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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu162.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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「米国はダブルスタンダードで信用できないが、ロシアは約束を守る国だ」
という国際世論ができあがることは米国にとって悪夢であろう。
2008年2月27日 水曜日
◆米国には「覇権国家」としての世界戦略があるのか?その場しのぎの国益主義に疑問を呈す。 2月26日 じじ放談
http://blog.livedoor.jp/gold_7777/
第一次・第二次世界大戦で、本土が戦火から免れた唯一の国家米国は、国内産業を温存できた僥倖もあって資本主義陣営の盟主になった。「帝国以後」の著者E・トッドによると、戦後、旧ソビエトを盟主とする共産主義が東欧を勢力下においたため、これを脅威と感じた西欧諸国が、嫌がる米国をたきつけて北大西洋条約機構(NATO)を結成したのだという。米国は不本意ながら、同盟国の強い要請を受け入れ、資本主義陣営の盟主に祭り上げられた由である。
旧ソビエト連邦のスターリンが「世界の共産主義化」という戦略の下、並々ならぬ意欲を持っていたことと対比すると、米国の「覇権国家への消極的態度」が目につく。それでも、冷戦時代はソビエト連邦という「好敵手」がいたから、否応なく「資本主義陣営の盟主らしく振舞う」ことができた。つまり、世界戦略を持たなくても、ソビエト連邦の出方を見て対処しておれば、それなりに「格好をつける」ことができた。
1991年ソビエト連邦が自滅。社会主義陣営が崩壊した後、米国は「好敵手」がいなくなった。それまで、ソビエトの出方を見て対応すればよかったのに、唯一の覇権国家となった米国は「自らの世界戦略を描くべき立場」に立たされた。だが、その後の展開を見ると、米国が「世界の覇権国家としての戦略を持っていた」とは思えないのだ。
米国は世界中から「ダブルスタンダード」とみなされている。米国には行動選択の基準が二つあり、米国の都合で使い分けるとみなされている。ある時は「民主主義と人権」を掲げて経済制裁に乗り出すかと思えば、最悪の独裁国家並びに人権侵害国家と蜜月関係を結ぶという具合である。
現在、米国はキューバ、北朝鮮、イラン、ミャンマーほかに対して「非人権国家」とレッテルを貼り「経済制裁」を行っている。北朝鮮は外国人拉致、偽札づくり、麻薬の製造・販売、テロ組織への武器輸出等に手を染めているから「経済制裁」をしても当然である。だが、キューバ、イラン、ミャンマーは、世界が脅威と感じる悪事を行ったのか?国内の反対勢力を弾圧したかもしれぬが、国際社会は迷惑を被っていない。つまり、当該国の内政問題を「針小棒大」に取り上げ、「人権侵害国家と認定」し、恣意的に経済制裁を課すのだ。キューバ、イラン、ミャンマー以上に国民を武力で弾圧している国は少なくない。特に、中国の宗教団体(法輪功・地下キリスト教会)への弾圧、ウイグル人・チベット人に対する100万人ともいわれる大虐殺には目をつぶり「米中の戦略的互恵関係」を築いている。
米国のダブルスタンダードぶりは目を覆いたくなる。つまり、米国は「世界の覇権国家」としての自覚がなく、かつ覇権国家としての責任意識が欠けているのではあるまいか。時々の「国益を基準として行動する利己的な国家」ではないのか?
