、イラク戦争の総括特集を始めている。きわめて重要な特集だ。毎日新聞に敬意を表したい。
米国のイラク攻撃は、21世紀のはじめを汚した深刻な外交的一大事件であった。末永く記憶にとどめられる事件となるに違いない。
それは世界を分裂させた。中東情勢の混迷を加速させた。日本は「テロと戦う」米国軍に決定的に従属させられる事になりつつある。なによりもおびただしい人命が失われた。その犠牲は今も続いている。
自衛隊のサマワからの撤退にともなって、イラク戦争はすっかり日本のメディアから消えてしまった。それにともなって日本人の関心も急速に失せた。
しかし、いつか日本でも、誰かの手によって、米国のイラク攻撃が冷静に検証されなければならない。我々は、米国のイラク攻撃を支持した小泉外交の大きな罪を直視しなければならない。それなくしては日本外交の再生はない。日本の自立はおぼつかない。
12日の毎日新聞に掲載されていたジョン・ブラウン元米国務省職員(59)の次の証言は、当時の私の記憶を鮮やかに蘇らせてくれた。それはレバノンで皆が言っていた事だ。駐レバノン米国大使が私に述べていた事だ。ブッシュ大統領と小泉首相の軽さが見事に一致していた事を教えてくれる。
・・・この戦争は素晴らしいという同僚は一人もいなかった・・・ブッシュ大統領自身、国際的な事にほとんど興味を持たず、知識もなかった。
ホワイトハウスの取り巻き連中の関心は常に国内問題だった。つまり、共和党政権をどうやって維持するか・・・02年11月の中間選挙に勝つために大統領を強い指導者に見せかける必要があった。そのためにイラク危機を利用したのだ・・・
政権幹部はこんな結果になるとは全く予測していなかったはずだ。簡単に考えていたのだ。中東に関する無知のゆえだ・・・ブッシュ大統領は・・・イラクにイスラム教のシーア派とスンニ派の2宗派がある事さえ知らなかった・・・
イラク戦争を遂行する必要上、米政府はウズベキスタンやパキスタンなどの独裁政権と手を結んだ。アブグレイブ刑務所での収容者虐待や拷問(を重ねた)。その結果世界中で反米感情を高めてしまった。イラク戦争によって米国のイメージは決定的に低下した・・・
米国はもっと長期的な広い視野で外交をする必要がある。イラクはそれを教えている・・・
あらためて強調する。イラク戦争の総括なくしては日本外交の再生はない。日本の自立はない。