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2008年 03月 10日
関東大震災・東京大空襲・ロックフェラー
アルルの男・ヒロシです。
先ほど、TBS系で放送されていた、「東京大空襲」の再現ドラマ&ドキュメンタリーは、なかなか優れた裏の情報を提供する番組だった。運動しながら、音を消したテレビを見たので、詳しい筋立ては分からないが、それはそれ、日本のテレビの字幕過多に助けられて、大要は理解できたと思う。
まず重要なポイントは、東京空襲で被災した下町地域は関東大震災で被害を受けた地域と同じだったということ。
そして、次に重要なのは、下町を焼き尽くした焼夷弾を開発していたのは、あの「スタンダード石油」だったということである。
そして、その伏線になるのが、関東大震災の後で、ロックフェラーが寄贈した、東京大学の図書館である。
まず、焼夷弾を開発したのは、スタンダード石油だったという事実。これは大きい。戦時体制だから軍に協力したのだろうが、アメリカにとって第二次世界大戦は、巨大な国家プロジェクトであったことが分かる。
フルモビライゼーション(国家総動員)下にあっては、ロックフェラーのスタンダード石油というのは、軍需産業だったのだ。今も会社としては分社化されて事業が分かれているだろうが、私は、あえて言うが、アメリカという国は、軍需産業で出来上がっている国であるという事実には変わりないと思う。
参考までにその事について触れているネット上の記事を引用する。これは、故おーるさんの「新じねん」の優れた解説記事である。
(引用開始)
米国は一九四一年から、スタンダード石油副社長を中心に新型焼夷弾の開発にあたっていました。四三年の二月から三月にかけ、ユタ州ソルトレークシティー南西の砂漠にダグウェイ試爆場をもうけ、日本とドイツの建物を建設。同年五月から九月にかけて繰り返し焼夷弾を投下して、落下軌道、発火範囲、燃え方、消火にかかる時間など細かいデータをとっています。
効果を調べる綿密な実験をもとに、住宅密集地帯である東京下町を選んで、大空襲を実行しました。
燃焼実験では、日本の木造長屋を正確に設計。二階建ての二戸三棟の建物を四列ならべ、全部で十二棟二十四戸を建てました。トタン屋根、瓦屋根の二種類をつくり、雨戸や物干し台をつけ、家の中には畳を敷き、ちゃぶ台や座布団などの家具、日用品もおきました。路地の幅も日本と同様にし、日本の下町の町並みを再現しました。建材も、できるだけ日本のヒノキに近いものが使われました。
このような正確な設計が可能だったのは、戦前一九三七年まで十八年間、日本で設計士として働いたアントニン・レーモンドが、米国に戻ってから戦時局に依頼され、設計に協力したからでした。レーモンドは、フランク・ロイド・ライトの弟子として帝国ホテルの設計に携わり、戦前・戦後あわせて四十四年間、日本で多くの著名な建物を設計。「日本近代建築の父」といわれます。
「新じねん」から 「東京大空襲 米軍は実験済みだった」
http://csx.jp/~gabana/Zaakan/hibi0503/hibi-niisi-050311.htm
(引用終わり)
そして、TBS番組では、関東大震災と東京大空襲の被災箇所が一緒だったと述べている。これで、ロックフェラーが、東京大学の図書館を整備した、深慮遠謀が見えてくる。(注1)
図書館を設置するということはいかなる意味を持つか?それは、ユースタス・マリンズが述べているように、スタンフォード大のフーバー研究所は「戦争図書館」なのであり、それはフーヴァー大統領が、第一次世界大戦で欧州大陸でアングロアメリカンがやってきた残虐な行為に関する情報・文書を蒐集したものである。すわなち、情報の一カ所集中である。
私が、「世界を動かす人脈」でやったのも、ネット上、新聞記事に掲載されてきた、断片的な情報を一カ所に集中させるという作業である。
情報を一カ所に集中させる。それが「シンクタンク」という言葉の意味ではないか?