古代ローマは「普遍的統治原理」を以って、域内の各民族や国家を平等に扱ったという。覇権国家は、明確な「基準」を指し示すことで、域内の各民族や国家の信頼を克ち得たのではないか。「事の善悪」を横におくならば、旧ソビエト連邦は「覇権国家」としての構えを持っていたのではないか。共産党独裁という硬直的な組織が国家経済を破綻させ、牢獄国家を作り上げた点を無視し、「世界戦略」という観点に絞って考察すると、ソビエト連邦は、世界を統治する「普遍的原理」をもっていたのではあるまいか。(中略)
1967年、反共の防波堤として結成された東南アジア諸国連合(ASEAN)は、以来20年余り米国の縄張りであった。我が国も、アセアンへの経済援助を行い、アセアン諸国の経済発展を支援してきた。冷戦終結後、米国が手を抜き、かつ米国に遠慮した我が国が、自主的東南アジア外交を躊躇している間に、東南アジアは中国の縄張りとなった。昨年だったか、我が国が常任理事国に立候補した際、ベトナムを除くアセアン各国は中国の意向を忖度して、我が国を積極支援しなかった。数十年にわたって金を注ぎ込んできた外務省は、さぞ「ガックリ」したのではあるまいか。いつの間にか、ベトナムを除くアセアン各国は「中国に寝返っていた」のだ。
タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、フイリッピンの経済は、客家属華人(華僑)が支配しているという。「血(中国)は水(日本)より濃し」という訳である。日本が米国の顔色を気にして「ウロウロ」している間に、ベトナムを除く東南アジアは、中国の手に落ちた。
だが、中国も安心しておれない。最近、中東イスラムの政府系ファンドが、イスラム国家であるマレーシア、インドネシアへの投資を活発化させている。インドも、地の利を生かしてアタックをかけ始めた。そして、ロシアもミャンマーへの原子炉提供や石油・ガス田採掘及び鉱山探査事業に参入するほか、インドネシアに新鋭戦闘機5機程度を売却する契約を結んだ。
現在、米国は東南アジア諸国から「商品輸出先」としか見られていない。ベトナムを除く東南アジアは中国の縄張りになってしまった。ここに、イスラム、インド、ロシアが攻勢をかけている。我が国はベトナムに重点投資して、かろうじて政治的影響力を残そうと努めている。
東南アジアの現在は、21世紀の世界の縮図であろう。先行逃げ切りを狙う中国を、インド、ロシア、イスラムが追う展開である。米国馬はゲームに参加していない。米国がアフガン・イラク問題に首を突っ込んでいる間に、東南アジアの勢力図は大きく変化した。
(泥縄式の米国の戦闘機売却)
ロシアがインドネシアに新鋭戦闘機を売却したから、米国も放置できなくなった。中国が政治的・経済的支配を強めている間は「ダンマリ」を決め込んでいた米国が、ロシアが東南アジアに進出し始めたのに慌て、急遽、F16戦闘機をインドネシアに売却することにした。戦略もなく、泥縄式バタバタ劇というほかはない。
旧ソビエト連邦は「世界覇権を狙う戦略性を有する国家」であった。ロシアのプーチンも、「戦略的思考ができる」人物とみなしてよい。
先般、ロシア軍参謀長が「同盟国が侵犯される危険が発生した時は、核兵器を先制使用する」と述べた。そして、コソヴォ独立で揺れているセルビアを擁護するため全力を上げる姿勢を見せている。プーチンは「ロシアの存在をかけて同盟国を守る」という原理原則を打ち出している。
「米国から戦争をしかけられるかもしれぬ」と恐怖感を抱いている北朝鮮、キューバ、ベネズエラ、イラン、ミャンマー等が、身の安泰を図るため「ロシアに守ってもらおうか」と考えても不思議ではない。「米国の核の傘」というのはリップサービスであるが、ロシアは同盟国を守るため「核兵器を先制使用してくれるのではないか」と期待をかける国家が現れても不思議ではない。
「米国はダブルスタンダードで信用できないが、ロシアは約束を守る国だ」という国際世論ができあがることは米国にとって悪夢であろう。そして、「中国は右手にナイフを持ちながら、左手で握手して回る油断できない国だ」とみなすアフリカ諸国が増えている。華僑に経済を握られている東南アジア諸国も「中国を油断できない国」とみなしているはずだ。「米国や中国はダブル・トリプルスタンダードであるから信用できない」という国際世論が形成されたならば、どのような事態が生まれるか。
「信用」というのは人間関係の基本であるが、国家にとっても「どの国と同盟を結ぶか」が国家の存亡を左右する。「寝首をかく人間とは友達になりたくない」というのが人情である。
資本主義?共産主義?が行動選択の基準でなくなった現在、国家が存亡の危機に陥った時、何を「行動選択の基準」にすえるべきか?
21世紀。世界が「権謀術数」と「合従連衡」に明け暮れる時、「信用」の持つ価値は大きくなる。他国を信用できない時代であればあるほど、裏切ることのない「信頼できる国」が求められるのではないか。
プーチンのロシアが、そこまで遠謀深慮を持っているのか不明である。昨今の出来事から判断すると、21世紀は、イスラム、インドそしてロシアが世界の第一線で活躍するのではないかと思うのだ。
我が国の保護国にして唯一の同盟国である米国が「普遍的原理」を打ち立て、同盟国を初め世界中から「信頼される国家」となることを期待する。大統領にオバマが就任した場合は「信頼されるアメリカ」に脱皮できるであろうか。
オバマが大統領職に近づけば近づくほど、「狂信的白人主義者」の危機感を誘発する。彼らの「標的」となる危険性が増大する。だが、オバマが狙撃されたならば、米国の民主主義は地に堕ちる。世界は、米国が繰り返す「人権・民主主義」という言葉を信用しなくなる。
米国の不幸は、心の準備をしないで「覇権国家」になってしまったことにある。惰性で「覇権国家」を演じ続けたことにある。米国が世界中の軍事基地から撤退し、北米大陸に留まるとき、米国に「心の安らぎ」が戻るのかもしれぬ。「人類の理想と理念」を高らかに謳うことができるかもしれぬ。
「岡目八目」とはよく言ったもので、傍から眺めると「手が見える」から不思議だ。
◆プーチン大統領の戦略演説(下) 2月27日 佐藤優 FujiSankei Business i.
http://www.business-i.jp/news/sato-page/rasputin/200802270001o.nwc
2月8日の戦略演説で、プーチンは、〈政府は、イデオロギーと戦略的計画を策定する中心になるべきだ〉と述べている。これは、メドベージェフ大統領の下で首相となるプーチンが国家イデオロギーと戦略的計画の策定に従事する意向を表明したものだ。プーチンはロシアに強力な国家資本主義を根付かせ、帝国主義戦略を推進していくのだと筆者は見ている。戦略演説でプーチンは、〈ロシアは国際舞台に強国として戻った。ロシアは自立している国家と見なされるようになった。われわれは、真剣に外交資産を蓄積し、この資産が国家の発展において機能し、また、国民の民族経済の利益を擁護している〉と述べた。政治、経済両面での国益を増進するために、帝国主義政策を推進することをプーチンは公然と宣言しているのである。
この演説の2日後、2月10日に東京でクドリン露財務相が額賀福志郎財務相に、〈原油や天然ガスによる収入を運用する政府系ファンドが近く日本企業の株式への投資を始める方針を表明した。(中略)日本で存在感を増す中東産油国や新興国に続いて、ロシアの政府系ファンドも対日投資に踏み切る〉(2月10日asahi・com)と述べた。クドリンはメドベージェフとも親しい。このクドリン発言がプーチン演説を踏まえたものであることは明白だ。〈ロシアの政府系ファンドの資産規模は現在、1500億ドル(約16兆円)。これまでは米ドル、ユーロ、英ポンド建ての高格付け債券を投資先としていた。今月からファンドを2分割し、片方はほかの通貨建ての株式も含めて、積極運用に回すことにしたという〉(同)。
ロシアの政府系ファンドは、国策に即して、すなわち第一義的には経済的観点からロシアの安全保障を確保することを目的に行動する。対外諜報(ちょうほう)庁(SVR)には経済安全保障局という局があり、ロシアの国益の観点から、各国の経済状況や、どの企業の株式を購入することがロシアの国益に貢献するかを研究している。筆者の見立てでは、水産関連会社、北海道のゼネコン、さらに石油、電力、航空、鉄道などの株式購入にロシアは関心を示している。また、ロシアの投資会社で勤務する日本人の専門家や通訳を高額の報酬で雇おうと働きかけている。
ロシアの政府系ファンドの規模が小さいからと、軽く見ていると、気がついたときには、北海道の中堅上場企業や水産関連産業の経営権がロシア政府に握られているということは十分ある。ハゲタカファンドは、金もうけだけで動くので、わかりやすい。ロシアの政府系ファンドももちろん損をするような投資はしない。しかし、経済合理性だけで動くこともしない。日本に対するロシアの影響力を極力強化する方向で経済カードを切るのである。
ロシアは国家資本主義国で、露骨に帝国主義政策を推進していることを認識した上で日本政府の対露戦略を組み立てなくてはならない。日本とロシアは引っ越しすることができない隣国だ。プーチンがこれだけ明確に帝国主義戦略を打ち出しているにもかかわらず、日本の政治家もマスコミにも危機感が皆無だ。ロシアを担当する外務官僚がもっと緊張感をもって、ロシアの変化を国民に伝えていかなくてはならない。
(私のコメント)
日本人は日米中の三国関係で外交を考えがちですが、ロシアが国を立て直してきて新たなる巻き返しに出るようだ。三国関係というのは外交的に不安定になりがちだ。一方が手を組めば残った国が不利になる。冷戦時代は米ソの二極対立でしたが、ソ連崩壊でアメリカが唯一の覇権国家となった。
しかしアメリカには覇権国家としての自覚がなく、国益を基準として動く単なる軍事大国になってしまった。冷戦時代は共産主義に対する民主主義といった理念があったのですが、冷戦崩壊後は自国の利益と打算を優先するようになった。その一番分かりやすい例がクリントン大統領による中国との戦略的パートナーシップですが、何処を対象にしたパートナーシップであったのであろうか? 中国の当面の敵は日本しかない。その中国とパートナーシップを組むことは日本を敵としたということだ。
結果的に日本は長期的停滞した状態となり第二の敗戦を迎えて、サマーズ財務長官にマッカーサーのコーンパイプが贈られて得意になった話がある。アメリカの国務省からは日本部長がなくなり中国担当の副次官補が置かれるようになった。つまり日本は第二の敗戦によって再びアメリカの占領状態になってしまったのです。