そう考えると、日本でロックフェラーというアメリカのトップを行く財閥の資金で震災後に図書館が寄贈されたことは、「日本の重要な情報はおおむねここに集まるだろう、手間が省けたわい」という意図に基づくのではあるまいか。
そうなれば、仮に日本と事を構えることがあっても、その前に日本を研究しておけば、日本の文化的弱点、社会的弱点を事前に把握することが出来るわけである。
私は、元山一証券の吉永俊朗氏にお会いしたことがある。彼は、『100年たっても アメリカに勝てない日本』(オーエス出版・絶版)と言う本を書いている金融マンだが、その中で紹介されていた本が、寺島実郎監修の『二つのフォーチュン』(ダイヤモンド社)という本である。この本は、1940年のアメリカの「フォーチュン」誌が、日本の特集を行った特集号から大部分を翻訳掲載してある。
そのアメリカの日本研究たるや!一般書籍でさえ、既にここまで日本は丸裸にされていたのか、という思いである。
戦後、東京大空襲の成果も含めて日本にやってきた、戦略爆撃調査団の中には、ケネス・ガルブレイスがいた。
そして、日本の公害である水俣病の研究に、アメリカの保険機関であるNIHが研究資金を提供している。これも、情報を一カ所に集めるというアメリカ財閥の世界戦略に基づくものだろう。
やっぱり、アングロ・アメリカンというのは恐るべき戦略家たちである。
(注1)
東京大学のサイトにロックフェラーの寄付申し出文章があった。
(貼り付け開始)
ロックフェラー氏からの寄付申し出の電報
震災直後に組織された図書復興委員会は、法学部教授高柳賢三、経済学部教授上野道輔を欧米に派遣し、図書の損害に関する実状を告げ、援助を求めました。その依頼に応えるかたちで、大正13年12月30日に世界的な富豪であったジョン・ロックフェラー氏から図書館再建のための援助の申し出がありました。以下はその電文の内容です。
拝啓
昨年の震災によって東京帝国大学の図書館がその蔵書80万冊のほとんど全部と共に焼失したことを、深い悲しみをもって伝え聞いております。日本がこの未曾有の災禍を被ったことで、世界の同情を呼んだことは勿論のこと、日本国民がこのような惨事に直面し発揮した剛健な気質は、誰もが賛辞を惜しまないことと思います。
先般、帝国大学代表者の高柳教授は、図書館の再建と図書の回復とについて援助を求められましたが、その求めに応じて400万円を寄付することができることを私自身大変嬉しく思います。その寄付には何らの条件も付けず、もし古在総長が図書館長姉崎教授並び団琢磨博士と共に委員としてこの資金を支出する全権をもち、活用いただけるならば満足に思います。この寄付を建築と図書とに充てるかどうかの判断も上記の委員に一任したく思います。私の聞いたところでは、図書館建築の為に政府は既に相当の支出を決定しておられるようです。私の希望としては、この種の他の資金と共に、私の寄贈する資金によって、図書館の建物の完成だけでなく、図書を購入するためにもかなり多くの資金を供給できればと思っています。
日本国民が自力でその破壊された都市や学府の完全な回復を成し遂げることを、私は確信しております。またそのことともに、世界の学界に優秀な位置を占めておられる東京大学が満足な図書館設備をもつ日が来ることが早まるように、援助できることを私は大変喜びに思っております。
敬具
ジョン・デ・ロックフェラー
東京帝国大学総長 古在由直殿
(「東京帝国大学五十年史(下冊)」(東京帝国大学)より)
http://www.lib.u-tokyo.ac.jp/sogoto/history/rekisi/kifu.htm
(貼り付け終わり)
===
役に立ちそうな資料
ロックフェラー財団と長與又郎(優生学関連か?)
Rockefeller foundation and Dr. Mataro Nagayo
池田光穂 (c)
http://www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/020705Rock.html
ロックフェラー財団文書(Rockefeller Foundation Archives)およびチャールズ・B・ファーズ文書(Charles B. Fahs Papers)
http://plng.p.u-tokyo.ac.jp/text/senryoki/report01/RFA-CBF.html
■関連情報「新じねん」
★東京大空襲 米軍は実験済みだった
http://csx.jp/~gabana/Zaakan/hibi0503/hibi-niisi-050311.htm