つまり、今までは敵であった中国と手を組むことで日本を孤立させて弱体化に成功した。中国の要人には20年後には日本はなくなるという人も出てきた。その結果、日米中の三国関係は米中による日本管理ということになるのだろう。韓国や台湾についてもアメリカの裏切りによって見捨てられようとしている。
アメリカが民主主義を理念とするならば、共産党独裁国家の中国と手を組んで日本を二流国に陥れて、民主主義国家である台湾や韓国を見捨てるのはダブルスタンダード外交だ。韓国や台湾のみならず東南アジア各国は中国の「縄張り」となり日本は東南アジアからも見捨てられた格好になってしまった。米中が連携した結果、日本はアメリカが再占領し、東南アジアは中国の「縄張り」となった。これではアメリカが信用できなくなるのは当然である。
それが一番端的に現れたのは、日本が国連の常任理事国に立候補したときに現れて、共同提案国になってくれたアジアの国はアフガニスタンとブータンとモルジブだけだった。中国の圧力に屈して東南アジア各国からも日本は見放されてしまった。膨大なODA援助など何の役にも立たなかったのだ。日本はアジアからもアメリカの保護国扱いされてしまった。
アメリカの戦略とすれば中国と手を組めば世界的な覇権を維持できるという打算なのでしょうが、EUの登場やロシアの復権がどのような影響をもたらすのだろうか? 中国のアジアに対する覇権においても、ロシアがインドネシアやインドに対して最新鋭機を売却したことによって、米中覇権構想も狂いが生じてきた。ロシアは中国に対して最新鋭機は売らなくなり、対アジア戦略にロシアが加わったことでアメリカは慌てている。
佐藤優氏の記事を見ても、ロシアは日本に対しても積極的な投資戦略を通じて親ロ派を形成しようとするだろう。もともと鈴木宗男議員や佐藤氏はロシア派でしたが外務省のパージにあって失脚した。日本はもともとアメリカと軍事同盟を組んだ仲であるのですが、実態は米中の保護下にはいっている。テレビを見ても討論会には親米派と親中派が出ていて愛国派は出る事が出来ない。国会も親米と親中派に分けられて日本の国益がどっかに逝ってしまっている。
私がアメリカ大統領であっても、中国と手を組んで日本から金を毟れるだけ毟る戦略をとるだろう。日本人は戦略的な発想がないから日米安保条約が日本を拘束している条約であることに気がつかない。核の傘で守ってあげているというアメリカの言い分は北朝鮮を見ればよく分かるように、北朝鮮が核開発していてもイラクのように攻撃しなかった点でも疑念を持たざるを得ない。
六カ国協議の本当の目的は米中による日本の核保有の阻止にある。日本が核を持てば一番脅威に感ずるのは中国であり、中国はアメリカを通じて日本を監理している。台湾や韓国もアメリカを動かして骨抜きにして手に入れようという戦略だ。アメリカはイラク戦争で手一杯であり中国には対抗できない状態だ。だから中国と手を組んでアジアを中国に任せることにしたのだろう。しかし中国もアメリカ以上に信用できない国でありダブルスタンダードだ。
「株式日記」ではアメリカの衰退を論じてきましたが、アジアにおいてはアメリカは中国に勝つことは出来ない。だからアメリカは中国と手を組んで覇権を維持しようと考えた。これは日本に対する裏切りなのですが、日本人が戦略的は発想を持たないから気がつかないのだ。
中国もアメリカ以上にダブルスタンダードだから、ロシアと上海協力機構を持ちつつ、裏ではナイフを突きつけあっている。同盟というのは表では握手しながら裏ではナイフを突きつけあう関係なのですが、日本はアメリカに対するナイフは持っていない。だから裏切られるのだ。
日本もロシアとナイフを突きつけあいながら裏では握手をするような戦略がもてれば一人前なのですが、戦略的な思考は日本人にとっては豚に真珠だ。当面は米中ロの三つ巴を指をくわえて見ているしかないだろう。
アメリカも民主党政権に変わればイラクからも撤退して内政に追われて、中国やロシアとの覇権争いには手を引いていくかもしれない。空白となった日本やアジアには中国かロシアが手を伸ばしてくるはずだ。アメリカも信用できないのなら中国もロシアも信用は出来ない。しかし一番信用できないのは日本の外務省と防衛省でありたるみきっている。